#呑みながら書きました 呑めない娘でごめんなさい

わたしのお母さんはとにかくお酒が好きなひと。

OL時代は終電で飲みに出かけ、始発で家に帰り、少し休んでから会社に出社していたそうです。飲みの締めは焼肉が定番だったとか。なんてパワフル!

会社のお偉いさん方からは「君はどの部署の飲み会に行ってもいるね」と言われ、数々の年賀状に書かれている文字はどれもこれも「また飲みましょう!」、馴染みの居酒屋に行けば注文せずともピッチャーがドンと置かれる。

田舎の小さなお祭りのビール早飲み大会に出場していたこともあります。(早飲み大会たぶん今は危ないからやってないと思います…)
参加者はお母さん以外全員男性。おまけに当時まだ小さかった妹を片腕に抱いての出場。そこで見事優勝した経歴の持ち主です。


そんな母の元に産まれたわたしはお酒を全く飲めない。
いや、どうだろう。”飲まない"が正しいのかもしれません。



今夜は #呑みながら書きました という面白い企画に乗っかって珍しくアルコールを摂取しておりますが、やっぱりわたしにお酒は合わないみたい。

今日は楽しい企画なので詳しいことはまたの機会にしますが、わたしは予期不安というものが強いみたいなんです。
これは物心ついた時からそうなので体質に近いのかなと思うんですけど、お酒を「美味しい」と思うよりも前に「酔って具合悪くなってしまったらどうしよう」が先行してしまって美味しく味わえないんですよね。そしてその考えが現実のものになって飲む前から具合が悪くなってしまうのです。ヘンテコですよね。これでもだいぶコントロールできるようになってきたんですよ。

今日買ったのは「とってもおいしいチューハイ」って書いてあったやつです。だって普段飲まないからどれが良いか分からなかったんだもの。でも最後まで飲みきれないので冷蔵庫に入れておいて明日恋人に飲んでもらおうと思います。「全然飲んでないじゃん」って怒られそう。


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小学生の頃はお母さんが酔っ払うのがすこし怖かった。


居酒屋さんでしばらく待ってもお手洗いに行ったお母さんが戻ってこなくて心配していたら、見知らぬ若い男の子グループと飲んでいたりだとか。

にこにこヘラヘラ「ただいま〜」なんて言いながら、階段で転んだようで膝から多量出血していたりだとか。

お祭りの日の夜、母の手を引いて家に帰ろうとしてもマンションの敷地になかなか足を踏み入れてくれず「ダメよ、ここから先はエイリアンの街!」なんて言いだしたりだとか。

割り箸を口にくわえて「三刀流!」ってONE PIECEのゾロの物真似を始めたりとか。


…まあ書き出すと色々あるんですけど。
そんなお母さんはわたしの同級生たちから人気だったんですよ。

「こむぎのお母さんってゾロの真似するひとでしょ」なんて小学校の教室で言われてまして。恥ずかしかったけど、ちょっぴり誇らしくもあった。

高校生の頃だったかな、お母さんとふたりで歩いていて前から来たわたしの同級生が「あ!こむぎのお母さんと、こむぎ!」って呼んだんですよ。
わたしより先にお母さんかい!って思いました。
でもそんな風に友達が自分のお母さんに親しみを持ってくれているのってすごく嬉しかったなあ。


わたしが二十歳になって、誰よりもわたしと一緒に飲みたがっていたのはやっぱりお母さんだった。
だけどわたしは飲めなくて。飲めないのは悪いことではないはずなのに、どうしても悲しくて遣る瀬無い気持ちになってしまった。ごめんね、お母さん。娘と一緒に飲みたかったよね。

今では「こむぎがいるお陰で昼間でもビールが飲める。運転手いるのありがたい」って笑い飛ばしてくれるけど、その度にこころの奥の方はちくりと痛むんだ。

だけどね、この間わたしと恋人とお母さんの3人で飲みに行ったんです。お母さん、すごく楽しそうだった。わたしはなんだか勝手にひとりで救われたような気持ちになっちゃった。まあ恋人よりもお母さんの方が何倍も飲んでましたけど。とっても嬉しくて恋人にも何回も「ありがとう」を伝えた。


今度実家に帰った時には、お酒に合う美味しいおつまみをお母さんに作りたいな。喜んでもらえたら良いな。

飲めないなりに、別の形の親孝行ができたら良いよね。
それで飲めない娘を許してね、お母さん。



※酔っ払いの母のことばかり書いてしまいましたが実際はとてもキュートなひとなんですよ。お気に入りのエピソードはこちら。


マリナ油森さん楽しい企画をありがとうございました!

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