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地下からKingへ.シンデレラとしての平野紫耀と永瀬廉.

 今や全国区で絶大な人気を誇るKing&Prince .メディアに少しでも触れている日本在住の人なら誰でも,この名前を聞いたことがあるに違いない.ジャニーズのデビューグループの中でとりわけ高い顔面偏差値を誇り,メンバー各々が王(子)様的ルックスを持ち合わせている,そして音痴もいなくて,MC・トークではわちゃわちゃとした関係性を見せてくれるこのグループこそ,世間一般的にみなされるジャニーズの象徴なのであろう.このグループを最近知った人のなかで,もしかすると今から言うことに「知らなかった」と思う方もいるかもしれないが,このグループには2名の元関西ジャニーズJr.が在籍している.それが,平野紫耀と永瀬廉である.

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 関東のジャニーズJr.と比べて関西ジャニーズJr.について新参の方々はどのような印象を持っているのか... 今ではなにわ男子やAぇ!group,Lil かんさいというユニットが結成されており,メディアにも積極的に顔を出している.ちなみに、ボクが高校生のときは,今のジャニーズWESTがまだJr.であり,桐山くんと中間くんはB.A.Dというユニット,重岡くんと藤井くんと神山くんと小瀧くんは7 WESTを結成していた.それと同時に,今回このnoteの主役ともいえる平野紫耀と永瀬廉も当時関西ジャニーズJr.として活動しており,それぞれKin Kanとなにわ皇子というトリオに所属していた.様々なグループを挙げてみたが,今の時代も昔の時代もボクのなかで関西ジャニーズJr.というのは「ジャニーズ界の地下アイドル」であると思っている.それは一体なぜか.

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 そもそも,地下アイドルとは「マスメディアへの露出よりもライブ等を中心に活動するアイドルのこと」とWikiでは定義されているが,その定義は歴史的変遷を辿っているために,定かではない.とはいえ,メジャーアイドルと比較すると,メディアに顔を出す機会は非常に少ないアイドルたちであり,LIVEを中心に活動するという点は揺るがない要素であろう.

 関西ジャニーズJr.もこの地下アイドルの定義に当てはまるのではないだろうか.というのも,ジャニーズJr.がNHKホールでパフォーマンスを披露している姿を放映する「ザ・少年倶楽部」では(今は定かではないです,ごめんなさい)基本的に関東のJr.がメインであり,関西は少しだけの枠,また,年に1−2回だけ関西メインで取り上げられるくらいなのである.ジャニーズJr.はYouTubeにも参入しているが,それは関東Jr.のみであり関西Jr.はまだ関わっていない.関東と比べて抜かれる機会は少ないが,しかし彼らはその分積極的にライブを行う.クリスマスシーズン・年末のLIVEは毎年の定番になっており,年始のコンサートも欠かさず開催し,夏にもLIVEをやり,そして舞台にも出演し,彼らと対面で会うための選択肢はかなり多く存在するのである.

 そのような集団の中に平野紫耀と永瀬廉は在籍していたのである.

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King of 関西/なにわの皇子 から国民的Kingへ 

 先述の通り,平野紫耀はかつてKin Kanというグループで活動し,永瀬廉はなにわ皇子というグループで活動していた.別々のグループではあるが,往往にしていつもこの2つのグループは一緒に活動していたとボクは記憶している.共に活動することも多かったためにKin Kanとなにわ皇子の名前を繋げて「なにきん」と呼ばれていたものだ.こちらも例に洩れず,地下アイドル感は存在していた.

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 というのも,彼らがメインで出演していた「まいど!ジャーニィ〜」という番組(メンバーは変わっているが今も放送中)では,毎回ゲストを呼び,あるテーマについてキンカン交えトークをし,最後にはショータイムと題して先輩の曲をなにきん,またその他の関西ジャニーズJr.を交えて曲を披露する.番組の構成があまりにも定番すぎるというちょっとした安っぽさもたしかに否めないが,ボクがここで注目するのは,そのスタジオの狭さである.トークをする場所とショーを披露する場所は同じ,ただでさえトークするので精一杯な広さのステージで6人,もしくはそれ以上のJr.が歌ったり踊ったりする.また,観客が収容されるスペースを含めたそこの空間はさながらライブハウスのようであり,観客はもうギチギチな状態で番組を観覧する.現・Snow Manのメンバーであり,当時・関西ジャニーズJr./Kin Kanに所属していたMCの向井康二はしばしば「この番組には金がない」といったことを暴露していたものだ.

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 このような「なんとかやっていってる感」の中で紫耀と廉はひたむきに活動していた.そして日に日に関西の若手Jr.から選抜される形で東京へ呼ばれるようになり,そして今は,豪華な衣装を身にまとってKing&PrinceのKingとして華やかに,そして時にはトークでへっぽこさを見せることでファンを楽しませている.衣装も毎度ザ・ジャニーズという感じだ.
 
 けれども,なにきんとして地下アイドルさながらの下積みを経験していたあの時期も全く悪くない.2人は共通して天然要素を持ち合わせているため,今でもそれでオーディエンスを盛り上げたりするが,昔のほうがもっとやばかったのだ.んー,もしかするとこちらのほうが素の着飾らず,カッコ悪いほうの自分をさらけ出せていたかもしれない.今ももちろん素は出しているだろうが,なんというか,King&Princeという綺麗でしなやかな布に包まれた状態で届けられてる感じがして,その雰囲気や空気が彼らの内面性をボカしているのではないかと思ってしまう.

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 もしなにきんとしてデビューしていたらどのような未来があったのだろうと考えると,たしかに色々と思うところはたくさんある.しかしながら,このような地下感から這い上がって這い上がって関西から関東へ進出してきた過程を辿り,彼らが抱えている今までのヒストリーを享受したとき,現代日本のKingから関西の一少年であった彼らを認識し,遠いけど近い,ベールの向こう側にある2人の本質を垣間見ることができるのである.

 まさに,平野紫耀と永瀬廉こそが現代における本物のシンデレラなのである.

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