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ボサノバとジャズの違いとは?

皆様、突然ですがボサノバはお好きですか?ボサノバとは、50年代から60年代にかけてブラジルのリオデジャネイロで、裕福な大学生達の間で流行した音楽で、一時はアメリカ市場でも大ブームを巻き起こしますが、後に衰退してしまいました。

今現在ブラジルの若者達の間では、殆どボサノバは聴かれていないそうです。アメリカと同じ様にHIPHOPが人気みたいですね。

さて、ボサノバをジャズの一種と説明されているのをよく見かけます。確かにボサノバ界の大御所の一人、カルロス・リラの曲にそのものズバリ「Influência do Jazz」日本語タイトル「ジャズの影響」という曲もあります。

しかし僕に言わせたらジャズとボサノバは全く違う成り立ちの音楽です。確かに頻繁に使用される楽器や編成は似ているかも知れません。

でもジャズはピアノで伴奏する事が多いのに対し、ボサノバはギターです。それもナイロン弦のクラシックギターですね。

管楽器もジャズでは、トランペットやサックスが一般的なのに対し、ボサノバではフルートが多用される事が多いです。

更にとても大きな違いがリズムです。ジャズはスウィングですよね。チーチキチーチキってやつです。12/8拍子…3連なんて言う人もいます。アクセントは2拍目と4拍目。

しかしボサノバは2/4拍子。アクセントは1拍目と2拍目。後は基本裏打ちです。文章ではなかなか上手く表現出来ませんが、アクセントは拍の頭なのに、それ以外は裏打ちシンコペーションってのがなかなか出来ている人を見かけません。僕も最初の頃はブラジル人パーカッショニストとセッションすると何故合わないのか不思議でした。最近はお陰様でなんとかサマになってきましたが。ボサノバのリズムはサンバなんです。コレ凄く大事。ジョアン・ジルベルトのギターを何百回も聴くと理解出来ます。

よくボサノバを8ビートと思っている人や、そう書いてある書籍を見かけますが、僕はアレ間違いだと思いますよ。ボサノバは8ビートじゃないですよね?

でもジャズ界隈では結構著名な方々も4/4拍子でボサノバ演奏してるんですよね…まぁあれはジャズアレンジされたものと考える事にします。

そしてハーモニー。和音ですね。コレが僕は個人的にはジャズとの一番大きな違いだと思っています。

まずボサノバという音楽を「発明」したのはアントニオ・カルロス・ジョビンだと言い切ってしまいます。ジョビン以前にはボサノバは無かったと。

そのジョビンはピアニストであり、作曲家でもあります。ラベルやドビュッシーなどの印象派と呼ばれる音楽家達の影響を強く受けています。と同時にブラジル人であるジョビンは土着的なサンバからの影響ももちろん受けています。

印象派といえば、その美しい和声が大きな魅力で、調性をぼかす様なテンションを多用したヴォイシングが特徴ですね。

対してジャズではボサノバ程和音は凝っていない。テンションもダイアトニックを中心に比較的シンプルに出来ています。メジャー9度や6度といった和音はボサノバならではのものだと思います。

つまりボサノバとはサンバのリズムに、印象派の和声を乗せたものである。と定義出来ます。

コレが僕が考えるボサノバとジャズの違いです。

僕、こんなボサノバを作っている人です。


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