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小倉の文学的存在・松本清張

みなさんこんにちは!
小倉活性化プロジェクトの Kokurally です!
毎週月曜日に、小倉の歴史・文学・産業に
関する記事を公開しています。

今回は、実は太宰治と同い年で戦後を象徴する文学的存在、松本清張について紹介していき ます!

1. 松本清張ってどんな人?

松本清張って聞いてピンッ!と来る人もいれば来ない人もいると思います。そこで詳しく も分かりやすい説明をしていきます!松本清張は最初から小説家だったのではなく 40 歳で 懸賞小説に応募して入選したことがきっかけで小説の道に歩みました。

1909 年 福岡県企救板櫃村(現、北九州市小倉南区)に生まれた清張は、小学校高等科を卒 業後は電気器具会社に勤めました。しかし会社は 3 年後に閉鎖されてしまい安月給で残業 の毎日の印刷所に入社、ここでデザインの仕事を覚えます。1936 年 27 歳の時に清張は結 婚をし、朝日新聞九州支社の臨時嘱託に採用されやっと家庭が安定しました。あれ、電気器 具会社に印刷所、新聞社?と思った方いますよね。実は清張は小学校高等科では成績優秀者 でしたが、経済的理由で進学を諦め卒業後は就職することになったのです! 本の世界に没頭したのもこのころからと言われます。

そこから月日は立ち、清張は 2 度も戦争に駆り出され軍隊生活を経験することになります。 戦争がまだあったこの時代、出兵を経験した清張は小説家になってから自伝的小説にてそ の詳細らしいものを書いているそうです。2 度も戦争を経験した清張は戦後、新聞社に戻り ましたが戦争の後というのもあって仕事が全然ないため色んな所で取引を行うアルバイト を始め列車で駆け回ります。そこまでしないと生活が成り立たないからです。ここまでを見 ると清張は本当につらい道のりを歩いているなと感じますね・・・。(; ;) 普通に話を聞いてるとアルバイトで各地を列車で駆け回ったんだ...で終わっちゃいますが この描写を覚えていてほしいです。なぜなのかは次のお話で説明します!

清張はデザインの本業に戻って 2 年後、公募小説の賞金に目を引かれ 40 歳で初めての作品 「西郷札」を書き、なんと入選し直木賞候補にまで選ばれました!一度は聞いたことある直 木賞や芥川賞、候補に選ばれることもすごいことなんですが 清張は 2 年後『或る「小倉日 記」伝』で芥川賞を受賞します。 才能あふれる清張はやはり小倉を代表する文学的存在だといえますね!^^

2. 松本清張と小倉

清張の作品の中には小倉にいた時の経験の描写が書かれているものもあります。それが先 ほど私が覚えていてくださいと言っていた列車の描写です!清張のベストセラー『点と線』『砂の器』などの多くの作品の中で主人公が列車に乗っている情景は、清張の作品の魅力の 1 つとされています。今までの体験が小説の中で生きていますね。 清張は社会派推理小説という新分野を築づいた作家です。
北九州を舞台にした作品が多く あります。
清張が書いた自伝的小説の「半生の記」の中には小倉で過ごしていた生活の様子が当時の風 景と一緒記書かれています。
ここで「半生の記」の一部を紹介します。

「十六から十八までの一ばん感覚の新鮮な時代、暇を見つけては雑読したことが、今日まで はかなり役に立っている」 (『半生の記』より)

小倉での青年時、働きつつも暇を見つけては貸本屋や図書館に頻繁に出入りしていた清張 はこのことを書いているのでしょうね(^ ^)
清張は犯人の明確な動機や心理を描く「社会派推理作家」としても、歴史・時代小説、ノン フィクション作品までと「時代」を意識する作品を多く出しています。芥川賞だけでなく多 くの名だたる賞を受賞しています。ここまでの経過を清張は、小倉で過ごした時代があるか らこその今があると言っています。

清張の作品の特徴キーワードは、「リアリティー」「孤独な人間への優しさ」等があげられま す。作品の中に清張がこれまでに出会った人の多様さ、努力が報われない現実や社会悪など、 清張の体験や実感が多く描かれています。ぜひ作品を読んで探してみてください!
「半生の記」だけでなく「実感的人生論」などからも清張のこれまでの体験が読み取れます!

3. 松本清張記念館

小倉で松本清張について調べたい、どんな所で小説を書いていたのかなと気になった方!

小倉には「松本清張記念館」があります。 ここでは展示品やパネルで清張文学の紹介がされています。推理劇場もあり、現代史ノンフ ィクションの代表作「日本の黒い霧」を題材にされたオリジナルドキュメンタリーを見るこ ともできます。さらに成長が過ごしてきた空間を切り取り再現したものがあります。

清張が どんな所で、どんなものの周りで創作をしていたのか感じて知ることが出来ます! ぜひ訪れて清張のすべてを知っていただきたいなと思います。

みなさん松本清張については、いかがでしたでしょうか? 私も書いていくうちに清張にのめり込むほど彼の一生は深いものだなと知ることが出来ま した。まだ清張については書ききれない話が多くあります。
是非インターネットや図書館、または松本清張記念館に訪れ清張の一生に触れてみません か?清張の本をよんで記念館で「この描写はこの経験からきているのか」と探ってみるのも楽しいですよ!^^


【参考文献・引用記事】
松本清張記念館
https://www.seicho-mm.jp/
北九州市政だより
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/shisei/menu05_0016.html
森鴎外・松本清張 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/kokurakita/file_0096.html
松本清張 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/page/dayori/090515/special/special.html

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