公務員がイラストレーターの副業をするのはアリ?実例をもとに解説します
質問いただきました!
結論!
A.イラストで稼ぐ方法によってOKかNGか分かれます!
こんな感じ!↓
○ イラスト講師(単発)
○ 相手方からのイラスト制作依頼(単発)
△ イラスト販売
△ 同人誌販売
△ イラスト講師(継続)
△ 相手方からのイラスト制作依頼(継続)
× ストックフォト(Adobe Stockなど)
× コミュニティ収入(FANBOXなど)
× クラウドソーシング
一口にイラストレーターといっても稼ぎ方はいろいろあります。
イラスト制作を受注する人
同人誌を書いて売る人
イラスト販売をする人
etc...
そして、それぞれの稼ぎ方を公務員法と照らし合わせたときに、この稼ぎ方はOKだけど、この稼ぎ方はNGという風にパッキリ分かれるのです。
公務員の中にはイラストを書くことが趣味の方や、学生時代はイラストを生かして同人活動をしていたという人も結構いらっしゃいます。
そこで今回は、公務員の副業を調べ尽くして、試し尽くした自分が次の疑問にお答えしていきます!
イラストレーターの7つの稼ぎ方
ご存知のとおり日本では表現の自由が保証されていますので、イラストを使った表現活動は公務員でも認められています。
ただし、金銭的な利益を得るとなると話は別です。
公務員は、次の法令の通り自ら稼ぐことが規制されているからです。
さて、イラストレーターの稼ぎ方には大きく分けて7種類あります。
それぞれを公務員法に照らし合わせたときに、やってもOKなのかNGなのか?
さっそく見ていきましょう!
ストックフォト
PIXTAやAdobe Stockが有名ですね。
イラストをPIXTAやAdobe Stockに登録し、そのイラストが購入・ダウンロードされるたびに利益が得られる仕組みです。
購入・ダウンロードされたイラストは、購入者の個人的な用途だけではなく、有名企業のサイトやテレビCMなどで利用されることもあります。
イラストを書いて登録、あとはほったらかしなのでかなり楽です。
(とはいえ競争が激しく利益も薄いので、あまり旨味は感じられないかも・・・)
で、このストックフォトですが公務員法的にはアウトです。
なぜならば、営利を追求して定期的・継続的に⾏うものだと客観的に解釈されるからです。これは公務員法で規制されている「自営兼業」に該当してしまいます。
ストックフォトで大きく稼ぐのは難しいので、そもそも手を出す方は少ないとは思いますが、一応アウトなんだということは肝に銘じておいてください。
コミュニティ収入(FANBOXなど)
有名なイラストレーターはファンが多いので、PIXIV FANBOXなどの有料オンラインコミュニティを開いていることがあります。
会員はオリジナルのイラストなどを閲覧できる仕組みです。
お察しの通りこれは明確に営利目的なので、どう頑張っても公務員にはできません。
FANBOXなどのオンラインコミュニティではなく、ファンクラブなどの収入も同じ理由でアウトです。
クラウドソーシング
ココナラやクラウドワークスなど、個人のスキルを売買するクラウドソーシングが流行っています。
有名なクラウドソーシングサービス
中にはイラスト制作を受注して稼いでいる方がたくさんいらっしゃいます。
では、公務員がこのようなクラウドソーシングサービスに登録して仕事を受注してもいいのでしょうか?
結論から言うと、残念ながらアウトです。
なぜならば、公務員法で規制されている「自営兼業」に該当する可能性が極めて高いからです。
このようにクラウドソーシングでイラスト制作を受注する稼ぎ方は、自ら仕事を募集している時点で営利目的だと客観的にみなされるため、アウトです。
本人がいくら営利目的じゃないです!といったところで、客観的に営利目的だとみなされれば即アウトだから気をつけてください!
イラスト販売
ストックフォトは電子的なイラストでしたが、こちらは物理的なイラストを販売する稼ぎ方です。
展覧会や画廊、フリマアプリなど、販売方法は様々です。
で、これがアウトかどうかは判断が非常に難しいところで、職場によってOKとNGどちらもありえます。
先程紹介したストックフォトは、利益を得ることができるサービスに登録している時点で明らかに営利目的が先行していると見なされますが、物理的なイラスト販売は表現活動の結果、創作物に価値がついた、という文脈として捉えることもできるからです。
ある公務員イラストレーターがインターネット上にイラストを公開したところ、原画を〇〇円で買い取りたいというDMがきたので売った。
これは職場に確認したらOKだった。しかし、最初から原画を〇〇円で販売したらNG。みたいな事例があります。
自ら主体的に販売するのはNGですが、相手方から買取依頼がくれば許可される可能性もあるかもしれないです。
とはいえ、結局のところ許可申請書が職場にとおれば自主販売もOKです。
許可申請の書き方のコツは別記事で紹介しますのでフォローしておまちください!
同人誌販売
コミックマーケットなどの同人誌即売会で同人誌を販売することは、比較的認められやすいです。
なぜならば、営利目的というよりも個人の表現活動の結果、副次的に利益を得ていると解される可能性があるからです。
「全然OKだよ〜!」という職場もあれば、「なんだか知らんがとにかくダメ!」というお硬い職場もあります。
とはいえ、こちらも結局のところ許可申請書が職場にとおれば自主販売もOKです。
許可申請の書き方のコツは別記事で紹介しますのでフォローしておまちください!(n回目)
中にはめんどくさがって職場に黙って同人誌を売っている人もいるようですが、原則として職場の確認はとるべきです。
もしダメだと言われても、キチンと説明すれば意外と許可してくれるケースも結構あるようです。
私の友人には、「同人誌制作にかかった費用を回収する程度の値段なら販売しても文句ないだろ!表現活動の趣味を否定する気か!?」といって職場を説得した人もいます笑
そもそも副業作家として印税収入を得ている公務員がいるのに、同じく表現活動である同人誌はNGというのも理屈に合わないですからね!
イラスト講師
イラストの描き方を教える講師として副業する方法です。
最近は漫画やイラストを描けるようになりたい!という人が増えていますので、意外と需要があったりします。
とはいえ、ただ単にイラスト講師をやりたいといっても営利目的とみなされて認められないでしょう。
そこで、地域のこどもや老人向けに開くなど公益性をアピールすれば認められやすいです。
その際、あなたの意思というよりは、地域の人達からの要望があるから始めてもいいですか?といったストーリーがあると強いです!
単発のイラスト制作依頼を相手方から受ける
SNSなどでイラストを公開していると、「こんなイラストを書いてほしいです!」「ロゴをつくってもらえませんか?」といった要望がきたりします。
中には、「お店のチラシに使いたいから、こんなイラストを書いてくれませんか?報酬は出します!」といったように、お金をいただける案件につながることもあります。
こうした単発の案件は、公務員人事の大ボスである人事院が出したガイドラインでも認められるとされています。
ちなみに、イラスト講師のお仕事も単発ならば兼業にあたらないため許可なく受けることができると考えられます。
ただし、連載など定期的・継続的に報酬を受取る場合は、職場の許可が必要ですのでご注意ください。
ちなみに継続的にイラストレーターとして報酬を受取る(兼業する)場合の許可基準が以下の通り明確化されました。
自治会の会報、教育機関が発行する雑誌、まちおこしの広報誌など、公益性が高いものなら認められやすいみたいです。
クラウドソーシングのように自ら仕事を取りに行くのはアウトですが、たまたま相手方から仕事を依頼されたということならばOKの可能性は高いようです。
公務員がイラストレーターとしての副業を認めてもらうコツ
以上を改めてまとめると次のとおりです。
○ イラスト講師(単発)
○ 相手方からのイラスト制作依頼(単発)
△ イラスト販売
△ 同人誌販売
△ イラスト講師(継続)
△ 相手方からのイラスト制作依頼(継続)
× ストックフォト(Adobe Stockなど)
× コミュニティ収入(FANBOXなど)
× クラウドソーシング
ほぼ確実にNGといえるのが、営利目的が先行している稼ぎ方です。
Adobe StockもFanBoxもクラウドソーシングも、営利目的ではありません!と言い切るのは非常に難しいと思います。
一方で、同人活動や講師、相手方からのイラスト制作依頼などは、勤務先の判断次第ではありますが認められる可能性があります。
重要なのは、利益を得るに至るストーリーです!
「趣味の範囲でイラストレーターをしていたが、結果として多少の利益を得る可能性ができた」といったストーリーが必要です。
表現活動の結果、副次的に利益が発生したというニュアンスです。
この他にも、地域や住民のニーズに応えるためにイラスト制作やイラスト講師を行う、といったストーリーも強いです。
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