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ここのね活動報告レポート|2022年1月

ここのねが正式開校して初めて迎える1月。もう1月なのか!という気持ちと、まだ1年経っていないのかと充実さも感じている。

1年前を思い出すと「ここのねゲーム禁止!します。それでもここのねに残りたい人は残ってください!」と保護者会を開いていました。

ここのねが自由だからと6時間の開校時間のほとんどをゲームやデジタルデバイスに使っていた子どもたち、そこには明らかにドヨンとした雰囲気がありました。これは自由を自由に使いこなせていないのではないか?そんな思いから学校説明会の実施を決めたことを今でも鮮明に覚えています。

あれから1年。デジタルデバイスは必要な時に必要な方法で使い、外で走り回ったり、テキストの学習自ら向かったりとここのねは大きく変わりました。

たくさんの笑顔と感動が溢れた1月の活動をさっそく振り返っていきたいと思います。

ここのね校舎改修計画

クラウドファンディングで支援いただいた校舎改修計画。

①校庭の改修計画
②トイレの新設計画
③1F体育館の改修計画

1月は主に、②③のトイレと1階の体育館改装計画について変化がありました。

まずはトイレです。佐伯のイースマイルさんがボランティアで手をあげてくれたのが12月までの出来事でした。何日もかけてトイレの基礎を作ってくれています。

しかし、、、ショッキングなことが起こります。なんと、バイオトイレが置けないのです。下水の関係を市の担当課に確認したところ、ここのねがある地区は上下水道が整備された地域だったため、下水管に繋げなければいけないとのこと。。。トイレと農作物の循環を体験できる形を予定していたので、大きな変更をしなければいけません。

でも…クヨクヨはしていられません…!!!下水道につなげてくれる業者に見積もりを取ると、そんなに難しい工事ではなさそうとのことでした。寒さで外のトイレに行くのが億劫になっており、1日でも早く作業を進めてあげたいところです。

ただ、イースマイルさんもこの時期は忙しいこともあり、なかなか作業に来れないのが現状です。もしこれを読んでいる方で、私たちもいっしょに工事やりますよ!と名乗り出てくださる方がいればとてもありがたいです…!

次は1階の体育館改装計画です。今月は建築家の足立さんがここのねに来校されて、改装計画案を持ってきてくださいました。

舞台を円に作る形

運動の機能はあえて残さず、見てもいいし舞台にもなる円の舞台を作ることで、演技や音楽、ダンスにヨガなど多様な使い方を提案してくれました。

ミニ作業場では木工やミニ料理の作業を想定しているとのこと

いまは活動としてあまりできていない木工もさらに広がるかもしれません。

上から見た図

暗いことが悩みな1F。まずは白に近い塗装をした後、電気を天井に向けて間接照明のような形で明るくするという提案でした。危ない柱には防護マットを巻く予定です。

まだ完成ではありませんが、これをもとにさらに活動が活発になるような提案をしていく予定となっています。

ここのね自由な学校 1月の活動の様子

ここのねのスタートは1月5日から。ここのねのすぐ近くに地域を守ってくれている神社があるので、子どもスタッフ全員でお参りにいくことにしました。

神社の参拝方法をひと通り伝えた後で、それじゃ行こう!と話した瞬間に全速力で頂上までの競走を始める子ども達。今年も一筋縄にはいかないな…!とスタッフは気を引き締めるのでした。

ここのねに帰ったらみんなで書初め。みんなで同じ文字を書くのではなく、自分の目標を一文字に書き連ねていきました。それぞれに自分だけの思いを込めて書く、それをみんなの前で発表する姿に、担当したスタッフななっぺとバンちゃんは「これは良かった!」と手応えを掴んだようだった。

次の日は子どもたちの家族や外部講師のここのねクリエーターさんたちに集まってもらい餅つきをおこないました。お父さんたちの迫力のある餅つきに歓声があがり、わたしもやってみる!とぞくぞくと子どもたちがお餅をぺったんぺったんとその姿にキュンとしてしまいました。

出来上がったお餅は、スーパーボランティアの神ちゃんが作ってくれた鳥汁と一緒にいただきます。しかし、それだけに飽き足らずピザやチョコ味などいろんな変化をさせる子どもたち。そのうち「餅売り商人」を始める子もいて「餅いかがですかー???これ売り切らないといけないんだよなーどうしようかな。食べませんか〜?」となんとも微笑ましい姿もありました。

餅つきの後には、親子協力「風船バレー大会」が開催!

「こっちこっち!もうおかあさん!おとうさんも!」

普段は見れない両親の姿を見て、子ども達も楽しそうです。結果的に優勝は佐伯から通っている内田家でした。なんともお正月の間、毎日のように練習したようで圧巻の勝利でした!

1月は冬入学の子が1人いました。11月に実施したここのねロケット教室のチラシを見てここのねを知ってくれたとのこと。工作と本を読むことが大好きなAちゃん。少しでも早くここのねに慣れるといいな。

ようこそここのねへ!!!

1月の調理実習は異年齢構成で2班に分かれて2週にかけて実施しました。まずは前半のハンバーグチーム。こねこねしながら、ホットプレートで焼いていきます。

「あれ?もしかしたら電気が飛んじゃうかもよ!」
「このホットプレートって何ワットだっけ?」
「ここのねのアンペア数は…」

先日習った、アンペアと電気の関係の授業をさっと思い出す高学年チーム。体験と知識がピタッとあった瞬間でした。

後半のチームは「うどんづくり」に挑戦します。こちらは低学年を中心としたチームだったので、5人分のレシピを見て10人分作るには何倍すればいいのかな?直径30〜40センチに広げるには、直径ってそもそもなに?うどんの太さは5mmにするからと定規で合わせながら長さを測り麺を切ってみたり、さんすうやかずの概念を体験を通しながら学んでいきました。

出来上がったうどんを見て、お店みたい!と声をあげる子ども達。かき揚げや芋の天ぷらは高学年のAくんの十八番です。前日、1時間くらい踏み続けたおかげでとってもコシの強いうどんに出来上がりました。

いまの彼らならゲームを渡しても自由に使いこなすだろう

先日、帰りの根っこ(振り返りの時間)の時に、1年前のここのねの様子を子どもたちに話しました。

「そういえばさ、1年前は学習をするなんて気持ちほどんどなくてさ、ずっとタブレットとかゲームを1日中していたじゃん。」

「えー!そうだったの!」とびっくりする今年度入った新入生。

「そ、そうだね…」と当時から在籍している子どもたちは、なんだか恥ずかしいような気まずいような、でも笑顔で雰囲気はすごく軽い感じでした。

「でもさ、いまでは基礎学習やプロジェクトもどんどんやるじゃん。何がそんなに変わったのかな?」

「まぁ具体的な目標ができたかな。高校も目指しているところがあるし。」
「おれは楽しくなったかな。わかるって楽しいのがわかった。」

「なろほどぉ〜。あの頃とかわったよね〜!でもさ、でもさ、急にゲームとタブレットが禁止になったわけじゃん。最初はキツかったんじゃない?」

「ゲームが禁止になった時は『なんで?』って思ったよ。だって友達を作るツールとして使っていたから。〇〇くんや〇〇さんともゲームで友達になったしさ。」

「確かにそうだよね。友達になるツールとしてすごくいいものだったよね。じゃあさ、いまのメンバーであの時の状況に戻れるとしたら戻りたい?」

「うーん。いまのままでいいかな。」

いろんな葛藤はあったんだろうなぁ、と話を聞きながら感じました。でもいまのみんななら、もしゲームが手元にあったとしても自由に使いこなせるんだろうなと感じます。

彼らは1年を通して「学ぶ」ことに意味を見出し、わかる喜びを知ってしまったのです。

自由とは?自律とは?協働ってなに?学びってどんなこと?ここのねでは親も子もスタッフも全ての人がこれらの問いに自分なりの「こたえ」を出そうと日々過ごしています。

その過程にこそ、とてもとても大事なものが詰まっていると信じて…。

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