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第4話「銀河鉄道の夜」

“みんなの幸(さいわい)のためならば、
僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない”

星祭の夜、いつのまにかジョバンニは
天の川を走る小さな列車に乗っていた。
前の席には幼なじみのカムパネルラが座っていて
黒曜石でできた地図を眺めている

今、少年たちの星をめぐる物語が 始まる

賢治は、この物語をどんな思いで書いたのだろう
28歳の若者は、37歳で亡くなるまでこの物語を何度も書き直し
推敲を重ねていた

物語の中で、サソリは語る

“ああ、私は今まで いくつのもの命を奪ったかわからない、その私が今度いたちに獲られようとした時はあんなに一生懸命に逃げて、井戸で溺れて行くだけ。どうして私の体をいたちにやらなかったろう。そしたらいたちも一日生きのびたろうに。どうか神様。この次には、まことのみんなの幸のために私のからだをおつかい下さい。”

みんなの幸い 本当の幸いを ジョバンニは見つけられただろうか
賢治の思いを乗せて汽車は行く


銀河鉄道の夜
Nokt de la Galaksia Fervojo

ナレーター&文 佐々木健
※今回はビデオ撮影して1発録りに挑戦しました(YouTubeのみ)
※サソリのセリフは一部読みやすく変更しています


解説

映画の予告編のような感じにしたいなと思った今回。
BGMも効果音も入っていませんが、どうぞ皆様の頭の中で好きな場所で汽笛を鳴らして見てください。
銀河鉄道999も大好きなので、映画版のナレーションのようなイメージでお届け。

銀河鉄道の夜ってどんな話?何が言いたいの?って聞かれたらどう答えるだろう?
友達と一緒に列車に乗って、星々を巡って行く話で、最後はどうなるんだっけ?
という感じかもしれない。
冒頭のジョバンニのセリフもサソリのセリフも自己犠牲の考え方だ。
自分の命よりも世の中の幸いのために生きると。

何が正しいのか永遠に答えは出ないように思う。
だからこそ名作として、美しい物語として世に残っているのかな。

Nokt de la Galaksia Fervojo
これはエスペラント語で、銀河鉄道の夜という意味。

2010年にオーディオブックで銀河鉄道の夜を作りました。友人たちに出演してもらって
完成させました。心を込めて作りました。良かったら聞いていただけると嬉しい。

オーディオブック「銀河鉄道の夜 -Nokt de la Galaksia Fervojo-」

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STORYTELLER BOOK -優しい時間-は、
ナレーター佐々木健が、2-3分ぐらいで聞ける「優しい時間」をお届けしたくて作り始めました。作家さんや一緒に作ってくださる方募集中です。あなたの作った文章を読ませてください。写真や音楽、SE、映像編集、イラスト作成などなど協力してくださる方も募集しています。よろしくお願いします。

佐々木健プロフィール
http://aksent.co.jp/blog/200/post_55.html

ON AIR中のTVCM(2020)
https://youtu.be/e7g6vhAijlM

Spotifyでも配信中
https://open.spotify.com/show/58yuYUiHOgWI7NbClh9KJ4

Apple Podcastでも配信中
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