見出し画像

民泊体験レポート vol.3

レポート受講生:岡本さん、篠崎さん
受け入れ農家さん:後藤武男さんご家族

後藤さんのお宅に滞在した受講生の2人は、後藤さんの人生に焦点を当て、農業をするまでの出来事や麒麟山との出会い、そこでの仕事や苦労をまとめてくれました。

夫婦2人で、2.5haの酒米を栽培しているという後藤さん。苗の販売も行っており、多い時には約3,000枚の苗箱を販売していた。

武男さんは、かつて、地元のチップ工場で働いていたが、10年ほど働いた後、兼業農家をしながら、冬場の仕事として麒麟山酒造に35歳で就職。
その後、『自分で造った酒は自分で管理もしてもらいたい』と、会社から年間を通して働かないかと提案されて酒造りに年中従事することとなり、9年間杜氏を任される。以前の仕事より給料は良かったが、責任感は重大だった。

当時、温度計などが発達しておらず、麹やもろみの温度は手で測るなど、五感を全て使っていたとのこと。
また、麒麟山酒造の麹室の内装を変えを機に木材の質も変わり、安定した麹の作り方を確立するまでに苦労をした。武男さんは、他の酒造会社で学びながら仕事に励み、納得のいく麹作りに10年ほどかかったと言う。

酒造りには麹がとても重要。麹の出来によって長い期間貯蔵しても、老香(ひねか)の発生を抑えることができるとのこと。麒麟山酒造前社長(現社長の父)齋藤社長は特に、老香を嫌い、フレッシュで綺麗な酒を好んだと言う。
自宅に飾ってあった、日本酒品評会の数々の賞状を私の自慢だと言っていた。

60歳で定年退職し、専業農家をしながら、関東の中学生の民泊を受け入れて、農業体験を提供している。

現在、75歳で武男さんは、80歳まで現役で頑張りたいと意気込んでいる。そして、健康で酒を飲めるのが一番だと目標にしている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?