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カタカナ三文字のものに救われている【日記】

学校を卒業し、社会に出てからはカタカナ三文字のもの二つに救われている。その二つは僕のことを救うつもりなんてなかっただろうし、この先もそんなことはお構いなしだと思うが、僕は一方的に感謝しているのだ。

■一つはラジオだ。

ラジオが好きだと人前で言うと、渋いっすね〜とか地味だね〜と言われるが、地味でも渋くもないものだと思っている。ラジオと言っても、音楽番組もあればお笑いもあるしニュースもある。ラジオが好きと言うのは、テレビが好き、YouTubeが好きと言ってるのと同じで一つのことを言ってるようで曖昧な表現だ。

ちゃんと答えるならお笑いのラジオが好きなのだ。だいたいの人がラジオ自体に興味がないので、ここまで明確に答えるのが面倒なので人前ではラジオが好きだとぼやかして答えている。

お笑いのラジオにどう救われているのか。それは何も残らないこと、何の意味もないことをふざけながら真剣にやっている心意気に救われるのだ。

好きなハンバーガーは何かと聞かれて、ダブルチーズバーガーと答えるやつは馬鹿だと言い争う。相方の結婚式では居合い切りを披露したい。ラジオブースで陰毛を引き抜く。フランス映画ぐらいの長尺のフリートークをしてグダグダになる。

この全てがお笑いのラジオで実際に起きたことで、どれも何の意味もない。好きなハンバーガーはダブルチーズバーガーでも良いし、居合い切りなんてしてもしなくてもいい。

そんな意味のないことを色んな大人が集まって、ブースの中で話して、それを全国の人が聞いている。くだらないと言われるようなことを作って、聞く人がいると言う部分に救われている。

■もう一つのカタカナ三文字はサウナだ。

ここ2年くらいはサウナにも大いに救われている。これもよくよく考えてみると謎の文化だ。暗い暑い密室に人間が並んで、暑さに耐える。暑くなったかと思えば水風呂に浸かって冷やす。

文字だけで説明してみると怪奇現象である。入らなくてもいい暑い密室に入って耐えて汗を流して、結局は冷やす。じゃあ最初っから暑くするなという話だ。

前にサウナの聖地と言われる熊本県の「湯らっくす」という施設に行ったことがある。熱波師といわれる人が蒸気を起こして、タオルを持って急激にサウナ室内を高温にするというサービスがあり、その時間になると多くの人が集まってくる。

男たちが寿司詰めになって、タオルで扇いでくれるのを暑さに耐えながら待ち、終わった時には拍手が起きる。メタの視点で見ると、こんなに意味のわからない現象はない。

それでもサウナに入ると身体の疲れが取れたり、精神的にも落ち着いたり、悩みが解決することはないけれども吹っ切れたりする時がある。サウナさえ週に何度か入れれば自分は生きていける。そう思うこともあるくらい救われる存在なのだ。

ラジオとサウナ。どちらも意味がないようで、自分にとっては救われる存在である。カタカナ三文字のものが好きなだけなのかも知れない。

<おわり>

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