2021年のベストビジネス書――『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
魂が震えるような文章に出合った。30代のある男性書店員の方が、個人のTwitterに投稿されていた一文だ。文章を読んで、これほど胸が熱くなったことはほとんど記憶にない。
弊社社長もたいへん感動し、全社員の前で、全文を読み上げてくれた。読み終えた瞬間、示し合わせたかのように、万雷の拍手が湧き起こった。そしてそれは、しばらくの間、やむことがなかった。
もちろん、文章力自体が卓越しているが、その上手い下手ではない。ここには、一冊の本に出合って揺り動かされた魂の記録が示されている。
なんという力のある文章だろう。
(以下、転載)
『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
(藤尾秀昭 監修/致知出版社)
何かに取り憑かれたのではないかと思われるほど心揺さぶられる、素晴らしい本に出会った。
正直なところ、この手の365なんたら本はよくある。個人的にも食傷気味だ。しかしながら、思い込みは良くないのだと、改めて猛省した。それほど本書の秀逸さは群を抜いている。
本書は2020年11月に発売された。今年はまだ1月だが、2021年のベストビジネス書になることが確定した。全打席満塁ホームラン級の一冊だ。もっと早く出会いたかった。現在10万部突破とのことだが、通過点でしかない。1年あれば50万部は軽く飛び越えるだろう。そうすることが書店に課せられた本であり、書店が売らないといけない本だ。
冒頭の稲盛和夫氏から始まり、超一線級の仕事人たちが、数十年かけて積み上げてきた人生哲学、経験、信念といったものを1ページに凝縮。感動しないわけがない。熱くならないわけがない。揺さぶられないわけがない。どのような感情であっても「心が動かされる」ことは間違いない。
翻って自分はどうだろうか。読めば読むほど、自分の未熟さ、至らなさを痛感せずにはいられなかった。本書の登場人物のように生きてこられたか。努力し続けられたか。胸を張れる人生だったか。心に棘が刺さり過ぎて、ページをめくることが怖かった。わずか1ページに、凝縮された人生が詰まっている。
本書の良さを理解するには、ご一読いただくことが一番だろう。どのページもわずか2~3分で読める。立ち読みでも構わない。しかしその短さとは反対に、数十年にわたって、私たちを奮い立たせてくれることになるだろう。
何度読んでも素晴らしい。今後、何十年も読み継がれることは間違いない。書店員として、たくさんの人に届けたい。それができなければ、書店は存在意義を失うのではないか、と恐怖さえ感じる。幸いにして、当店でも非常によく売れている。1人でも多くの読者に届くことを願ってやまない。
(30代・男性書店員)