「3回は待ってくれ」(1)
「実はご主人の検査結果があまり良くなくて、この数値だと人工授精を行っても妊娠はおそらく難しいと思うので……早めに高度不妊治療、できれば顕微授精に移行することをおすすめします」
主治医にそう告げられたのは2019年の春。通院を始めてから、まもなく4ヶ月が経とうとしていた時期である。
想像もしていなかった言葉を受け取ったはずなのに、今振り返るとその瞬間の私は、あまりにも淡々と話の続きを聞いていた。
いや、聞いていたというより「聞けていた」の方が、本当は相応しい表現なのかもしれな