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選手名鑑を読まずに予測するEURO2020(追記:20210607)

footballistaの会員になっているので各種書籍も届くのですが,EURO2020の名鑑も届きました.攻守のフォーメーションとトランジションの4局面が解説されてるのは今風だなーと思います.審判名鑑でアルゼンチンから連盟間交流で参加する審判がいることを知れるなど,いい本です.

名鑑を読んではいますが,普段ヨーロッパサッカーを見る習慣が無いので選手や所属クラブ名などを確認しても「ほぉ・・・」という程度の感想しかありません.そもそもWOWWOW加入していないので,試合を見る環境が無いのでは…?

ですので,と言っては何ですが,この名鑑とは全く関係ない方法でEURO2020の展望を述べてみたいと思います.

過去の得失点のみに基づく実力評価と予測

2018年のWCロシア大会の予測手法を流用します.

データは2021年3月までの国際試合のものが公開済みでしたのでありがたく利用します.

2018年1月1日から2021年3月31日までのA代表の国際試合2542試合を利用して各国代表の実力評価を行いました.直近の試合ほど重要視するような重みを利用しています.重みの値は過去のワールドカップの予測精度に基づいて決めました.

ただし,ホームアドバンテージについては2018-19と2020-2021で分けて計算したところかなり差があったので,直近の2020-2021の値を利用しています.無観客とホームアドバンテージの関係については以下の拙稿をご参照いただければ.

各国評価と各グループ展望


追記20210607:ポーランドとポルトガルが入れ替わっていたので修正しました.

各国の評価値(レーティング)を示します.最低評価値のスコットランドを基準の0とした評価値です.青棒と赤棒はそれぞれチームのレーティングとホームアドバンテージです.EURO2020は複数国開催で,ホーム開催がある国のみ赤棒を示しています.(余談ですが,この評価値だと日本は0.2972でオーストリアとトルコの間です.もし日本がUEFA所属だったら,EURO本戦には出場できてホームだとスウェーデン,クロアチア,ウェールズあたりといい試合をしてR16にすすめるかどうか?という評価ですね).

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評価値の差が下図に従って予測勝率を説明する予測モデルです.例えば,レーティングが対戦相手より0.5大きいチームは予測勝/分/負率が68.8%/21.4%/9.8%です.

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実施予定の試合をホーム開催地と合わせて入力すると,対戦チーム間のレーティング差とホームアドバンテージから予測勝率を計算できます.グループステージ(GS)の全試合をたくさんシミュレーションして予測勝点と順位の分布を計算しました.

最初にGSの順位予測を示します.2位までは自動で決勝トーナメント(KS)進出.3位のうち上位4チームという(シミュレーションプログラムを書く際には)面倒くさい条件で残りの4チームが決まります.

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各グループ展望

グループA:イタリアが優位.3位争いでトルコ-ウェールズ戦が引き分けになるかどうかが決定的になりそう.インテルとフェネルバフチェのポロシャツ持っているので,イタリアとトルコを応援します.

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グループB:ランキング1位のベルギーがオランダ,フランスよりも評価が高いデンマークと同組,しかもデンマークがホーム開催とあって1・2位は僅差の予測.フィンランドはヘルシンキ空港がお気に入りなので応援します.

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グループC:オランダが抜けていて,これで3位以下はそうそう無いのでは?という実力差.2位争いが熱い.北マケドニアがどれだけ踏ん張るかで3位抜けを左右しそう.エルンストハッペルシュタディオーンの前を通ったことがあるのでオーストリアを応援します.

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グループD:イングランドが無茶苦茶いい引きをしたグループ.しかもホーム開催.ここを1位抜けできればQF(ローマ)以外はすべてロンドン・ウェンブリーでのホーム開催.そのQFもイタリアが来る可能性はかなり低い(イタリアがグループAで3位で条件を満たしてイングランドの隣の試合に来て,そのR16でグループEの1位に勝つ場合)ので,開催地的にもイングランドがかなり有利.レンジャーズのポロシャツを持っているのでスコットランドを応援します.

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グループE:スペインが頭一つ抜けており,ポーランドとスウェーデンが2位争いの評価.ボルボミュージアムでボルボのポロシャツ買ったことがあるのでスウェーデンを応援しますし,徒歩で入国できた数少ない国であるスロバキア(滞在15分)も応援します.

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グループF:ハンガリーがちょっと見劣りしますがホームアドバンテージあり.フランス,ドイツ,ポルトガルは実力が近くて混戦模様.「死の組」と呼ぶならここでしょうか.引き分け連発で3位抜けを逃すのがありそうな組です.ハンガリーはパプリカ料理がおいしかったのと,やたらと土産物屋にプスカシュグッズが多かったので応援します.あ,あとボルドーとベルリンのスタジアムも素敵だったなー.ポルトガルは未上陸です.個人的にも応援チームが定まらない組ですね.

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決勝トーナメントの展望は?

3位抜けの条件が非常に面倒でプログラミングしたくない気分なので,この気分が変わったら工作するかもしれません.しかし,レーティングが高いほうが予測勝率が高い,という非常に単純なモデルを利用しているので,ベルギー,イングランドあたりを優勝候補に推しておきます.特にイングランドはホームアドバンテージが発揮されれば相当有利になりそうです.

追記(20210605):3位抜けの面倒なやつを工作しました.

3位抜けの条件まで入れたプログラムが面倒で敬遠していたんですが,なんとなく思い立って工作してみました.やっぱり面倒でしたが思ったよりはちょっと楽でした.

予測結果.

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ホームアドバンテージがあってもベルギーの優位はひっくり返らない,という予測になりました.

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