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振り返り。2019年3月台湾での個展/ライブペインティング⑤

すっごい更新久しぶりになってしまったけれど去年の3月末から4月にかけて行った台湾の個展とライブペインティング。そして予期せぬ台東への旅。

今回は5回目です。

過去はこちら。

4月6日(土)。僕はお昼から台東の都蘭というところに向かいます。

都蘭は台東からバスで50分くらい。海のそばにあるとても綺麗なところ。

バスは台東駅から出ているのでそれに乗ることに。バスに乗ろうしたらいかにも怪しげなタクシーの運転手さんが「300元」と言ってきたのだけど断る。すると「このバスは来ない」とか「タクシーだと早い」とか色々言ってきた。それでも断る。

このおじさん、妙に小指の爪だけすっごく長くて(変だなぁ〜)と思っていたのだけど、会話の途中で耳の穴をほじっていたので(おぉ、耳かきなんだ!!)というプチ驚きをくれた。

だけど結局断っている最中にすぐにバスが来たので(おいっ!)って心の中でなったよ。おじさん。

都蘭でバスで降りる。初めての土地。やはりワクワクするし緊張する。

バライに会えるのだろうか。。。と不安な気持ちで大通りを少し進んでいると原付に乗った青年が。

ああいうのは本当に不思議なんだけどその瞬間に「バライだ!」とわかった。バライもそうだったみたい。「こうへい〜〜〜??」と声をかけてくれた。

バライは新東糖廠文化園区という元砂糖工場を改装したgalleryや飲食店が集まっているところで雑貨屋とコーヒーを出すところを開いていたのでまずはそこを案内してくれた。そしてコーヒーを淹れてくれた。バライの奥様は日本人なのでバライは少し日本がわかる。奥様に教わっているから妙に女性的な口調なのが可愛い。あと2歳の子供もいる。やんちゃなおとちゃん。

奥さんはあきちゃんという名前だけどおとちゃんと出かけているので「僕が店番しないと行けないからお店閉まるまでちょっとごめんね〜」とバライがいうので僕は「いいよ〜。初めての土地はゆっくりと歩くのが好きなんだ」と都蘭を少し歩くことにした。

都蘭は海と山に挟まれた場所にありすごそばには海がある。そこまで歩くことにした。20〜30分歩くと海についた。すごく綺麗な海だった。空にも海にも力が備わっている感じだった。後から聞いたのだけどここら辺はアミ族の聖地だという。そして人がほとんどいない。

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しばらく海を眺めてから今度は山の方に行ってみた。途中で家で飼っている犬と野犬に5回ぐらい吠えられた。みんな鎖に繋がれていないし体がでかいから本気で怖い。「ごめん〜〜」と極力低姿勢を見せて逃げるように歩いた。

山の方に行くと民家がいくつかあってその中の一つのおじいさんが僕に声をかけてくれた。僕は返事をした。おじいさんは完全に英語も日本語もわからず、僕も完全に中国語が分からないのでそれは不思議なコミュニケーションだった。

しかし彼は庭に招き入れてくれていろんな植物を見せれくれた。中には味がなっているものがあった。だけど僕が食べるふりをすると「それは食べられるけれどほとんど食べることはないよ。いつも放っておくんだ」というような言っていることがなぜかわかった。



最後に一緒に写真を撮りましょう、というと強烈に照れていて可愛かった。

おじいさん↓

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いい時間になったのでバライのところに戻った。奥さんのあきちゃんと子どものおとちゃんももう来ていた。しばらくみんなで話す。

バライたちの店のすぐそばは大きな倉庫でそこをアトリエ/スタジオとして使っている著名なアーティストがいるらしい。「こうへいくん、きっと興味があるでしょう?」と連絡を取ってくれた。「運がいいと中に入れてくれるの」ということだったけれどちょうどいいタイミングだったらしくて中に招いてくれる。

それが本当に広くて天井も高くて素晴らしいスタジオだった。アーティストの名前はラヘーズさんといい先住民族の方で海岸への漂流物を使った大型のオブジェで作れている方だった。世界各地、そして日本のアートビエンナーレなどに招待されている。

そして今はオブジェ以外にも純粋にペインティングもトライしているとのことだった。

それが歌を唄い、踊りながら描くまさにライブペインティングに近い手法でトライしているとのことで、そのことですっかり話が盛り上がった。少しだけ見せてもらったけれど民族の歌と踊りの中で生まれる絵だった。ラヘーズさんはとても気さくでいい人だったなぁ。

「いつか一緒に何かやろうね!」と言ってくれたけれど本当にそんな時が来るのかな。来たらすごく嬉しいな。きっとこの日のことを思い出すだろうな。


夜になった。バライのお店のすぐそばで焚き火をしながら若手のバンドがライブをするから聴こうよ、とバライに誘われて一緒に聴く。ビールをたくさん飲んだ。最高に気持ちがいい。


そのバンドは先住民族の人たちで構成されているらしくて、バライはそれを聴きながら一緒に口ずさんでした。それが本当に素晴らしい声だった。僕がバライの歌声を初めて聴いた瞬間。

ライブが終わってからもみんなで焚き火を囲んで時間を過ごした。

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(これはバライ家族とラヘーズさんたちとの記念撮影)

そんなこんなんで夜更けになって僕は宿泊先のohanaに戻った。もうバスがなくてタクシーで帰ったのだけどお父さんは玄関先に出て待ち構えてくれていた。

「ありがとう!」って言ったら「もし康平がぼったくりされていたら運転手を殴ってやろうと思ってさ」と笑っていた。なんて優しいんだろう。。


こんな感じで台東2日目が終わり。僕は去年は結局バライと2回ライブペインティングをして、そして3回も都蘭に行くことになるのだけどこれが人生で初めての都蘭。

住んでもいいな、と思うぐらい良かった。


今日も長くなっちゃった。。読んでくれてありがとうね。

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