日本一売れている「ホンダN-BOX」に乗ってみた!

ここ数年、売上台数ナンバーワンの座にあるホンダN-BOX。

何がそんなに魅力なのだろうと常々思っていた。

たまたま熊本から鹿児島までレンタカーを借りることになり、良い機会なのでN-BOXを借りることにした。

1.前提条件

私個人のマイカーは2011年式フォルクスワーゲンPOLO。(排気量1200CCターボ、95馬力)

仕事で乗る営業車は日産「デイズ」2019年式。(排気量660CC、52馬力、ノンターボ)

今回乗るN-BOXは排気量660CCノンターボの58馬力だ。

POLOと比較するのは酷なので、デイズと比べた印象を主に記したい。

走行条件は、2人乗り、天候は晴れ。

走行道路は、市街地3割、高速道路3割、山岳地帯4割。

2.最初の印象

熊本市内のショップで借り出して走り始める。

なんかポアンポアンした印象。ハイルーフで重心が高いせいか。

ブレーキも効き始めが遅い気がする。

フロントの視界はすこぶる良い。ナビその他の操作系統はすぐに慣れた。

3.乗り降り、積載性

2人分の荷物なので、後席に載せる。スライドドアは使い勝手が良い事に気付いた。ヒンジドアは駐車場で隣の車に当てないように気を遣うが、スライドドアはそれが不要。子育て世代には特に便利だろう。N-BOXに限らず、スライドドア人気の理由が分かった。

トランクはドアが大きく、後方にスペースがないと開閉が難しい。トランクそのものが積載量は少ない。(これはデイズも同様)

座席は高めだが、不都合はない。

4.走行の印象

・市街地はブレーキ操作の感覚がつかめれば何の問題もない。右折左折もしやすい。

アイドリングストップはデイズより自然な挙動で、ストレスがない。

・熊本市内を抜けて、阿蘇方面へ向かう。

上り坂のワインディングロード。多少の坂もグイグイ上る。さすがは58馬力。エンジン音もそれなりに高まるが、うるさくない。

車高は高いが、カーブも不安なく曲がる。よくできた車だ。

ポアンポアン感はあるものの、徐々に慣れてきた。

・阿蘇で一泊後、熊本県南部へ向かうため、高速道路に乗る。

高速走行も全然問題ない。周囲の流れに乗り、時には前車を追い越してみる。エンジンがうなりを上げるが、耳障りではない。余裕すら感じさせる。

(あくまでデイズとの比較。POLOには及ばない)

・熊本南部から一般道の山道で、えびの経由、霧島市へ。

高速道路を使うという選択肢もあったが、地図の上では遠回りに見えたし、先を急ぐ旅でもないので一般道山道を走る。

思ったよりも高低差があり、エンジンをぶん回す。決して速くはないが、意に反して遅すぎる場面もない。

もともと交通量が少ない区間なので、自分のペースで走ることができた。

途中、後続の普通車に道を譲る場面は1度だけだった。

・霧島市から鹿児島市へ高速道路で

この区間は概ね下り坂になるので快調に飛ばす。しかし飛ばしすぎると燃費計の表示が一気に悪化する。

鹿児島市内は普通に渋滞や駐車場待ちがあり、燃費はよくない。

5.燃費

ホンダの公称燃費はWLTCモードで21.2キロ/リットル、JC08モードで27.0である。

今回は1.で述べた割合で、総走行距離466キロ。鹿児島空港前のショップに返却する直前に給油したところ、21.5リットルであった。

平均燃費は約21.7キロ/リットルとなり、WLTCモードを上回った。JCモードの8割程度であり、高速道路や山岳道路でブン回したことを考えると上出来であろう。

6.総評

日常の足として申し分なく、高速道路やワインディングもそれなりにこなす。

スライドドアの便利さ、運転のしやすさ、エンジンパワーは魅力だ。燃費も悪くない。

これは売れるのも頷ける。

デイズと比べるとブレーキが少し心もとないが、慣れれば差し支えない。ファミリー世代には申し分ないクルマだろう。

では今のPOLOの後継にN-BOXを選ぶか?と問われると・・・

それはないかもしれない。

高速道路の追い抜き時の瞬発力、走行時全般の安定感、トランク容量。

それらを補うほどの価格差はないし、年間1万キロも走らないので、燃料代も大してかからない。

しかし総じて良いクルマだ、というのが分かっただけでも今回は大きな収穫だった。