ふしぎ駄菓子屋銭天堂 作・廣嶋玲子 読書感想文
住み慣れた街に突然現れる駄菓子屋銭天堂。コンプレックスや欲望など煩悩まみれの人間たちが引き込まれていく。
そこで豊満で特徴のある言葉遣いをする店主の女性・紅子と出会い、それぞれ自らの欲望を満たすお菓子を手に入れる。
お菓子を食べると、今までうまくいかなかったことが突然思い通りになっていく。
泳げなかった女の子は泳げるようになり、何をしてもうまくいかなかった美容師は人気博す。
最初は嬉しさでいっぱいになるが、やがてそれらは暴走をし始め、お菓子を食べた人たちを苦しめていく。
いや、ちゃんと食べる前に説明書を読んでないからなんですけどね、みんな。欲望の前では冷静さを欠くという人間のありのままの姿がそこにありました。
児童小説ということなので、子供ばかりが中心になるのかと思いきや、20代の大人たちがメインになったり、また、汚部屋に住む子供を愛せないお母さんが出てきたりとなかなかシビアな世界が繰り広げられています。
「笑ウせぇるすまん」を覚えている大人はいますかね。あんな感じです。
主人公の紅子さんのビジュアルが渡辺直美さんのようで。紅子さんを渡辺直美さんに置き換えて読んでいました。
1巻目では、なぜ紅子さんが謎のお菓子を売り、引き換えにもらった小銭を年代別に大事にしているかはわかりませんでした。
シリーズ化されているようですが、続きを読むかどうかはちょっとわからないです。
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