個で仕事をする時代だとようやく気付いた

「子供との時間が欲しい」

と、20年勤めた前職を辞める時にそう、上席に伝えた。

息子は小5、娘は小2。「小さい子がいるわけでもないし、今更?」って、自分でも思っていた。もっと違ういい方はあったと思うが、思い浮かばなかったし、そう思っていたことも事実。

前職も仕事はやりがいがあり、楽しかった。成果も数字で出るので、さらにやる気は出る。それに新しいことにチャレンジさせてくれる土壌。良い人ばかりの職場、好きな書く仕事。それなのに辞めた。

週刊で毎週締め切りのある職場、広告の出稿なんてギリギリ依頼がくることもあり、それでも「間に合うます!」というのが当たり前。20年そうしてきた。クライアントの要求にはできるだけこたえたい。今やパソコン、スマホがあればどこでも原稿は確認できる。だからこそ、スピーディーな対応は求められる。

月曜日校了の原稿は、休みの土日も対応した。息子のサッカーの大会に原稿をもっていくこともしばしばあった。スマホさえあれば、原稿は確認できる。

一方、私の働き方は、時短勤務。産休前の基本給から時給を出し、働いた分だけいただく。時給もかなり評価してくれたと思う。その点は感謝しかしないが、残念ながら、この土日の仕事、帰宅後の対応は、すべて給料はでない。勤務時間でないからだ。だけど、このご時世、このスピード感で仕事しないと、周りが進まない。給料への不満よりも働き方への不満が募っていた。

クライアントの期待に応えたい感じと、でも私は時給という事実に、何年かもがき、最後のほうは、会社のスマホの着信音恐怖症ぐらい悩んでいた(電話がないことを祈りづけていた週末)。割り切って仕事すればいいのかもしれないが、違う働き方があるんじゃないかという気もしていたし、それに疲れ切っていた(笑)。

今思うのは、この時代、仕事のオンオフは自分で切り替えるしかないこと、そして、うまく言えないが仕事はその人そのものであり、その人自身であることから、オフであっても仕事とつながっていること。

私はそれを会社に期待しすぎて、勝手に怒っていたんだなと今は思う。

今回の転職は勉強になることが多い。転職して、さまざまな働き方を知り、今は個なんだと気づき、自分らしい働き方を模索する。

40過ぎてこんなことが起きるとは!不惑どころじゃないな。