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INTERVIEW#05 Engineer Career Story 【中津 康宏】

通常のメーカーとは大きく毛色の異なるキャリアを形成するコクヨのエンジニア職メンバー。
本インタビューでは、そんなコクヨのエンジニアに直接キャリアの変遷を聞きながら、成長の過程を徹底解剖。キャリア選び、キャリア形成のヒントがたくさん見えてきました!

中津 康宏(なかつ やすひろ)/グローバルステーショナリー事業 開発本部
大手家電メーカーでデジタルカメラの開発に従事したのち、2013年にコクヨに入社。入社後、針なしステープラーの製品開発を経て「サクサ」等のハサミ製品の開発を担当。
コクヨ初の携帯ハサミ『SAXA POCHE』の開発もリードし、エンジニアとしてのキャリアを広げている。

「自分がその商品を作った」という実感値を求めて

ーーまずは、中津さんのエンジニアとしてのキャリアのはじまりを教えてください。

中津さん:小さい頃からものづくりが好きで、高専から大学に編入し、工学部で機械システム工学を学んでいました。そこから就活をするわけですが、僕が学んでいた機械工学という分野は「潰しが効く」と言われる分野だったこともあり、就活ではかなり業界の選択肢は広いなと感じていました。一般的には、重工・造船・自動車業界などに就職する人が多いのですが、僕はそういった業界にあまり興味が持てなかったんです。

それには大きく2つの理由があるんですが、まず、1つ目は先に挙げた重工・造船・自動車業界などでは、一人のエンジニアとして自分が関われる範囲が凄く狭いということです。自動車で言えば、ずっとハンドルだけを作る、エンジンの一部分だけを作るなど分業制が徹底しすぎていて、成長の幅が狭いと感じました。もっと単純な部分では「飽きてしまいそう」というのもありましたね。

2つ目は「手触り感」の部分です。分業制が徹底されていて、一人の関われる範囲が狭い業界でエンジニアとして働いても、「これは僕が作った、という実感が得られないのでは?」と感じていました。ものづくりが好きでこの世界にいるならば、自分がその商品を作ったという実感値をものづくりの工程で感じられないと、商品が世に出た時も喜びが薄いと考えていました。

自分がハンドリングできる領域を広げる挑戦

ーー1社目ではどんなご経験をされていたのですか?

中津さん:先の理由から一社目は家電メーカーに就職し、デジタルカメラの設計部署に配属されました。入社から3〜4年はデジタルカメラの市場がどんどん伸びている時期で色々な商品の設計に携わることができ、多くの商品を世の中に送り出すことができました。

ーー順風満帆に見えるキャリアですが、なぜ転職を考えたのですか?

中津さん:一番大きな理由は、デジタルカメラ市場そのもののがシュリンクしたのが理由ですね。2012年ごろからスマートフォンの普及が大きく進み、デジタルカメラの需要が減少していました。
そうやって、市場がシュリンクしてくると企業というのは新技術や新機構の開発に投資をしなくなります。そうなると僕自身の仕事も新しい挑戦機会が減ってしまい、なかなか成長が見込めない状況でした。

もう一つは、自分が最初の就活時に考えていた分業制で「自身が関わる範囲の狭いものづくりは嫌だ」という部分が、デジタルカメラの開発でも一緒だったという点ですね。家電メーカーは扱う商品のサイズは小さいですが、非常に社員数が多い会社がほとんどです。そうなると、やはり担当範囲は細分化されてしまいます。自分のキャリアを考えたときに、企画・デザイン・パッケージなど、もっと自分がハンドリングできる領域を広げていかないといけないと思いました。

コクヨとの出会いとぶつかった高い壁

ーーコクヨとの出会いや入社後に自分が成長したと感じた部分があれば教えてください。

中津さん:そもそも、転職活動を始めてからは、なかなか自分のキャリア観とマッチする会社とは出会えず、求人は自動車やPC周辺機器の設計ばかりでした。そんな中で、偶然にもコクヨと出会えたことは、振り返ると本当に幸運だったと思います。

そんな幸運にも恵まれ、入社後は針なしステープラーの製品開発を担当したのですが、ここでの挫折は非常に大きな学びを得ることができました。特に自分の考え方に影響を与えたのは、「コスト意識」ですね。

前職では2007年頃のデジタルカメラ市場が非常に伸びているタイミングでの入社だったので、携わった商品は全て商品化できるような環境でした。一方で、コクヨでのものづくりは、とてもシビアな「コスト意識」が求められます。文具は老若男女が使うものですし、誰もが手に取りやすい価格で提供できる必要があります。メーカーとしては商品の原理ができた後、きちんとビジネスとして成り立つコストを実現していくことで、価値提供が実現できます。また、商品を使う人の幅が広いからこそ、寸法など細かな部分でも、より「人に寄り添った機能美」が求められます。

針なしステープラーの製品開発を担当する中で上記の部分が満たせず、”お蔵入り”した商品もありますが、そういった挫折を経験したことも、自分自身の成長に大きくつながっているなと思います。

コクヨのものづくりの特徴

ーーコクヨのものづくりの特徴について、感じていることがあれば教えてください。

中津さん:コクヨは商品数が非常に多いこともあり、開発者一人ひとりが担当商品を持つことができます。これは自分自身が「ものづくりをしている」という実感が非常に大きいです。一方で、企画〜量産の立ち上げまで一気通貫で担当するため、自分で判断して、自分の意思で業務を進めていかなければなりません。これはとてもハードですが、それ以上にキャリアを拡充するという意味ではとても良い経験だと思います。

ーーコクヨのものづくりの特徴によって、ご自身が成長したと思う具体的なエピソードはありますか?

中津さん:例えば、「SAXA POCHE」の開発では、女子中高生向けの商品ということで、実際に渋谷で女子中高生にインタビューなどを何度も行いながら開発していきました。他の会社では、ユーザー調査の専門部隊があることも多く、開発側は調査チームから提出されるレポートを読むだけで、ユーザーの生の声に触れる機会がないことも多いです。エンジニアとしての技術を軸に置きながら、自らがマーケティング領域の知見を得て、企画〜量産までの展望をつくり上げられるようなキャリアを形成することは、市場の動向に左右されながら、技術者として業界を渡り歩くのではなく、自分のものづくりへの信念を貫いていく助けになると感じています。

中津さんから、就活を頑張るみなさんへ

ーーエンジニアとしてのキャリア選択の一歩目を考えている学生のみなさんへメッセージをお願いします。

中津さん:エンジニアは技術を用いて、無理難題の解決を求められることが多い職業だと思います。そして、その無理難題に答えを出すためには過去・現在含めて誰よりも商品に対して詳しく、考え抜かなければなりません。

だからこそ、周りに流されず、自分が本当に挑戦を楽しめたり、仕事以外でも興味のアンテナを張り続けられるような領域を選ぶことをお勧めします!

無理難題に、楽しく挑める企業を選ぼう

みなさんにとって、コクヨがその場所になれたら嬉しいです。




順風満帆だった家電メーカーでのエンジニアキャリアが、市場動向によって阻まれてしまうなど、貴重な経験を持つ中津さんが、コクヨへの転職により「コスト意識」と「人に寄り添った機能美」の両立を実現することやエンジニアとしての技術を軸に置きながら、自らがマーケティング領域の知見を得て、企画〜量産までの展望をつくり上げられるようなキャリアの実現に向かっているのは、とても嬉しいですね。

技術者として業界を渡り歩くだけではなく、「自分のものづくりの信念を貫くキャリア形成」に必要な環境、挑戦の重要性を教えてくれるインタビューとなりました。

中津さん、ご協力ありがとうございました!(採用チーム 渡邊)


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