「こころ」を読んで感じたこと

休日の2日間で夏目漱石さんの「こころ」を読んだ。自分が学生の時に、国語の教科書で習った依頼だったので内容も忘れていたので改めて読んでみたいなって思ったのがきっかけだ。

学生の頃の印象としてはありもしない恋愛話だし、全体的に暗いな〜くらいにしか思っていなかった。

だけど、おとなになった今、経験も増えて読んでみると、「うわ〜あるある」って感じられることが多い。

話に出てくるのは「先生」と友人の「K」である。
もともと、先生が民宿で住まわせてもらったところに誠実で自分の世界観を持っている真面目な少年「K」も一緒に住み始めるところから複雑な話が始まる。

民宿の女将さんの娘さんに「先生」も「K」も恋心を抱き、仲良しだった友人関係に亀裂が入り、ついには自殺といった命を立つほどまでにお互いを追い込んでしまう話だ。

私も自分の生きてきた過程の中で同じような気持ちになることがあった。
「こころ」というタイトルの通り、人間には他の動物と違って「こころ」がある。

感情もあれば倫理観もあり、他者と共存して暮らしていかなければいけない。
自分だけが生きている世界だったらどんなにわがままに暮らせるだろうか?

自分が手に入れたいものを手に入れ、やりたいことをやり、「他者への迷惑」なんて考えなくて住む。だけど現実世界では、自分以外の他者も一緒に暮らしており、おとなになればなるほど、「お互いに気持ちよく」生活していく努力をしていく。

人間には「動物」としての側面と「倫理観を持った人」としての側面がある。
動物としては様々な欲求のことかもしれない。恋愛も自分の子孫を残すため。用紙がきれいな人に惹かれてしまう。これらは感情が中心のもの。

しかし、相反するように自分の感情だけでは自分も他人も傷つけてしまう可能性がある。そんなときに倫理観が働くものだ。

私だったら「先生」と同じ行動をとっただろうか?

もしかしたら「K」がいい感じだったのであれば、積極性に欠ける私の性格からしたら自分が身を引いてほかの女性に目を向けたかもしれない。

だけど、「K」を出し抜いてまでも自分の気持を大切にした「先生」は悪者なのか?私はそうとは思えない。自分の気持に素直に従った実直な青年だから取れた行動だとも思う。そして、自殺をしてしまった「K」。現実世界ではこんなに自分を責めてしまう人は少ないかもしれない。だけど、心がきれいで自分に厳しいからこそ、自分を責めてしまう気持ちもわかる。

とにかく、「こころ」という小説は、人として必ずぶつかる「葛藤」を描いている。それは、自分の欲と他人に対する優しさだ。自分の欲を達成するには他者を傷つけてしまうことがある。逆に他者を優先する優しさだけでは自分の欲を達成することができない。この矛盾した感情はおとなになってからもおこるもの。

人間には欲があるから向上することができるが、ときにその欲によって大切な人を傷つけてしまうことがある。

自分の気持を大切にしながらも、他者と上手く付き合っていく。そこには「言葉」が重要な役割を果たすと思う。自分の欲を達成する上でも、他者に対してどんなふうに伝えるか?どんなふうに納得してもらうか?コミュニケーションにつきるけど、人間だからこそ言語によって解決できる問題は多くあるのではないかな。

おとなになった今、「こころ」を読むことは人を理解することに繋がると感じた。

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