非写真館系カメラマンの集合写真の撮り方メモ
100年ほどの歴史がある魚市場が取り壊されるというので、集合写真(30人ほど)をお願いしてもらえました。
集まってもらって、押すだけと思われがちな集合写真ですが、僕は、何度やっても慣れることはありませんね・・・
じっくり撮りたいぐらいですが、なるべく早く終わらせなければなりません。
なぜなら撮られる側からすると、人の位置などを含めたセッティングに時間がかかるなんてこれっぽっちも思っていませんから(笑。
色々な要素があって、一番難しい部類に入る撮影だと思います。
僕は、写真館などでは経験がありませんので、参考になるかわかりませんが、無事に撮影してきましたので、覚えているうちに撮り方をメモしておきます。
光線状態を選ぶ・順光か逆光か
南北に同じ作りの出入り口がある魚市場の建物。
このどちらかの前で、集合写真を撮ることになります。
(雨天の場合は室内)
ここで、順光側の建物の入り口前で撮るか?
逆光側の建物の入り口の前で撮るか?
先に決めておかなければなりませんでした。
僕は少しだけ迷いましたが、逆光側を選択。
理由は以下の通りです。
順光のデメリット
1)順光側だと、しっかり目を開けられず表情がかたくなる
2)コントラストがつきすぎる
順光のメリット
1)空、背景が綺麗
2)照明なしでもいけるかもしれない
逆光側のメリット
1)コントラストを抑えつつ、立体感を出すことができる
2)ライトでコントロールできる部分がある
逆光のデメリット
1)空が白くなる
2)諸々、失敗のリスク、意識する部分が増える
逆光側では、レンズのハレーション、ストロボの出力不足、ストロボのチャージのタイミングを頭に入れておかなければいけませんが、それでも順光で撮るよりもずいぶん条件が良いと判断しました。
ストロボ
ストロボは、センター一発のつもりでしたが、360w,300w,200w×2を持って行きました。
使ったのはAD200一発(バルブヘッド+リフレクター)でした。
逆光でも、人物も撮るべき建物も同じ逆光状態。
露出をオーバー目にしておけば最低限撮れる。
リスクが増えるのでストロボは極力使いたくなかったのですが、結局、センチュリースタンドにつけてかなり上目から発光させました。
ストロボをかなり上げて不安定なので、スタンドにはウエイトを必ずつけましょう!!
撮影データは、1/160 F8 レンズ40ミリほどで、ストロボ出力1/2でした。
最後の最後、ギリギリまで、ストロボを打つか打たないか迷いましたが、やっぱりメリハリが出て綺麗です。
ストロボをセンター1発で使う場合のデメリット
1)操作することが増えて、ミスの可能性が増える
2)照射ムラが起きる(前後、左右で明るさが変わる、正しく打っていれば、左右の端、最後列に向かうに従って暗くなる)
3)メガネの反射
2)のデメリットは、200wを2発持っているので、ムラが気になるようでしたらセンターから2発外側に向けて発光することで回避可能。
3)メガネは、かなり気をつかいました。
これは、外だったので、可能な限りストロボの高さを上げて発光し、撮る時に『メガネの方は少し顎を引き気味で』の声がけである程度回避できます。
今回は、光量、照射角(上下、左右、ストロボの光がカバーする範囲)が足りたので良かったですが、足りなければ左右にスタンドをおきバーを渡す。
そのバーにストロボ3発ぐらい吊って、極力あげて、画面に入らないギリギリまで左右のスタンドを被写体に近づけていけば、メガネの反射を回避しつつ、光量、照射角の問題も解決できるかもしれません。
並び方
人物の配置は三列に落ち着きました。
本当は、リスクを減らすために2列にしたかったです。なぜ2列の方がリスクが少ないかというと、一列目は椅子に座ってもらうので、二列目の人は、どこにたってもらっても、顔が隠れる心配がなくなる、ビント、ストロボ光の問題がなくなってくるからです。
最前列 椅子12
真ん中 立ち11
最後列 残りの方8〜
撮影
今回は、一人でやりきるつもりでしたが、手伝ってもらって二人で撮影しました。
慣れている人ならいけるかもしれませんが、一人ではかなり厳しいと感じます。
撮影予定時刻前には、すべてセッティングを終え、テスト撮影をしておきました。
テストを繰り返し、メガネの反射、椅子の並びなどチェックし、細々と調整を済ませておきます。
ここで、空舞台を撮っておくと何かと助かります。
(何なら、明るさを変えて撮っておけば青空もはめ込めます)
人が入ったら、すぐに撮って設定の最終確認。
オートフォーカスはOFF。
手ぶれ補正もOFF。
AEB(自動で明るさを変えて数枚撮る機能)もOFF。
OFFにした機能は、後で修正しやすいようにするため。
要するに、全部固定するということ。
三脚必須です!
明るい暗いの調整は、絞りを使わずにシャッタースピードでコントロールします。
ストロボありを撮って、様子を見て、ストロボなしもおさえておきました。
この時も、絞りなどは動かさない。
考え方は色々ありますが、ストロボ光の強さは変えずに一定で通しました。
最後に
色々、大変な現場を踏んできたつもりですが、目つぶりなどもありますし、何度やってもしびれますね。
撮影前の数日間、緊張して過ごしていました。
これを専門にしている写真館のカメラマンって尊敬しちゃいます。
ご協力をいただいた皆さん、ありがとうございました。
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