キャプチャ

独自スタッツでBリーグ2019/20ベストチームを選出してみた.(20200304時点)

まえがき

1年くらい前から,Play-by-play単位で各選手の貢献を定量的に評価できないかな?という実験をしています.

通常のスタッツはプレイが終わったときにそれに関与していた選手のみに数値が付与されますが,提案手法では

・コート上の5人に分配すること

・対戦相手を考慮すること

の2点を目的としています.各選手は攻撃・守備2つの評価値を持っており,攻守それぞれのプレイの勝敗で評価値が調節されます.1プレイの勝敗は以下と定義しました.

・攻撃側の勝利:ボール保持が得点で終わる(フリースローも1本で1勝とする).またはオフェンスリバウンドを獲得する(フィールドゴール失敗+オフェンスリバウンド獲得で1勝1敗とあつかう).

・守備側の勝利:ボール非保持が無失点で終わる.

定義上の既知の課題:3ポイントもフリースローも同じ勝利数としているので,ロングシューターが不利になりやすい指標です.

また,同時出場の時間帯が非常に長い選手の組み合わせでは貢献が適切に配分されません.この点では,既存のスタッツ同様,チーム戦術に影響を受ける指標です.


選出基準

ポジションごとに,出場数が一定以上あり(4000プレイ以上を目安),攻守の評価値の合計が最も高い選手を選出しました.ポジションは基本の5つ(PG, SG, SF, PF, C)に加え,二つを併記したもの(PF/Cなど)の9つです.そのほか3名はPG, SGから評価値の高い選手を選出しました.データは2019/20シーズン,2020年3月4日時点のものです.

評価値の値の意味の説明は本記事の趣旨から外れますので割愛します.「大きいほどすごい」と理解していただければ十分です.この手法については(時間が取れれば)学術発表を予定しています.

凡例:ポジション /選手名/ 守備評価値/攻撃評価値/総合評価値 守備プレイ数/攻撃プレイ数/総プレイ数/ 守備プレイ勝利数/攻撃プレイ勝利数/総勝利数 守備プレイ勝率/攻撃プレイ勝率/総プレイ勝率

選出結果

C /ジャック・クーリー/ 0.2805/0.2368/0.5174/ 2874/3324/6198/ 1445/1701/3146/ 0.5028/0.5117/0.5076

PF/C /セバスチャン・サイズ/ 0.2716/0.1143/0.3859/ 2178/2301/4479/ 1100/1194/2294/0.5051/0.5189/0.5122

PF /ギャビン・エドワーズ/ 0.2280/0.3422/0.5702/ 2422/2432/4854/ 1260/1276/2536/ 0.5202/0.5247/0.5225

SF/PF /ライアン・ケリー/ 0.2985/0.1100/0.4085/ 2281/2452/4733/ 1176/1263/2439/ 0.5156/0.5151/0.5153

SF /ジェームズ・サザランド / -0.0498/0.3363/0.2865/ 1977/1963/3940/ 922/945/1867 /0.4664/0.4814/0.4739

SG/SF /金丸 晃輔 /-0.0376/0.1342/0.0966/ 2318/2207/4525/ 1112/1175/2287 /0.4797/0.5324/0.5054

SG /比江島 慎 /0.0568/0.1948/0.2517/ 2388/2498/4886/ 1252/1311/2563/ 0.5243/0.5248/0.5246

PG/SG /川村 卓也 /0.0498/0.2061/0.2559/ 2571/2498/5069/ 1277/1329/2606/ 0.4967/0.5320/0.5141

PG /鵤 誠司 /0.0994/0.1137/0.2131/ 2185/2190/4375/ 1156/1142/2298/ 0.5291/0.5215/0.5253

PG /齋藤 拓実/-0.0462/0.2211/0.1749 /2584/2659/5243/ 1355/1345/2700/ 0.5244/0.5058/0.5150

SG /田中 大貴 / -0.0405/0.1850/0.1445/ 2638/2654/5292/ 1401/1406/2807/ 0.5311/0.5298/0.5304

PG /宇都 直輝 / -0.0671/0.1963/0.1292/ 2259/2291/4550 /1129/1158/2287/ 0.4998/0.5055/0.5026

参考:ポジション別平均値

キャプチャ

「高いところにゴールがある」という競技の特性上,どうしても大きな選手は攻守ともに評価が高くなる傾向があります(ゴールの近くで守備ができるし,シュートも打てる).今回はプレイの勝利は何点のゴールでも1勝としましたが,試合の勝敗は得点で決まりますので,得点を反映させられる評価手法の開発が今後の課題です.

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