こどもの本棚:目線を地面ギリギリにして、季節を感じる「じっちょりん」シリーズ
じっちょりんはほぼ虫と同じサイズ感の妖精のような生き物です。
どこか弾むような響きの名前をもつ彼らは、パパ・ママ・兄・妹の4匹家族で、花の蜜や花粉、葉っぱを主食にしています。たねかばんと呼ばれるかばんをいつも持っていて、花や草の種を集めてはそれに入れ、かばんがいっぱいになるとその種を植えるちょうどいい場所に移住する生活をおくっています。
そんな彼らのデビュー作がこちら。
「じっちょりんのあるくみち」 かとう あじゅ 文溪堂
この絵本の魅力は、なんといっても目線です。
じっちょりんはほぼ虫サイズなので、地面すれすれの目線で物語がすすみます。普段私たちにとっては小道程度の道路が、まるでアメリカのものすごい幅広の道路のように見えたり、お散歩中の犬の顔はハァハァという息遣いが耳元で聞こえそうなほど巨大に感じます。
道の脇やコンクリートの隙間から生えている雑草には、全て名前がふられているので、読み聞かせをしている時には「あ、この草見たことあるね。へー、こんな名前だったんだ!」という会話も盛りあがります。
このシリーズの2冊目を図書館で見つけたので、さっそく借りました。
「じっちょりんとおつきさま」 かとう あじゅ 文溪堂
今度はみんなでお月見です。前作に比べるとひきのカットが多いですが、その代わりススキを様々なアングルで見ることができます。
特に最後のススキ越しの大きなお月様は、とても幻想的です。
このシリーズは他に2冊でています。いずれも歩き慣れた道、見慣れた風景でも目線の高さを上下に変えてみることで、全然別の世界に見えるんだという疑似体験ができます。
子どもたちが夫の肩車が大好きで、大興奮するのもそういうことなんだろうなぁ。
今週末は4歳長男の目線の高さにあわせてお散歩してみたいです。
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