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雨あがり美術館 作品番号#6 えんとつ兄弟のせいくらべ
ボクのアパートは海の近くの町にあります。海沿いの道のはずれからは、ニューヨーク港に立つ自由の女神だって見えます。
普段は、そんなこと、意識することもありません。だって、我が街サンセット・パークは、潮の香りがしてサーファーもいるようなサザンの湘南とは大分違うのですから。ただ、マンハッタンと水で隔てられているこの地理的状況に、なぜかホッとしている無意識の自分がいる感はあります。
イースト
鉄人の谷 の HEART BEAT
マンハッタン・ブリッジの上を通過する地下鉄の軋んだ金属音に包まれて、ボクは考え始める。今、DUMBOにいる。
薄汚れた銀色の車体から上へ下へと拡散する轟音が、周辺のアパートビルのガラス窓にぶつかって跳ね返り、波打っている。その鉄のパーカッションの響きは意外に安定していて、この街の心臓(ハート)が打ち出す鼓動だと思うのは、ボクだけではないはず。
ここ。
そう、「鉄人の谷」に行くには地下鉄「F」ライ