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レッスン21.「武田さんはどういう生き方がしたいの?」

結論。病院を辞めます。社会福祉士の勉強も辞めます。ライター・記者・編集者を再び目指して絶賛転職活動中です。アルバイトでもなんでもやります。お仕事のお誘いお待ちしております。

一段落目で言いたいことはすべて終わるのだけれど、今日はこの結論に行きつくまでの経過をぐだぐだ書いていこうと思う。私の知人、私に興味のある人以外には一切合切どうでもいい文章だが、読んでみようと思われた奇特な方には、ぜひ最後までお付き合いいただきたい。

なぜ病院を辞めるかという話より先に、なぜ病院で働いているか、の話をしなければならない。私は元々、インターネットニュースの記者・編集者として働いていた。その中で昨年、諸々あって体調を崩して数か月ほど仕事を休み、今年の1月から復帰した。

そもそもなぜ体調を崩したかというと、私をかわいがってくれた祖母が他界したり、婿養子だった叔父が親戚や周囲の反対を押し切って結婚しようとして、その愚痴をいろんな方向の人から聞いたりと、まずプライベートがごちゃごちゃ過ぎた。人が一人あの世に行くだけでも悲しいのに、叔父の騒動は本当にやっかいで、親族唯一の若手である私のところに愚痴やら相談やらが集中した。さらにやっかいなことに、相談してくる人たちは「叔父の件は知らないことで通してほしい」という。端的に言ってかなり精神を摩耗した。

加えてつらいことに、ゆくゆくは地元に帰ってきてほしいという両親からのプレッシャーを、前より強く感じるようになった。私は東京でずっと働いていたい人間(だし、今もそうだ)なので、そんなプレッシャーは跳ね返して知らないふりをすればよかったのだけれど、当時仕事がうまくいっていなかった。帰りたくないけど帰らなければならないかもしれない、帰らないと決められるだけの地盤を築けていないことの焦りで、毎日いっぱいいっぱいだった。

ネットニュース業界は、私の観測した範囲だと、独身男性が多い。子育てしながら長くやっていける仕事ではないのかもしれない、と思うと、不安で心臓がぎゅっとなった。そもそもあまり企画を立てられない自分、どう立てたらいいかわからない自分は、周囲の期待を裏切り続けていて、本当はいらない子なんじゃないか、と思いご飯が食べられなくなった。とにかく生きること全部がだめだった。

このごちゃごちゃで心身がぐちゃぐちゃになり、「地元に帰れるような仕事に就かなければ」という発想に至り、「前から興味のあった社会福祉士を目指そう」となり、「そのためには実習が必要だ。実習に理解のある職場を探そう」となって、晴れて今年の5月、資格取得に理解のある病院に就職した。

病院での仕事は、最初「広報業務」と聞いて入ったのだけれど、入ってみると「組織の都合」であっけなく医療事務への配属になった。受付、会計、保険証の確認、処方箋作成、カルテチェック等々、とにかく息つく暇がない。忙しい。心身ともにへとへとになる。加えて職場では、絶えず誰かが誰かの悪口を言っていて、新人いびりの対象になり、そりゃあもちろん仕事を覚えられていない私も悪いのだけれど、まあとにかく息苦しさがはんぱなかった。

それでも資格取得&キャリアを積んで地元に帰らねばという思いで仕事は続けていた。でもある時、耐えられなくなって前職の上司・同僚陣にリモート飲み会をお願いして状況を話した。そこで、直属の上司だった人に問われたのだ。

「武田さんはどういう生き方がしたいの?」

「どうなんでしょうね」と濁した。即答できなかったのは、社会福祉士も病院での仕事も、「地元に帰らなければならないから選んだ」という思いに気付いていたからだと思う。

結局私は、文章を書いて読んでもらうことが好きだったのだ。バタフライエフェクトじゃないけれど、情報を整理・発信することで、もしかしたら世の中が少しでもよい方向に変わるかもしれないという祈りも込めて、記事を作ることが好きだったと気づくまでには一週間かかった。

あと、「実家が東京に来れば介護問題も解決するじゃん。じゃあ私が稼いで首都圏に家を買えばいいじゃん」とポジティブになるのにも一週間かかった。

自分の心に素直になる、というのは難しい。本心じゃないことを本心だと思い込めてしまう賢さが人間にはある。環境に適応するには必要な賢さではあるけれど、少なくとも今回の件については、この力はさっさと放棄すべきだったと思う。

正直、私は自分の書く力が抜きんでているとは思わない。のめり込ませるようなエッセイは書けないし、ネタになるような体験もないし、知りたいことは少しあるけれど好奇心が強いわけでもなければ専門分野がある訳でもない。何が面白がられるのかわからない。触れてきた映画や音楽、本も少ない。ないものだらけで困ってしまう。

でも、それでも私は、ウェブメディアの世界に縋って生きていきたい。ぶっちゃけ言うとライティングも好きだけれど、htmlとcssの勉強をかじっていると、その方面も好きだなと思う。どっちもウェブメディア運営では必要になるものだ。好きなものに縋って生きる人生を私は選びたい。他人の目や家族の目なんてどうでもいい。最初からそれだけのことだったのに、気づくのがどうも遅かった。

元上司にはこんなことも言われた。

「武田さんは清濁併せ呑むんじゃなくて、純粋に生きていきたいって思いが強すぎるんだと思う。このままだと行き着く先は修道女だよ」
「信念の51パーセントくらいできてれば上出来だよ」

なるほどすごい管理職だなと思った。よく見ていてくれたんだな。自覚はある。母にも昔「あんたは天皇でもなんでもないんだから、誰かの役に立たなきゃなんて思わなくていいのよ」と言われたことがあった。きっと私が思っているよりもずっとずっと、本当は人間、自由に自分のために生きていていいのかもしれない。自分の書いた記事が誰の何の役に立つのか自分で判断できなくても構わないのだろう。不安に引きずられて何も書けなくなるよりずっとましだ。

元同僚とは、「好きに楽に生きていきたいね」と言い合った。楽しい企画やアイディアを出せる元同僚も、よく人を見ていて自分のふるまいにも気を付け、ディレクターとしての仕事もきちんとする元上司も、私の憧れの人である。

憧れには近づきたくなる。近づいて同じ立場に立って、対等に仕事の話をできる人間になるにはどのくらいかかるんだろう。そんなことどうでもいい。努力したければすればいいだけの話。この先、ウェブライティングやネットニュース業界がどうなるかなんて知ったこっちゃない。一生グーグルの奴隷として生きていくことが嫌じゃないかと言われたら微妙だけれど、まず、私が仕事にありつけるかどうかも分かってないのだから、目の前にあること、できることから淡々とやり直すしかないのだ。今ここにある「書きたい」「作りたい」だけが本物だ。

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武田茉優です。笑うと目がなくなります。

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見た目も中身も素敵な人になりたい平々凡々な独身OLが、日々トライしてみたことの記録です。

コメント (1)
もっとスチャラカにやらんとあかんね
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