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サントリーワインインターナショナル事業説明会で話を聞いてきた

サントリーは、明治時代の「赤玉ポートワイン」の発売を皮切りに、昭和初期に「日本のワインの父」と呼ばれる川上 善兵衛が創業した「岩の原葡萄園」に資本参加、1980年代にはフランス・ボルドーの格付けシャトー、「シャトー・ラグランジュ」の経営を開始するなど、日本のワイン界を牽引してきた企業のひとつであり、今後の動向にも関心が高まります。

今晩わいんでは1月21日に都内で行われた、サントリーワインインターナショナル事業方針説明会に参加し、お話を伺ってきました。

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国内外で数々の受賞歴を持つ「登美の丘ワイナリー」のワインを手にフォトセッションに臨む宮下敏社長

新ブランド 5SELECT Reserve ファイブセレクト レゼルブの投入

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2020年は大きく4つの事業方針が発表されました。

①国産カジュアルワイン さらなる拡大
②輸入戦略ブランド ポートフォリオ強化
③ワイン引用接点の創出に向けた 需要創造
④日本ワイン 質・量の向上に向けた取り組み

①は同社の「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」と「デリカメゾン」を中心に、順調に販売数を伸ばしているところですが、そこに「5SELECT Reserve ファイブセレクト レゼルブ」を2月18日に新発売するとのこと。

世界5ヵ国(チリ、イタリア、スペイン、アルゼンチン、オーストラリア)から厳選したぶどうを使用して造られ、日本人の嗜好に合わせたというこちらの商品は「渋すぎない」「甘すぎない」「酸味が苦手」などを考慮し、開発されたそうです。

カジュアルワインということで、華やかな香りと甘めの味わい、口当たりも軽めでこれからワインを飲み始めてみようかなという人におすすめです。

ヨーロッパ各国の主力ブランドからオーガニックを新発売!

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②については、同社がすでに持っているブランド、フレシネ(スペイン)、タヴェルネッロ(イタリア)、マドンナ(ドイツ)、レゾルム ド カンブラス(フランス)のオーガニック商品を今年の3月~4月にかけて発売するとのこと。

これは、世界的にみても拡大しているオーガニック市場を取り入れることで、20代~50代の女性にアプローチをかけていきたいとのことでした。

オーガニックに興味はあるが、「どれを選んでいいかわからない」「知らないブランドだとおいしいのか不安」という意識調査の結果を受けての施策だそう。

確かに、コンビニやスーパーで目にしたことのある商品のオーガニックといえば安心感がありそうです。

↓ 下記は現在発売中の、通常のワイン

若年層に向けた泡からはじまる新しいワインの提案

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次に③について同社では、若年層(20~40代)のワイン飲用接点の創出を課題としてあげています。

特に30~40代では、バルなどの料飲店でスパークリングワインを飲んだことがワインを飲み始めたきっかけになっているという点に注目し、泡で新たな需要創造に取り組んでいくとのことです。

すでに販売している「赤玉パンチ(ワインサワー)」「カルロロッシICE スパークリング」は容器も缶を使用し、より手軽に手に取ってもらう工夫がなされています。

6月30日からは夏季限定でスパークリングワイン「雫音(しずね)」を新発売。 和テイストということで、風味は「ゆず」と「すだち」の2種類。

やや辛口でアルコール度数も7%と低めなので、ここからワインを始めてみるという若年層には向いているかもしれないですね。 パッケージも雰囲気があるので、夏らしく、花火大会や海に持って行くとよさそうです。

サントリーが世界に誇る "日本ワイン" のさらなる向上へ

そして最後の④は、「世界を感動させる "日本ワイン" を」 のキャッチフレーズで力を入れている、「登美の丘ワイナリー」シリーズ、「塩尻ワイナリー」シリーズ、「ジャパンプレミアム」シリーズの質・量ともに向上させるというもの。

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山梨大学ワインセミナーでも提供された「塩尻メルロ ロゼ 2018」

セミナーの様子はこちらの回で ↓

ワインラヴァーならご存じの方も多いかと思いますが、すでに国内外で多くの受賞歴のあるシリーズです。

昨年から、アジア・オセアニア最優秀ソムリエに輝いた岩田渉氏を「サントリーワイン・ブランドアンバサダー」に起用し、アドバイスをもらったり、
自社メディアを通してワインの魅力を伝えたりしています。

そして、今後は2025年までに自社ブドウの作付け面積を1.5倍ほどに増やす計画もあり、高品質なブドウを安定して調達できることを目指しています。

豊富なラインナップと新商品で選択肢を提供! ワインと食卓をつなぐ試みに感服

今回の説明会に参加して改めて思ったのが、さまざまな国やジャンルのワインをカバーしていて、とにかく消費者に幅広い選択肢を与えてくれているということでした。

新商品は全体的にワイン入門者に向けたものという印象でしたが、同社のラインナップには、高級シャンパン「ローラン・ペリエ」やメドック格付け3級を誇る「シャトー ラグランジュ」も擁しています。

また、自社ブドウ100%で造る「登美の丘ワイナリー」シリーズはワイン愛好家のあいだでも人気があります。

そして、これからワインを飲んでいくだろう若年層に向けたアプローチ、
毎日の食事で気軽に飲めるカジュアルワインの新シリーズ発表など多様な戦略が光っていました。

オーガニックの導入に関しては、少し遅い気もしますが(すでに安くておいしいオーガニックは市場に多く存在するので)、いつものスーパーやコンビニで手軽に購入することができれば、やはり消費者がオーガニックワインを選ぶ確率もあがってきそうです。

大手ならではの強味を活かしたマーケティングが、今後新たなワイン人口を生み出していけるのか楽しみです。

さて、ここで再お知らせです。

今回はサントリーさんの事業説明会に参加いたしましたので、ワイン好きの皆さまにその様子をお届けするべく記事にしましたが、現在、今晩わいんはリニューアル中で更新が一時ストップしております。

定期的な投稿再開のメドが立ちましたら、お知らせいたしますので、しばしお待ちください。 それでは皆さま、お気に入りのワインとともによい週末をお過ごしください~!

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