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母と私〜介護の日常から〜

私が「じゃあ出かけてくるね」と言うと、

「どこへ行くの?」と母。

今日は、この同じ会話の繰り返しを4回ほどしている。


母は、数秒前のことも忘れてしまうことが多い。

その度に、老いるとは、こういうことかと思う。

子どもの立場から、若い頃の親の面影を望み、悲しくもなる。

そしてそういうことが重なると、いい加減にしてよ!と思うこともある。

「何で分かってくれないの?」


距離が近いと、お互いに言い過ぎてしまう。


頭では分かっているのに。

知ってて、そうなるわけじゃないって。

分かっているのに。

言ってしまった自分自身のことも悲しくなる。

優しく接してあげたいと思いながら、日常に心が追われて、自分に余裕がなくなると人を思いやれなくなる。

自分もいつか、通る道なのに。

母は、母の世界の中で生きている。

私が分かっていても、母の世界ではそうとは限らない。

そして、いつかは限りがある。

この一瞬一瞬を、できるだけ、自分のためにも大切にしたい。




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