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テキストファイルを20年間打ってきて

※これは2014年時点の記事です。noteの機能について書いているところは、当時の感想です。

僕の平日昼間の仕事は、某大学のネットワーク管理やらヘルプデスクやらなので、お客さんとして接する人はつまりリアル大学生や大学職員となる。

僕らは年を取るし大学生は毎年新入生として入ってくるから年々若くなる。この時期は特に新入生ガイダンスなどでPCの使い方やら情報処理教室の使い方のレクチャがあったり、そのサポートをしたりする。毎年この頃になると、自分のリアル大学生の頃を思い出したりする。

僕がリアル大学生だったのは1994年~1998年だったので、今年だと2014年だからじつに20年前ということになる。後輩の社員と「うわーもう大学時代って20年前だったわー」とか冗談を言いつつ、背中には冷や汗が流れた気がした。もう20年か。

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大学に入るまではテキストファイルという概念を持っておらず、もっぱらワープロ専用機(今この言葉も通じるか謎だ)や手書きのノートが僕のかたわらにあり、感熱紙に印刷した小説や同人誌というにはあまりにもおそまつなできの個人誌の原稿が山ほどあった。パソコンに触れたのは大学に入ってからで、そこではじめて「日本語変換(FEPとかIMEとか)のATOK」や「テキストエディタのMIFES」「ファイル管理ソフトのFILMTN」なるものに出会った。それからはフロッピーディスクにテキストファイルをためこんでいく日々になってゆく。

はじめて、いまでいうネット上にテキストを置いたのはその1年後くらいで、ブログなどもなかった時代、場所は大学のメールサーバーの中の「.plan」というところだった。これがわかる人がどのくらい残っているだろうか、おっさんホイホイ状態であろう。だってまだこの頃、ホームページというかHTMLで文書をタグ付けでインターネット上に置けるということを知っている人のほうが少なかったはずで。

「オン書き」という言葉があった。「オンラインで書く」ということだ。それはどれだけぜいたくなことだったか。オフラインで書きためたものを、ピーガーとモデムを鳴らして接続して、せっせとコピペや専用巡回ツールで書き込んでゆく。たいていは翌日につないだときにいっぺんに返事をダウンロードしてまた書き込む。これを繰り返していた。おそらく、ADSLあたりが普及するまでは。

これを書いている2014年現在は、アプリからでもなんでもかんでも、この「note」でも、とりあえず「つながったまま」書いて推敲(すいこう)してテキストを全世界(あるいは限定した人)に公開するという手順が根付いている。ネットの利用料もほぼ月いくらか払えば使い放題だ。誰かからメンションが来たら即座にプッシュ通知やメール通知が来て、ちょっとトイレ、ちょっとタバコなついでに返事を書く。(それだけ人との距離のメッシュも密になり、ネットが無ければおそらく出会うことすら叶わなかっただろうたくさんの人もいるがそのへんの話は今回のテーマとは少しずれるのでまた今度機会があれば。)

誰もが気軽に「つぶやき」易くなった。また、プロとアマの境界線(ボーダー)もゆらいできた。誰でも自由にテキストが書ける、誰でもそれが気に入ればいいねと言える、そしてプラットフォームが整っていれば無名の人にでも投げ銭や寄付ができる。これは売れると思われたモノは編集者のフィルタをかけて商業本へ変身する。

20年をぐわっと思い返してみたが、確実に「書き手」は増えた。しかしそれでも、まだ「読み手」の割合が格段に大きい。noteもふくめ、新しいサービスが出るたび、それは「書き手」の集合だけに「ウケ」て終わり、になっていないだろうか。「読み手」にはリーチできているのだろうか?

noteをぼんやり始めるにあたって、ここでは何を書くかはまだ決めていない。というか、この場所が気に入れば、なんでもかんでも書き残すのかもしれない。すでにこれまでにもたくさんの場所があり、書いてきたが、それらをストックしたテキストファイルはあるけれど、20年ずっととどまって書いた場所なんて無かった。

プロフィールにはキャッチーなことを書いてはいるけれど、実際にはただの38歳女性の何かが不定期に更新されるだろうので、フォローされる際には少しだけ気にしておいてもらえるとたすかります。それでは、また。

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表紙画像はなんとなくカメラロールから持ってきた、とある小説の下書きの断片。

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note.muをiPod touch のSafariから使ってみた感想を追記。だめだ使えない。おそらくスマホのブラウザからは下書きテキストの編集も投稿もできない。参照も全文できない。これはいただけない。2014年4月23日現在の話なので将来改善されることを望みたい。
追記:5月に公開されたASCII.jpの記事『メディアプラットフォーム「note」の作り方』を読んでいるとまあそういうところなのかなと思う。
→ http://ascii.jp/elem/000/000/890/890945/

「はてな」の「はてなハイク」もおすすめしておきたい。はてなハイクはミニブログの領域に入ります。あれには下書き機能はなく、有料で見せることはできないですが、140字とかぶっとばして書けるし、メールでも投稿できるし、気の向くままにでも共有したいテーマででも書けるし、いちおうスマホからでも書けるし、絵だって描けるし写真も貼れるので。
→ http://h.hatena.ne.jp/
※はてなハイクは2019年3月27日にサービス終了しました。

あとどうでもいい話かもしれないが、note.muでの下書きをそのまま別のエディタなどにコピペするとよくわからないところで半角スペースが入ってしまうようだ。(2014年4月時点)

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