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こどもの本棚:乗りもの絵本はこの人!間瀬なおかたさんの描く3冊

一緒に行った図書館で、長男が一人で棚から絵本を選んでもってくるようになったのは3歳後半のことだった。私が全然知らない絵本をたくさんもってくるので、へーこんな絵本があるんだと思いながら「自分でカバンに入れて持てる分にしようね」と声をかけていた。

彼を見ていると背表紙でまず取り出す本を決め、表紙を確認した後、カバンに入れるか棚に戻すか決めていた。中身は一切開かない。だから当然なのだが、家で読んだ時には一度で終わる本と何度も読む本にきれいに別れる。

ある時何度も読み返す本の中で「これとこれ、画風似てるな・・・。もしかして同じ作者かも。」とピンときて、そこから追いかけるようになったのが間瀬なおかたさんの絵本。

作・絵の両方を手がけているものだけで30冊以上、絵で参加しているものもあわせると100冊近くになる。

10冊くらいしかまだ読んでいないので、未読の作品がまだまだたくさんあることが嬉しい。今まで読んだ中で長男が大好きだったのは、この3冊。

1)「はしれはしごしゃ」 間瀬 なおかた ひさかたチャイルド

煙があがった先にむかって、はしご車が走る!到着して現場を確認してみると・・・というところで、ページを開く仕掛け絵本。
街や森の書き込み具合が細かく、また遠近感を強調した構図が、消防車の走る道のりを想像させる。
「今度はどこだ!うーーうーー、うーーうーー」と長男も消防隊員の一員になりきり、何度も読み返した。

2)「しんかんせんでいこう」 間瀬 なおかた ひさかたチャイルド

右から読んでも、左から読んでもいい絵本。日本列島を新幹線で辿っていくという電車好きにとってはたまらない一冊。

右から読めばスタート地点は北海道、ラベンダー色のラインが入った北海道新幹線から始まり、最終的に九州へ到着する。左から読めば、九州新幹線からスタートしどんどん北上していくという構成。

地図と新幹線を見ながら「ひいばーばに会いに行くのにのぞみ乗ったね!」「大きな(福島の)水族館行く時に、はやぶさ乗ったよね!」と自分の乗った電車と行き先を確認していた。好きな電車のことは、本当によく覚えている。

3)「まぼろしの ゆきのはらえき」  間瀬 なおかた ひさかたチャイルド

日本のどこかにあるローカル線うみやま鉄道を舞台にしたシリーズ。

こちらは、ある雪の日に雪の中で倒れてしまった男性を狐が助けるというお話。他の作品に比べると色数は少ないように見えるけれど、頬にあたる冷気を感じしんしんと降り積もる雪の音まで聞こえてきそうだった。駅員に化けたきつねが幻の駅を作り、電車を誘導して男性を助けるというファンタジーなエピソードも優しい。

間瀬なおかたさんの本の魅力は、写実的でありながら共感できる絵であること。リアルな書き込まれ方と、こどもたちが好きになる柔らかさのバランスが抜群なのだ。

乗り物の作品が多く、新幹線や特殊車両など本物そっくりに細部まで描かれている。そこにまず長男は興奮するのだが、何度も読んで!とリクエストするのは、線や色の使い方が柔らかく楽しい気持ちになるからなのでは?と思っている。

個人的には大人も読んでいて優しい気持ちになれる、ローカル線うみやま鉄道シリーズを読破したい。

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