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授業改革に向けて、当たり前だけど忘れがちなこと

授業改革の大切な視点3つを昨日投稿しました。

参考にしている本は


今日はそれに加えて、授業改善の時に、当たり前だけれどついつい忘れがちになってしまうことについて書きたいと思います。

(1)子どもたちが学び合うための基本的な考え

まずは、子どもたちが学び合うために「競争」ではなく、「協同」の原則を教室に持ち込むことです。

協同・・・仲間全員の成長をめざすこと
競争・・・仲間の中の序列をめざすこと

「協同」では、一人一人が自らの成長を止めることなく学び、仲間の成長に貢献するために援助することが大切になってきます。

そこには、

仲間を高める責任
仲間からの支援に誠実に応じる責任

の2つの責任が子どもにあるのだと思います。

「協同」の中で、子どもたちが2つの責任を果たすとき、子どもたちはお互いに高め合う、課題解決型思考集団になっていくでしょう。

そして、「成長したいという願いを持っていることを、クラスのみんなが知っていて」、「クラスのみんなが応援団」だと感じることができれば、クラスに居場所感が生まれ、安心して学級で学ぶことができると思います。

(2)授業づくりの大切な視点

アクティブラーニングも協同学習も方法ではありません。しっかりと目的を確認して授業をしないことには有意義な学びにつながりません。

最近ではグループでの活動を取り入れながら、授業を展開することも多いと思います。そこで、

① 「教師の導入の解説と課題提示」→②「課題を個で取り組む」→「グループで学び合う」→「グループ間交流」→③「まとめと振り返り」

という流れの授業展開を参考にしながら、授業で大切な視点を考えます。

①教師の導入の解説と課題提示

導入では

「何がが分かるようになるか」「どんな力が身につくか」を
子どもたちがはっきり知っていることが大切です。

それに加えて、「学ぶことに意味がある」と感じていることが学びへの意欲を掻き立てます。岩瀬直樹さんなどは、「価値のインストラクション」という言葉を使われていますね。ここは、まず何よりも大切にしたいところ。
学ぶ価値については、生活とつながっていること、知識が応用可能であること、社会貢献につながることなどが示されるといいのではないかと思います。

そして、「学習課題を明示すること」です。めあては短いほうがいいといわれることもありますが、子どもに伝わる表現にすることが大切です。

また、課題は、達成の形が見えるようにしなければいけません。「~考える」では、何をもって考えたことになるのかはっきりとしませんよね。だから、「3人に説明してサインをもらう」のように具体的に示すことが重要となります。

②「課題を個で取り組む」→「グループで学び合う」→「グループ間交流」


課題を提示した後は子どもたちの活動に入ります。

その時に、

なぜそのタイミングでその学び方をするのかといったねらいまで子どもたちに示しておく。子どもたちが理解していく。

ことが、決定的に重要です。

個人で考えるときにも、後にグループで友だちに説明する場面があると知っていれば、できた子は説明するための準備ができますし、わからない子は聞きべきことをピックアップしておくことができます。

グループ活動の後に全体での意見交流があることを知っていれば、グループ活動での課題が明確になり、目的をもって話し合うことができるでしょう。

ただ単に、グループにすればいいのではなく、ねらいと課題達成にどうつながるかまでデザインしていきたいです。

③まとめとふり返り

ふり返りは、学びを自分ごとにするためには避けては通ることができないところです。

まず、ふり返りの視点として、「課題設定と振り返りの視点が首尾一貫していること」が重要です。ねらいに沿ったふり返りがなされないと子どもたちも達成感を感じることができませんし、十分な振り返りにはならないと思います。

次に、振り返りの視点ですが、「できたーできなかった」という軸だけではどうしてもできない子はクラスにいるのですから、「がんばったーがんばれなかった」といった、「関心・意欲・態度」の視点。また、友だちのがんばりや貢献にいついての視点も入れていきたいものです。

(3)まとめ


 今日は、実際の授業で大切なことを考えてみました。何度も言いますが、私たちは(私は)どうしても方法に目が行きがちです。でも、方法が目的になってはいないのであって、常に目的を見据えながら授業づくりをすることが大切です。

活動の一つ一つは意味があるはずです。それをしっかり考える。そして、それは共に学んでいく子どもと共有していく。

よく考えてみれば当たり前のこと。でも日々の忙しさの中や、焦る気持ちの中でついつい忘れがちになります。

少しゆっくり考えられそうな今だからこそ、きっちりと原点に戻って考え始めましょう。

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