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アジアでもう一花咲かせている数多くのシニアの方々

日本の東南アジアへの進出が加速度的に増加してきた。
当然のようにコンペティターになる可能性のある現地企業は戦々恐々。
日本の恐るべし品質力、サービス力は世界の経営者が認めるところ。
厳しい戦いを勝ち抜くには性急な企業力の向上が必要だ。

もうひとつ、ベトナム現地の経営者によく頼まれることがある。
さまざまな企業の経営者にお会いすると日本のシニアの力を貸して欲しいという。
研修のため訪問したホーチミンの建設会社や先週ハノイで会った大手部品メーカーの創業者も似た要望だった。
シニアを顧問か経営メンバーで雇って、ノウハウや知恵を自社に伝授してほしい。
若手社員を指導してほしい。
そして、日本企業の顧客開拓の窓口になってほしい。
こんなニーズは、これから益々あふれかえると実感する。

しかしながら、生き甲斐探し、職探しに窮する日本のシニアの耳にはなかなか届かない。
まして、彼らが自らこういうニーズに出会うことは稀だ。
私たちも、東南アジアの現地経営者の課題を解決する活動を長年してきたが、そろそろ、本格的に日本のシニア人材の紹介を始めたいと考えている。

中小企業の海外進出に目を向けても、やはり、シニアの活用が生命線だ。
中小企業も国内の閉塞感、先行き不透明感に翻弄されながらも、アジア進出を模索し始めた。
従来からの製造業やITなどのアウトソーシング型ビジネスの進出に加えて、最近は、建設業や飲食業など現地マーケット狙いの
ビジネスの進出にシフトしつつある。
東南アジアのマーケットも世界から注目されているだけあって将来は超有望。
なんといっても、すでに6億人マーケットがそこにある。
これらの国は、新興国か後進国ばかり。
平均しても日本の30~40年前の光景が広がっている。
現代の日本の経営者が、現代の経営ノウハウやビジネスノウハウをそのまま持ち込んでも通用する確率は低い。
まず、成功のための基本スタンスとして大事なことは相手のことを先に考えること。
相手の立場に立つことで、初めてローカルマーケットの潜在的な可能性を見つけることができる。
今までは、先進国で生まれた商品やサービス、ビジネスモデルが後進国などに広がる形態が多かった。
しかし、潮流は変わりつつある。
これからは、現地のマーケットに適応するべく現地で生まれた商品やサービスが現地のマーケットを制する時代に変わりつつある。
いずれは、その商品が先進国にも流入する。
著名な学者は現地でイノベーションが起こることをジュガートイノベーションと呼ぶ。
一方、現地で生まれた商品などが先進国へ普及することをリバースイノベーションと提唱している。

この新興国、後進国で起こるイノベーションを日本のシニアが担うのが適任だと私は確信する。
なぜなら、少なくとも彼らは戦後、新興国のステージだった日本を先進国に変身させてきたノウハウや知恵の持ち主なのだから。
だからシニアには東南アジアがピタリとハマる。
日本の戦後の高度成長期を体験し、ノウハウや知恵の宝庫のシニア人材が現役である時期はあと10年残されているかどうか。
時間があるようでいて、タイムリミットは迫りつつある。

日本に住んでいると、アジアの現地で活躍されているシニアの存在に気づかないし、出会わないがすでに多くの方が活躍中。
アジアを巡っていると「良い会社だなあ」と感じることがしばしばある。
すると、不思議と日本人のシニアが関わっていたりする。
アジアの人たちも、日本人が関わると信用力がアップすると確信している。
まさに相思相愛だと思うのだが。
機はまさに熟しつつある。

(本記事は、ブログ「近藤昇の会社は社会の入り口だ」に、2014年9月30日に投稿したものです。)

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