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#22 Yum!

2020/8/19〜8/23
ひまじん企画presents『Yum!』終演致しました。御来場頂いた皆様、配信を観て下さった皆様、関わって下さった皆様、座組のみなさん、本当にありがとうございました!このようなご時世の中、芝居ができる、皆さまに見て頂けること本当に感謝しております。

楽しかったし、考えること、勉強になること盛り沢山でとても貴重な経験をさせて頂きました。

はじまりは4/5。
そうそう、コロちゃん旋風の真っ只中に打ち合わせがあって、私はリモートで参加しました。
自己紹介とかして、あとどんな役がやりたいですか?って言われたから、私は「笑って人を殺す役がやってみたいです!」とかほざいたわけです(今考えるとそんなこと簡単に言うんじゃねーよって感じです笑)。でもまぁ多分もともとホラーをやるのは決まってたのかな。とにかく脚本家の花香みづほさんは私の希望を綺麗に叶えて下さった泣

その次6/14。
本番場所の下見と顔合わせをしました。

観て下さった方分かると思うけど、ほんとに素敵な場所だったよね!すでに物語の世界みたいだもん。今回は現代劇(?)だったけど、ファンタジックな劇をやっても映えそうだよね〜(^^)

顔合わせではなーんだか調子に乗って、ベラベラ自分の話沢山しちゃった気がする。あぁ、私の悪い癖。誰もてめぇの個人的な話興味ねーよってね。でもね(あぁ悪い癖)、このお芝居の期間中はっていうか現在進行形だけど、あまりにも家庭が崩壊しすぎて私のメンタルも崩壊しすぎて誰かに話さずにはいられなかったの許して。そこからすでにホラーは始まっていたのかもしれないね…。

実際に稽古がはじまったのは7月でした。
ひまじん企画は2回目だし、主催のはるかさんにはモノガタリヲモノガタル2‼︎でも読み合わせ配信でもお世話になっていたので、リラックスした状態で稽古に臨むことができました。
去年の10月にひまじん企画に参加した時はやばかったかんね笑笑。そもそも超人見知りだし、自分の劇団以外のお芝居に参加するのはじめてだったし、っていうかミュージカルじゃない演劇をやるのは実質はじめてで。稽古のはじめとかは途中で稽古終わりになっちゃったりしたの汗。今回そこはクリアしたかな!

ゆるふわ初恋ロリポップ(通称ロリポ)の3人は私にとって本当に憧れの皆さんで、ちょっと本当に「えっ、私がこの中入っていいの…!?恐れ多すぎ!」ていう感じだったの。ヨハネの詩の中に入って…いいの?
こっちゃん(敬語使ったらぶっ殺し合う約束)はモノガタリで一緒にやったけどやっぱり本当に才能に溢れて人を惹きつける才能すげぇなぁってずっと思うの。私がはじめてモノガタリ茶飯シリーズで観たのはハルシオンなの。どんなに感動したことか(それで私もハルシオンやりたいって言ったらそりゃもう大変だったわけだけど笑)。人の心に訴えてくる。稽古でも毎回涙流してるからもう…ほんとに凄いなぁって。才能才能才能だなぁって。本番直前になって敬語禁止令も発動されて、私は一気にこっちゃんに対する愛が止まらんくなった。しばらく会えないの寂しすぎるどうしよう。4人キャストだけどほとんどが直緒と一緒にいた。楽しかった。可愛くてかっこよくて一瞬危なかったもん。え?何が危なかったかって?ガチ恋しそうになったんだよええ。自分に問いかけたもん。「ん…?私は男が好き…なんだよね?落ち着け落ち着け」そのくらい食べちゃいたくなるくらい役者としても人間としても惹きつけられたのでした。はるかさんとお芝居をするのはずっと夢で、まさかこんなに早く叶っちゃって逆にいいの?って感じでした。はるかさんはもちろん演劇人としての規模が私なんかとは比べ物にならないくらい大きくて、羨ましいとも思わないくらい上の存在なのです。お芝居中もはるかさんと睨み合う(?)みたいなシーンが結構あって内心「やばーい!石川はるか(偉人としてのあえての呼び捨て)と睨み合ってる〜!本来なら絶対かないっこない〜!目でころされるぅ〜!」って喜んでた。そして初絡みでしっかり刺し殺させて頂きましたっ笑。鮫嶋さんはもう私にとっては芸能人みたいな存在なので、ちょっとまじ、え…えっ!?目の前にいるんですが…大丈夫ですかっ?!っていうレベルで共演ビビりました。演技を拝見しているだけで本当に勉強になったし、役者としてのスタンスというか、振る舞い、礼儀などもほんとに勉強になったなぁ。色々あって思いがけず鮫嶋さん演出もはじめて受けられて光栄でした。優しくてストイックで魅力的。どんなことが起きても冷静で、一生付いていきたいと思った(恐れ多すぎる)。

4人での集合写真は撮れなかったから、劇中の写真が私の宝物。3人が…眩しい…

そんな憧れの3人に対して、私は何なのだろう?と舞ちゃんと自分を重ねる時もあります。みんなそれぞれが個性に溢れて才能に溢れて、それを確実に努力して活かしている。

私は?
私の強みってなに?
私は役者としてこれからやっていけるのか?
私は役者をやっていい人間なのか?

それはロリポを超えてレスカ、座組全体を見ていても感じることでした。今回は特に多くのキャストが代アニ出身の方で、みんなの「声」を凄く羨ましく思っていました。もし配信で画像が消えてしまったとしてもお金をとれるような声の表現力。声だけでキャラクターや感情や状況が表現できるの、そのどれもがしっかり重みを持ってみている人の心に届く、いいなぁって。もちろん演劇は総合芸術なんだろうけども、私の今の1番のコンプレックスは声です(いやお前、もっとヤバいコンプレックスあるだろってご意見ありましたら教えて下さい。おそらく本人、自覚無しです)。私は基本喉から声が出ている。大きい声が出せない。苦手な音もある。棒読みに聞こえる。歌声も得意な領域が狭すぎる。うーん。滑舌が悪くないのは不幸中の幸いだけど、親知らずが痛いとやばいし。ちょっと日々自主練したいですね…。

一方で観て下さった方の何人かから、目を褒めて頂きました。はるかさんから「目つきが悪い」と言われたことはあったけれど(自覚あり)、今回のような役だとそれを上手く活かせたのかもしれません。じーっと見つめる表現が今回は沢山あって、瞳孔を開く癖が付きました。後半はもう、瞬きするとコンタクトが外れそうになるので瞬きしないという選択肢を取っていたり。相手を諭すようなセリフでも下手な身振りは付けられないから目だけで演技してみたり。基本、褒め言葉は120%で受け取るたち(ダメ出しは250%で受け取る)なので、自分の強みが一つ見つけられて嬉しい限りです。もっともっと(次はプラスの表現でも)活かしていけたらいいな〜(^^)

特に誰にも宣言してないけど、少なくとも来年いっぱいは就職せず、やっていこうと決めました。だからこそ、私はそれに値する人間なのかと凄く不安になることが増えた。先はとても明るいようで真っ暗。真っ暗なようで明るい。でもいよいよ自分の人生を全て背負える未来が近づいてきているのは嬉しい。自分を生かすも殺すも自分次第だ。ゾクゾクする。さすがに遺言書くらいは書いといた方がいいかもしれない。いつ死んでもおかしくないから。

私は文学部哲学科に属しているのですが、「死」という概念は今も昔も私の心に響きます。幼稚園児の頃は自分は死んだら絶対地獄行きだ…地獄怖い…死にたくないと眠れない夜が多かったし、大学受験の時はもっとメタ的な意味で死が怖くて不思議だった。それを代弁してくれた言葉がゆるふわ初恋ロリポップの中にあります。直緒が舞に言うセリフです。

「一番怖くて、いやだったのは、観並くんのことがほんとうにほんとうに好きだったとか、ひなのことが妬ましくて、でも好きだったとか ー舞と友達だったとか そういう そういう自分が、全部なくなるってことだよ」

そう、そうなんです。高校生の頃からそれが怖いんです。今私が見ている聞いている触っているものはもしかしたら虚像なのかもしれない。もしかしたら世界は無くて、全て私の中で完結しているだけなのかもしれない。私の身体を通して感覚することでそのように感じられるだけなのかもしれない。
でも、私の内側で私が感じているものは確実に私の中にある(デカルトのコギトエルゴスム)。目に見えない触れないけど、確実に感じている。つまり確実に存在している。
じゃあ、私が死んだらそれらはどうなるのか?火葬したらそれらも燃えるの?腐敗したらそれらも腐敗する?確実に存在しているのに、はじめから無かったものになってしまうのか?

舞はわかんないわかんないって言ってたけど内心小練は「分かる!!ちょー分かるっ!!!」と思っていました。この台詞、一番お気に入り。みづほさん、解釈違ったら本当にすみません…。

今回はセリフで苦戦する部分も多々ありました。現実の中の非現実。何気なく話しているように見せなきゃいけなかったり、その中に違和感を持たせなきゃいけなかったり。できた!とはとても言えないけど、こういう難しさがあることを認知できてよかった。はるかさんも認める最難関台詞「え」がふんだんに盛り込まれていて、最初は嫌〜😭となっていたけど、最後の方はそれを楽しんでいました(^^)もっと言いたい!え!えぇ!?え?…え。「え」の達人になりたい笑
私は低くて太い声を出すのがただでさえ苦手なのに、それを座って言わなきゃいけないシーンが多かったのも難しかった(まだしっかり地に足着いてた方が出る)です。自分でも自分の力不足迫力不足にむず痒くなりました。克服…したいなぁ。
急に超明るく笑顔になる方向の怖さは割と得意みたい。またいつかサイコな役、できたらいいなぁ。

日によってこんなにもコンディションや状況が変わったのもはじめての経験だった。自分的パーフェクトの回が一回も無かったのは自分にとってもお客様に対しても共演者に対しても脚本家さんに対しても本当に悔しいし申し訳ない。全4公演ダイジェスト。
①自分的には悪く無かったけど、直緒のペースに引っ張られてしまっていたよう。それを自覚できなかったのマジやばい。やっぱり自分役者向いてないんじゃねーかと思った。本番、しかも初日に悔し泣きしたのなんかはじめて。二度とないといいな。②悪くは無かったけど、地獄のような暑さに朦朧として台詞が飛びかけたりクシャっとなったりした(環境のせいにするな。役者失格)。③朗読になり練習も大してできなかったので考えながら本番をやった。でもだからこそ死ぬほど集中していた。普段キャストに向けている顔をずーーっとお客様に見られるということで、表情を変えることと目力に命をかけた。良かったんじゃないかと思っている。④何故か一番集中できなかった。ずっと地に足が着かず、やりながらめちゃ自覚してはいたもののずっと改善策を見出せず終わってしまった。邪念が入った。何故邪念が入ったのかそして何故それを拭えなかったのかまだ分からない。ここまでふわふわしてしまったのははじめてで、今後もこういうことがあるかもしれないから原因分析と対策構築をしていきます。絶対迫力不足だった。とても悔しい。

まぁそんなこんなで、書きたいことをつらつらと書かせて頂きました。ここまで読んでくれている人は恐らくいないのだろう。きっとこれで全てじゃないから、またどうしても書きたいことがあったらどこかに書くとしよう。

体感としては本当に一瞬で終わってしまったけど、とても楽しかったしいい思い出だし貴重な経験でした。改めて関わってくださった全ての皆様、本当にありがとうございました。
まだまだ未熟者ですが、これからも役者 小練ネコをどうぞよろしくお願いします。

ひまじん企画presents『Yum!』
ゆるふわ初恋ロリポップ
八向 舞役 小練ネコ

#ひまじん企画
#Yumゆるしゅわ
#演劇 #芝居 #役者

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