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妻が呟いたら20万いいね❗️の反響があった話~男性は育児休暇をなぜ取れない?

これは2人目出産時に育児休暇を2週間とったら異動になった私の話。

この育休取得をめぐって会社やそれを取り巻く社会、世代間のギャップ、次世代へ向けた今後の活動についてより深く考えるきっかけになった出来事となりました。

実際に現状としてまだまだ問題山積みの男性育児休暇。

今回どんなことがあったのか。

同時に自分の反省点やこれからの自分に何ができるのか。

その思いの丈をこのnoteに綴ります。

会社初の男性育児休暇取得は簡単じゃなかった
私が勤めていた会社は創業60年の中小企業です。地元ではそこそこ有名な会社です。


大学卒業後、会社に勤めること14年。


ありがたいことに、2人目の子宝を授かりました。

2人目の出産時は両親からの援助がうけられない状況だったこともあり、私が妻の産後のサポートをすることを決め、育児休暇をとることにしました。


とはいえ、私の会社では未だかつて男性の育休取得者はゼロ。

また私が穴をあける間、他の仲間たちにも迷惑がかかってしまいます。

そこで出産予定日の半年前からできるだけ周りの負担を減らせるよう

仕事の引継ぎや上司への相談など、準備を進めていました。

この時点ではまだ前例のない男性の育児休暇取得に対する反応はイマイチでしたが、私にできることは何でもしました。

誰が入っても回せるようなシステム改変や新人育成についても働きかけました。

しかし出産予定日の3か月前のこと。

若手社員が2人退社してしまったのです。


育児休暇を会社に申請しようとしていた期間は2か月。

ですが、会社の上層部から


・2ヶ月も仕事を抜けられたら困る
・期間は有給を使って2週間で頼む
・休みに入るのは妻が出産後退院する日からにしてくれないか


と育児休暇の取得期間の短縮と、その期間を有給で消化するということを相談され、やむなく承諾しました。

結果出産日から妻の5日間の入院中は、仕事に行きながら保育園の送り迎え、娘の身の回りのこと、家事、全てを1人で行う・・・という状態になりました。もちろんこんな経験は初めてです。

そのいっぱいいっぱいであろう状態では、お母さんに会えず寂しい思いをする娘にさらに寂しい思いをさせるのではないかという不安もありました。

なので、出産日からの休みを希望していましたが却下となってしまいました。


それでも2週間休みをもらえるのならと有給を申請しようとすると、今度は社長から呼び出されました。

その内容をほぼノーカットでお送りします。

・有給とはいえ、育児休暇で2週間も仕事を休むなんて認めない
・ケガや病気で休むならしょうがないが、男が育児休暇で休むなんて私も
他のみんな(社員)も認めないはずだ
・ダメと言えば今のご時世いろいろあるからダメとは言わない
・有給や育休の申請書類が回ってきたら判子は押す。立場的に判子を押さない訳にはいかないから
・でも、だからといって(二週間休むことを)認める訳ではない
・もし休んだら今の仕事のポジションに戻れると思うなよ
・休むとしても、出産立ち会いの時と、産後の退院の時くらいだ
・そもそも男が育児休暇なんて取る必要があるのか
・だいたい最近の若い人は子供の入学式や卒業式とかで仕事を休むけど、私達の時代ではそんな奴いなかった
・私なんて子供達の出産に立ち会った事もないし、入学にも卒業式にも出たことがない
・男の育児休暇なんてこの会社創業以来誰も取得していない
・もし君が育児休暇を取ることで、他の若い連中も育児休暇を取りたいとか言い出したらどうするんだ!?
・そうなると誰がその穴を埋めるんだ!
・大企業や公務員ならまだしもうちの様な中小企業で男の育児休暇なんて取らせられる訳ないだろう
・もし育児休暇で半年~1年とか休むようなら会社を辞めてもらう
・半年~1年も休むのなら、その穴を埋める為に新しい人を入れる
・君がこの事を不服に感じ訴訟を起こしたり、労働基準監督署に行き、監督署から指導が来ても育児休暇をとらせることができない
・訴えられても会社は罰金を払い、そして君が会社を辞める。ただそれだけだ。訴訟を起こした人間がその会社に残れる訳ないだろ?

では私は会議があるから・・・と一時間ほど一方的に意見を言い、去っていきました。

唯一の光かと思いきや・・・
社長からの話の後、直属の上司から話の内容を尋ねられたのでその内容を話すと

「うちの会社で男が育児休暇を取るのは無理だろう…」

と諦めろと言わんばかりの反応でした。

その後、さらに上の上司からも同じ事を聞かれ内容を話し、どうしても休みをとりたいことを伝えると、

「社長には私から話をするから休みなさい」

と言っていただき、有給の申請をしました。

休みに入る日まで社長と話をする機会はなく、その間に妻が出産。

出産日と退院日以外の、妻が入院している5日間は仕事に行きながら娘と2人で過ごしました。

そして退院日から2週間の有給の申請を出し、(育児)休暇に入りました。

この2週間本当に休みをとってよかった・・・と思うくらい壮絶なものでした。

体力のある男の僕でも、疲れた・・・と弱音を吐いてしまいそうになる状況。上の子をみながらご飯・掃除・洗濯などの家事をして、それに加えて新生児の身の回りのお世話、夜間授乳。

もしも産後ぼろぼろの体の妻がひとりでこれを全部やっていたら・・・と思うと心底ゾッとしました。

だけど、かけがえのないこの時間を家族で過ごすことができて良かった。


そう思いながら2週間の有給が終わり会社に出社すると

【異動になる】

と告げられ、その日に辞令を受けました。

子どもがいる環境で働きやすい部署への異動とは思えず・・・


異動前の部署は機械のオペレーターをしており、土日祝日はほとんど休み。

残業も1~2時間程度異動後の部署は在庫のピッキング作業と運送会社のトラック積込立ち会いという内容でした。

年中無休で営業してる得意先も多数あり、毎日納品がある為、土日祝日も出勤日になっており、さらに早番・遅番もあり、仕事が終わるのは会社の中で1番最後になるような部署でした。

この部署への異動は積極的に子育てに関わろうとする私を子育てに不利な状態にする報復人事としか思えませんでした。

この会社で育児休暇を取ったり、社長に歯向かったりしたらこうなるんだぞ!と見せしめにされた様に感じました。

もうこんな会社で働けないそう思い退社を決意しました。

その後社長のもとへ退職することを伝えに行きました。

すると社長は

・これから色々な部署を経験していればその後役に立つ
・子どもに手がかかる時期は小さいうちだけなのだから、その間は時短勤務や土日祝の出勤の免除など対応できる
・これまでも(けがなどで)長期で穴をあけた場合はそこに他の人を配置するため、戻ってきたときには他の部署へ配属した例もある

などと話をしました。

私は、休みに入る前に男性の育児休暇に対する価値観の違いや会社側の理解のなさに、残念ながらこの会社に未来はないと感じていました。

そして、それが休み明けに確信にかわりました。

社長の話もほとんど耳に入ってきませんでした。

やはり辞める以外浮かばない・・・

ただ自己都合の退職と、会社都合の退職とでは、退職金や失業手当が受け取れる期間に大きく差が出ることから、いろんな方のアドバイスを受け、今回の件を労働基準監督署に匿名で相談しました。

すると基準監督署の方から
『退職するのはいつでもできるので、まずは正式に育児休暇を取得し、今後の事はその間にゆっくり考えましょう!もし会社から育児休暇取得を拒否されたらまた相談に来てください。私達が会社に指導に行きます』
と提案してくれました。


翌日
『基準監督署に相談し、育児休暇を取ることを勧められた』と伝えると
社長から
『育児休暇を取っていいぞ!それで育児休暇が終わったら退職届けを出せよ』と言われました。


未だ理解を得られない男性の育児休暇

私が育児休暇を取ろうとした理由は他にもあり、1人目の出産のとき、妻は自身の実家に里帰りしました。

しかし妻の両親は2人ともフルタイムで働いており、結果平日はワンオペ状態になり、3週間ほどで帰って来ました。

また今回は上の子の保育園があったことや、コロナの影響も重なったことで、さらに育児休暇の必要性を感じました。

私の母親は専業主婦ですが、妻の予定日の2ヶ月前に私の姉の子どもが生まれており、母はそちらを見ている為手を借りる事ができませんでした。

そんな状態だった為、今回育児休暇の取得を固く決意しました。

また僕が育児休暇を取ることでこれからの若い世代が、少しでも育児休暇を取りやすくなればと思い準備を進めて来ましたが、こんな結果になってしまい非常に残念に思います。

社長だけでなく中には2週間の有給を取る直前まで、

本当に休むつもり?

こんな状況で普通休む?

という年配社員もいました。

今回は、育児休暇取得前に社員が2人辞めたことで人手不足になりました。

しかし、その後3月に中途採用で1人
そして4月には4人の新入社員が入社しており、私が育児休暇に入るまでにその穴を埋める方法はいくらでもあったはずです。

これまでも人のケガや病気、さらには新婚旅行などの長期休暇でも対応してこられたのを見てきたからです。

私もこの2週間の穴をうめるために尽力してきたつもりでした。

ですが、会社側にはうてあってもらえず、育児休暇を取得することによっておこる人手不足の責任を、私に押し付けようとしてるように感じました。

まるで社会全体が男性の育児休暇に対する理解がないのではないか?とも思いました。


しかし今回Twitterで妻が呟いたツイートに『20万イイネ』『7万リツイート』

いただいたコメントは1000件以上と、予想をはるかに上回る反響がありました。

そこで私のような経験をした人がたくさんいるという事だけでなく、

育児休暇を取らせたくても、取らせられない会社側の都合や

男性の育児休暇を反対する団体の存在など

様々な問題がある事を知り、自分の経験を何か世の中の役に立てられないかと考えるようになりました。

変わりゆく時代を子育てしやすい未来へ・・・その第一歩として僕ができること

この経験を通して、様々な人の声に触れることができました。

そこから、長期的にそして多方面からアプローチしていかなければならない多くの問題が顕著になりました。

僕は考えました。このまま何も行動せず終わっていいのか。自分になにができるのか。

これは一つの会社の問題ではない。経験できたからこそ、

今後、少しでも男性が育児休暇を取りやすくなる為の活動を全力で行っていくことにしました。

男性の育児休暇を取る事に理解がある社会にする為に


2018年の男性の育児休暇取得率は、わずか6.16%。取得期間は5日未満が56.9%、8割以上が1ヶ月未満と十分な休暇を取得できた男性はごく一部だそうです。

育児休暇を取得したい男性の数は上昇傾向にあり、大学生を対象としたアンケートでは44.6%の男性が『子供が生まれたら育児休暇を取得し、家事や育児に積極的に参加したい。』と答えており、この数値は5年連続で上昇しているそうです。

育児休暇を取得したい男性の数は増えているにもかかわらず、取得率が上がらない背景として、

・会社内の制度が整備されてなかった

・育児休暇を取得しづらい雰囲気だった

・人手不足だった

この様に現在の日本では、男性の育児休暇を取得できる環境が整っている企業の方が珍しいというのが実情です。

そこで、男性の育児休暇の『半育休』育休を取りながら一部働くという選択肢です。育児休暇の制度自体が、育休中に業務も可能になっているのです。

月80時間までの業務であれば育児休業給付金が給付されるそうです。また会社からも給料が支払われるので、通常の育休より収入がアップします!

月80時間なら単純計算で週に5日間1日に4時間程度働く事ができるということです。

こうすると休む方も、会社側も仕事の引き継ぎ等や人手不足等のストレスが、かなり軽減されると考えられます。

また短い時間に集中して働く事で仕事の効率アップも期待できますし、休み明けの業務への支障も少なくなるはずです。

そして何より育児休暇を取得しやすくなるはずです。

男性が育児休暇を取得する意義とは、男性が家事や育児に参加する事で、女性の負担やストレスが軽減し、最高な状態で子育てできる環境を作る事だと私は考えています。

子育てで母親が子供に与える影響は99%以上で、父親が与える影響は1%以下だと言われています。

つまり子育ては母親の状態で大きく変わると言うことです。

母親が強いストレスや夫に不満を抱きながら子育てをすると、夫婦仲が悪くなるだけでなく、子供の自己肯定力が低くなり、自分に自信が持てず、無気力な人間になるというデータもあります。

これから働き方改革やコロナによる自粛や在宅ワークの増加で、男性が家庭にいる時間が増える事は間違いない。

家庭で居場所がない父親はとてもつらい時代に突入して行くでしょう。

育児休暇を取得する事で男性は、奥さんへの感謝の気持ちや、子供への愛情が更に深まるはずです。

男性の育児休暇取得が、古い価値観を捨て去り、新しい時代の価値観を受け入れる事に繋がると私は思います。

少しでも早く男性が育児休暇を取りやすい世の中にする為にこれから活動していきます。

応援よろしくお願いいたします。男性の半日育児休暇の推進に賛成、共感していただけたら『スキ』をお願いします!