見出し画像

大阪市の神社と狛犬 ❽旭区②八幡大神宮~頭上に穴のあるどっしり狛犬~

大阪市旭区の地図と神社

大阪市には、現在24の行政区があります。淀川のすぐ南側には5つの区がありますが、旭区はそのいちばん東の端に位置します。旭区の東側は守口市と接しています。旭区という名前の由来は、文字どおり朝日が昇る東に位置するからだそうです。
旭区には、八幡大神宮の御旅所を含めて神社が4社あります。八幡大神宮は、京阪電車滝井駅の南東約300mに鎮座しています。別名「不焼宮やけずのみや」と呼ばれています。

八幡大神宮

■所在地 〒535-0021 大阪市旭区清水3-20-19
■主祭神 八幡大神・春日大神・蛭子大神
■由緒  当社の創立は、天智天皇の頃、藤原氏一族が祖神の春日大神を産土うぶすなとしてお祀りしたことに始まる。足利時代に、融通念仏宗の実尊誠阿上人が襲撃される事件があり、当社に身を隠したところ、当社に火を放たれてしまった。しかし火はすぐに消え、上人は一命をとりとめた。上人は報恩のため、自分の尊崇する男山八幡宮の分霊を当社に勧請した。その後、従来の春日大神を従神とし、八幡大神を主神としてお祀りするようになった。なお、実尊誠阿上人除難の縁により、当神社を「不焼宮やけずのみや」と呼ぶようになったという。境内には不焼稲荷社を奉祀する。

八幡大神宮 拝殿と狛犬

狛犬1

■奉献年 弘化三丙午年八月吉日(1846) 
     願主 黒原村 乾庄右衞門  取次 龍見氏
■石工  大阪西よこぼり 石屋平兵ヱ
■材質  花崗岩
■設置  拝殿前 

弘化3年銘石造狛犬
弘化3年銘石造狛犬
弘化3年銘石造狛犬

台座に「弘化三丙午年八月」(1846)の紀年銘をもつ花崗岩製の狛犬である。もともと彫りが甘いのか、摩耗しているのかわからないが、表情が読み取りにくい。
「大阪西よこぼり 石屋平兵ヱ」という石工銘がある。西横堀の石屋平兵衛の銘がある狛犬は、富田林市と柏原市にもあるが、三者三様の姿をしている。八幡大神宮の狛犬は、太身で短足。体全体がどっしりとしている。顔を参拝者側にひねって向ける。
尻尾は背中に沿うようにして大きく立ち上がる。

弘化3年銘石造狛犬(阿形の尻尾)

吽形の頭上の角があったと思われる場所には穴があいている。

弘化3年銘石造狛犬(吽形)
弘化3年銘石造狛犬(吽形の頭上の穴)

狛犬2

■奉献年 享和三亥九月吉日(1803) 
■作者  大阪北御堂前細工所 大川屋山内□□
■材質  木
■設置  本殿前

本殿前の小型木製狛犬

像高35cmほどの木製の神殿狛犬である。紀年銘と作者については、『狛犬の研究ー大阪府の狛犬』(奈良文化財同好会)によった。写真ではわかりにくいが、阿形は緑、吽形は青で彩色されている。遠目にもかわいい狛犬である。


瓦製狛犬
境内に一体だけ置かれていた瓦製の狛犬。振り返った視線は何を見ているのだろうか。髪型がかわいい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?