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アジア紀行~ベトナム・フエ⑤~

はじめてのチェー(Chè)

ベトナムに行ったら絶対に食べようと思っていたものがある。
それは、チェー(Chè)
ベトナムのローカルスイーツの代表とも言える食べ物で、甘く煮た豆類や芋類、寒天や果物など複数の具材を合わせて食べる伝統的なデザートだ。
温かいものもあるそうだが、この暑さの中ではかき氷とシロップをかけて食べる冷たいチェーが最高だ。

午前中に阮朝王宮を見学して少々バテ気味。
ホテルに戻ってグズグズしているうちに夕方近くになってしまった。
そんな時、ふとひらめいたのだ。
『そうだ、チェー屋さんをさがそう!』
ホテルで借りていた自転車に飛び乗って、まだ昼間の暑さが滞っているフエの町に出る。
小さな小学校のような建物の前を通ると、校庭に回転ブランコがあり、グルグル回っている。子どもたちが楽しそうにはしゃいでいる。
写真を撮ろうと思ったところ、カメラをホテルに置いてきたことに気づいた。あちゃ~!
目と記憶に焼き付けておこう。
4~5人の少年たちが気づいて、「ハロー」と言いながら近寄ってくる。子どもたちには外国人へのこだわりがないのだとうれしく思ったが、手を出して「何かくれ」という素振りを見せるので、ちょっとガッカリ。ホーチミン市でも同じような経験をしたことを思い出す。
彼らはぜんぜんしつこくはなく、何かもらえればラッキーという程度だった。
再び自転車に乗って走り出す。フォーが美味しかった店「マイダオ」を通り過ぎたところに、あった! チェーの店だ。
店の前に小さなテーブルとプラステックの低いイスがあり、子どもたちが集まっている。店のおばさんに、「一つ」と指で示して腰を下ろす。

カメラを持ってなかったのが残念。
この写真は、note「喜代多旅館(富山)」さんの写真をお借りしました。

この写真ほどバラエティーはなかったけれど、フルーツ・豆類・白玉・ミルク・氷・・・など、いろいろ入っている。ベトナム風あんみつだ。
食べ終わると、おばさんが氷の入ったお茶をくれた。チェーが甘かったので、口直しにお茶がおいしい。
子どもたちは食べ終わると、くしゃくしゃになったお札をおばさんに渡していたが、いくらなのかわからない。おばさんに値段を尋ねると、2,000ドンと言ってにっこり笑う。
高校生ぐらいの若者たちもやって来て、チェーを注文している。人によって中身が違う。いろんなバリエーションが楽しめるのが、このチェーの人気の秘密かもしれない。

一度ホテルに戻ったあと、すっかり日が暮れてから「マイダオ」まで歩いて行く。明日はフエを離れるので、このフエで食べる最後のフォーだ。

もう一度食べてみたい・・・。

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