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わたしの本棚

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わたしの本棚:同世代のある女性ーシングルマザーで掃除婦だった作家の物語「メイドの手帖」

わたしの本棚:同世代のある女性ーシングルマザーで掃除婦だった作家の物語「メイドの手帖」

これは、書かれる可能性がほとんどなかった物語だということを、どうぞ忘れないでいてほしい。バーバラ・エーレンライク(作家)

という序文から始まる、一人の女性の物語を読んだ。

「メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語」 ステファニー・ランド 著 双葉社

著者は大学進学を目前に28歳で予期せぬ妊娠、パートナーのDVによってシングルマザーとなった。その後

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わたしの本棚:緊急事態宣言中の交換日記を読んで、あの頃を思い出す「あんぱんジャムパンクリームパン」

わたしの本棚:緊急事態宣言中の交換日記を読んで、あの頃を思い出す「あんぱんジャムパンクリームパン」

なんか美味しそうなタイトルの本だな・・・、なんだろ?パンに関するエッセイかな?最初この本を見たとき、そう思った。

あれ、でも副題がついてる・・・”女三人モヤモヤ日記”?え、パンの話じゃないのかな・・・・モヤモヤしはじめたのこっちですけど?

あんぱんジャムパンクリームパン 女三人モヤモヤ日記
著:青山ゆみこ・牟田都子・村井理子  亜紀書房

それでもこの本を手に取ったのは、本の著者に村井理子さん

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わたしの本棚:もうすぐパパになる弟におくった本5選

わたしの本棚:もうすぐパパになる弟におくった本5選

まもなく弟が父になる。予定日はもうすぐそこだ。
「こどもができたよ!」という報告をうけた後、安定期に入る頃に弟に本をまとめて送った。

弟と私は4歳離れている。
小さい頃は喧嘩もした。中学生、高校生時代は真逆に近いタイプだったが故にお互い自分にない部分がコンプレックスだった。

そういう話もお互い開示できるようになった大学生以降は、よく話をするようになった。
おすすめの本やWEBの記事、面白かった

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わたしの本棚:現実と漫画がオーバーラップする「かしこくて勇気ある子ども」

わたしの本棚:現実と漫画がオーバーラップする「かしこくて勇気ある子ども」

先日母がよかったから、読んでみて!と持ってきたのは、赤と黒のコントラストが印象的な表紙のコミックス。

「かしこくて勇気ある子ども」山本美希 リイド社

主人公はまもなく第一子が生まれてくる夫婦。

「ね この子 どんな子になると思う?」
「まぁ 俺の子なら かしこくて勇気にあふれた子どもに・・・」

「定番だったらピアノよね!」
「女の子だからバレエもいいんじゃない?」

妊婦である沙良さんの大

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わたしの本棚:「ハイパーハードボイルドグルメリポート」に衝撃をうける

わたしの本棚:「ハイパーハードボイルドグルメリポート」に衝撃をうける

写真は平凡な我が家のいつかの平和な朝ごはんだが、今回紹介するのは世界のヤバい人たちと彼らの食事を紹介する本だ。(とはいっても本の中に食事の写真は一枚もない)

私は毎月20冊前後の雑誌を読む。その中でも書評ページは必ず全て読み、面白そうな本をチェックするのが習慣だ。とある月の書評で、複数の雑誌に取り上げられていた本書、カタカナのタイトルをぱっと見では理解できなかった。

「ハイパーハードボイルドグ

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わたしの本棚:54歳おしゃれになりたい母と娘 「お母さん、その服なんとかしよ!」

わたしの本棚:54歳おしゃれになりたい母と娘 「お母さん、その服なんとかしよ!」

昨日のnoteで書いた内澤旬子さんの「着せる女」に続き、服にまつわる本の感想。

「お母さん、その服なんとかしよ!毒舌ムスメのファッションチェック」 あっこたん 飛鳥新社

著者はあっこたんこと金子敦子さん。毎日のコーデを高校生の娘さんがファッションチェックしたものを投稿したブログ『命短し恋せよ乙女 50代の毎日コーデ』の書籍化本だ。金子さんもblogのことも知らなかったが、パッと表紙が目に止まっ

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わたしの本棚:プロフェッショナルに服を見立ててもらいたくなる、内澤旬子「着せる女」

わたしの本棚:プロフェッショナルに服を見立ててもらいたくなる、内澤旬子「着せる女」

着せる女 内澤旬子 本の雑誌社
文筆家であり、イラストレーターでもある著者が知り合いの作家・編集者たちにスーツを着せて変身させていくルポルタージュ。
私的本屋大賞2020、ベスト10入り決定だ。とても面白かった。

スーツを「着せる女」内澤さんの著作で私の印象に残っているのは、イラストを担当された『印刷に恋して』『「本」に恋して』や、動物が肉になるまでを描いたルポルタージュ『世界屠畜紀行』だ。

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わたしの本棚:感じたそのままを大事にする 「山内マリコの美術館は一人で行く派 展」

わたしの本棚:感じたそのままを大事にする 「山内マリコの美術館は一人で行く派 展」

高校生の頃、美術館や映画館は基本的に一人で行くと言った私に同級生が放った一言が忘れられません。

「一人で行くの!?それって楽しいの?」

楽しいよ!むしろ一人で行く方が自分のペースで鑑賞できて、余韻も楽しめるよ!と、その時も今もそう思っています。

そう思ったことのある人には、ぜひ読んでもらいたいのがこの本。
「山内マリコの美術館は一人で行く派 展」 東京ニュース通信社

書いたのは、小説「ここ

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わたしの本棚:電車内では危険な文章本 第1位 「読みたいことを、書けばいい。」

わたしの本棚:電車内では危険な文章本 第1位 「読みたいことを、書けばいい。」

夫が本を読む私を見て怪訝そうに言いました。
「なんでそんなに笑ってるの?それ文章術の本だよね?」

ーそうそう、文章術の本なんだけどさ、ひろのぶがね、おかしいんだよ。
あ、ひろのぶっていうのはこの本を書いた人なんだけどね、、、、

夫の感想はもっともです。彼が目にしたタイトルと帯には

読みたいことを、書けばいい。
ー人生が変わるシンプルな文章術
田中泰延

と書いてあります。

著者は田中 泰延

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わたしの本棚:翻訳は快感を伝えること レオ=レオニと谷川俊太郎と柴田元幸

わたしの本棚:翻訳は快感を伝えること レオ=レオニと谷川俊太郎と柴田元幸

家の絵本が100冊を超えました。ちょうど100冊目になったのはレオ=レオニの「せかいいちおおきなうち」

スイミーやあおくんときいろちゃんで知られる絵本作家レオ=レオニの絵本です。家は大きな方がいいじゃん!と思っていたカタツムリに、父さんカタツムリが本当にそうかな?ということを問いかけるお話。

この本の翻訳は詩人の谷川俊太郎が手がけていて、表紙をめくると若き日の谷川俊太郎の写真とともに「レオ=レ

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20年ぶりのスラムダンク。仙道→桜木軍団への心変わり

20年ぶりのスラムダンク。仙道→桜木軍団への心変わり

先日夫の誕生日にスラムダンクの全巻セットを購入した話をnoteに書きました。その後、2日で全て読み終わった夫の「あー、やっぱりいい漫画だ!」という満足げな表情につられ、私も全巻読むことに。

私が言う必要なんて1mmもないのは承知で書きますが、本当にものすごい面白い漫画ですね。これを家の本棚におけることが幸せです。

私は連載当時まだ小学生だったので、おぼろげに残るスラムダンクの記憶は友人宅の漫画

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わたしの本棚:自分の頭の固さに気づく「だから僕はググらない。」

わたしの本棚:自分の頭の固さに気づく「だから僕はググらない。」

twitterアカウント"NHK_PR 1号"の元中の人である浅生鴨さんが書いた「だから僕は、ググらない。 面白い!を生み出す妄想術」を読みました。

妄想術のノウハウを知りたいという動機ではなく、このタイトルを見て、私は何かあるとすぐググってるな・・・ググらない人もいるのか・・どんな人なんだろうという好奇心で手に取りました。

一読した後、自分にはない頭の使い方過ぎてまったく消化できず、読み直し

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