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流動型『学び合い』の授業づくり:時間割まで子どもが決める!


① 本を読んだきっかけ

『学び合い』を授業に取り入れたことがありました。
しかし、取り入れてからというもの、「全員達成」というところに違和感を覚え、なかなか実践が進みませんでした。

6年生になっても九九がおぼつかない子やひらがなとカタカナを区別して使えないような子がいる一方、難関私立の入試問題を解いてしまうような子が一緒に過ごしているのが公立小学校の学級。その中で、「全員達成」を目指すことは、どちらにとっても辛い状況を生み出してしまうのではないかと感じていたのです。

その時に、流動型『学び合い』の授業づくりを見つけました。1時間1課題だと窮屈に感じる子も、時間割もやること自分で決められるようになれば、自分のペースで学べるようになるのではないか。そして、その子のペースを保障することが一人一人を尊重することにつながるのではないか、と思い本を手に取りました。


② 流動型『学び合い』とは?

1時間1課題で「全員達成」を求める『学び合い』では、問題のレベルも上げることが難しいため、徐々に緊張感のない授業になっていきます。

そこで、授業をレベルアップしていくのです。問題の難易度を上げることだけでなく、タイムマネジメント(教師がしていたこと)を子どもたちに任せていくことで、授業のレベルを上げようと試みるわけです。

そのために、複数時間による『学び合い』や単元『学び合い』を実施していきます。
時間軸を長く設定することで、自分に合った勉強をできるという点や1時間に課題を達成できなくても安心して学ぶことができそうです。

単元の『学び合い』は楽しく、学習効果も上がりそうですが、自分から聞きに行けたり教えに行けたりと、ゆるやかなつながりがなければ個別化を生んでしまうでしょう。また、「教える」ことが自分のためになるという価値観や、課題を追求する姿勢、自己をモニタリングする能力などが身についていないと難しいなと感じます。

だからこそ、1時間1課題の『学び合い』→複数時間の『学び合い』→単元の『学び合い』と順を追って実践していくことが重要かなと思いました。


③ 「全員達成」とは

わたしの、「全員達成」という言葉への違和感。
この本から「全員達成」という言葉のとらえ方を考えました。高橋先生は「全員達成」を「一人も見捨てないこと」と、とらえられていました。

東日本大震災を経験したご自身の体験と結びついて、本気で「一人も見捨てない」ことを先生自身が願っている。「友達を見捨てないことや友だちに寄り添うことで、自分が救われている」ことを実感として持っていることが、高橋先生の在り方に結びついているのかなと感じました。

そうした先生の在り方が、『学び合い』の考え方である「子どもは有能である」「子どもを信じる」「子どもを見捨てない」ことと一体となり、クラスの子どもたちの姿に表れているのでしょう。(6章に書かれています。この章は繰り返し読みたいです。)


『学び合い』を発展させていくためにはどうすればいい?と思って手に取った本でしたが、それ以上に『学び合い』の考え方や理念をより深く学ぶ機会になりました。『学び合い』の考え方や理念をもう一度しっかり学びなおしたい。そして、自分の在り方をみつめなおして、子どもたちと一緒に笑顔で毎日を過ごしていきたいです。

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