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森田剛は怖いけど、カッコ/カワいい。

 現代を生きる若者にとってV6の森田剛というアイドルをどう見ているのか.「何とも思ってない」と答える人ももしかしたら多いかもしれないし,「ちょっと怖い感じ?」と答える人も少なくないであろう.

 今でこそV6は個人で活動することの多いグループとしてみることも決して間違いとも言えず,来年は25周年を迎えるとはいいつつも2019年の12月30日現在,目立ったメモリアルイベントを開催する予定も公式に発表されていない.そのため,森田剛のみならずV6についてそこまで認知していない若者が多い気がする.

 ボクはV6のなかでは剛が一番好きだ.ギャップ萌えに弱いボクからして彼の持ち合わせる性質というのはそれこそギャップに溢れていて,一見悪そうイメージを持ち合わせつつも,きちんと「ジャニーズアイドル」をしているんだなと思わせる要素を兼ね揃えているからである.

 今回のnote記事では森田剛のそんなギャップに満ちた性質についてみていきたいと思う.

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森田剛×悪要素

 剛のことをよく知らない人が彼のその外見だけを見ると,「怖そう」であったり「悪人顔」と思う人もそんな多くない気がする.たしかに,顔つきは決して甘い王子様顔かと言われると頷くことを躊躇ってしまう.それはボクも分かる.

 ただ,それは決してネガティブ要素なのではなく,演技や舞台においてその雰囲気が生かされることが多い.

 特に彼がまだ20代の年齢のときは,彼の帯びていた「悪さ」たるものがフィーチャーされていた頃,それが魅力として爆発していた時期が存在していた.その有名どころが2002年に放送された『ランチの女王』であろう.

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 若いジャニーズアイドルは往往にして不良・ヤンキー系ドラマに出演することが多い.『ごくせん』シリーズや『バカレア学園』がその代表例として挙げられる.

 『ごくせん』や『バカレア学園』というドラマはなんというか,ジャニーズアイドルをはじめとした新進気鋭のアイドル・俳優を今後売り出すための布石的要素を帯びているのに対し,この『ランチの女王様』というのはそのような商業的要素を一切排した純粋な月9ドラマであるとボクは見ている.

 彼の役柄は以下の通りである.

矢崎修史
演 - 森田剛(V6)(特別出演 / 第7話 - 第9話・第11話・最終話)
なつみの元彼。麻薬の売人を半殺しにして警察に追われている。不良達から「房総の修史」と呼ばれている。気が短く暴力的な性格で喧嘩に滅法強いが、なつみの幼少時の境遇を知っている唯一の人間であり、本当はなつみ想いで根は優しい。最終話でビーフカツレツを食べに「キッチンマカロニ」へと訪れるが、待ち伏せしていた警官隊によって逮捕される。しかし、その際になつみ、勇二郎、純三郎に「何年でも待っているから、食べに来い」と言われ、初めて他人の優しさと温もりに触れ、涙を流した。

 Wikipediaからの丸々引用で失礼するが,剛の出演は全ての回で出たわけではなく,一部の回においての出演ではあるのだが,かなりおいしい役まわりであることが伺える.

 麻薬の売人を半殺しにするという恐ろしい過去を持っているだけあって,森田演じる修史の様相はとても暴力的で,恐怖さえ覚える雰囲気を帯びている.この役どころをジャニーズ事務所のアイドルが務めているのが,今から考えてもなかなかすごいことであるとボクは思う. 

 彼の「悪人顔」が映像作品に活きた経歴は他にもある.

 最近の作品でいうと「ヒメアノ〜ル』がそれに該当するであろう.彼の演じる森田正一というのはこの作品のなかでいうアナザー主人公のような立ち回りとして振る舞い,サイコパスな殺人鬼として悪役を見事なまでに演じた.

 以下もまたWikipediaからの引用であり,本作における主人公「岡田進」と森田演じるもう一人の主人公「森田正一」についての役柄紹介である.

岡田 進(おかだ すすむ)
主人公。ビルの清掃会社のパートタイマー。25歳。判で押したような何もない日々と孤独に不安と不満を抱いていた。お人よしだが常識的な人物で、時には男らしい一面も見せる。安藤の紹介で阿部ユカを知り、その後彼女が岡田に告白したことで交際を始める。度々安藤にお願いされたり、訳の分からない話を聞かされたりしている。
森田 正一(もりた しょういち)
もう1人の主人公。岡田の元同級生で、少年時代は自宅に招き入れて親しく遊ぶほどの仲だった。普段は無気力でぼんやりしているが、実態は人の首を絞めて殺すことに性的興奮を感じるサイコキラー。高校時代は河島と高橋に酷いいじめを受けていた。カフェで働いているユカを付け狙っている。
原作では生まれながらのサイコパスであり、本人も中学の時にその事を自覚するのだが、映画版では高校時代に受けたイジメと岡田の裏切りとも言える行為が原因で受けた屈辱的な嫌がらせで性格が変貌した事が示唆されている。最後はいずれも逮捕されて終わるのだが、原作では公園で眠っているところを呆気なく捕まるのに対し、映画版では岡田を人質に取り、強奪した車で警官から逃亡する最中に事故を起こして片脚を失う重傷を負ったところを拘束される結末となっている。

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 剛演じる,森田正一は「連続する残忍な無差別殺人事件」・「映画史に残る最凶の殺人鬼」と予告のなかで表現されていることから,現実には考えられないような凶悪的殺人犯の役柄であることが分かる.

 全グループについてボクは一応精通しているつもりではあるが,彼のこのような演技を代替できるジャニーズキャストはいないだろう.

 ジャニーズアイドルの世界においてはネガティブに捉えられがちな剛の「悪人顔」は,作品の中でかなり生かされ,その映画を映えさせていることがわかる.

森田剛×アイドル的要素

 そんな剛も模範的なジャニーズアイドル的要素を持ち合わせている.その一面を見れるのが彼の歌唱・パフォーマンスの場面である.

 ボクが個人的に彼のパフォーマンスに惹かれたのは中学3年生のときであると記憶しているのだが,当時彼のことをよく知らないボクにとって,森田剛というのは怖い存在として捉えられていた.

 しかしながら,V6の曲についてなんとなく興味を持った中学3年生の夏くらいのときに,彼らの楽曲である『will』の冒頭,剛による歌唱を聴いた瞬間に彼の沼へ落ちる.

 彼の「悪人顔」とは裏腹に,声はめちゃくちゃ甘く,中毒性を帯びたフェミニンな声であることに気づくのである.

 歌声のみならず,なんとなくではあるが,ダンスとかダルそうに踊りそうという先入観が働くなかで,彼は繊細にキビキビと一つひとつの動きを細かく体で演出する.

 様々なギャップが働いて彼の歌唱やパフォーマンスの沼に落ちるのである.

 また,まだV6についてよく知らなかった当時のボクからするとかなり意外ではあったのだが,彼は決して身長が高いわけではない.

 公式では164cmと公表されており,身長が高いとされるメンバー(例えば,V6坂本や井ノ原)と並ぶと,その意外な身長差にギャップを感じるのである.

 一見すると,いわゆる「男らしい」性質を持ち合わせている彼をじっくり見てみると,一般的なそれとはかけ離れた身長の低さや声の高さというのが浮き彫りになり,その要素が逆に魅力として当時中学生のボクの中でかなりヒットするのである. 

 彼の容姿のみならず,シンメである三宅健との関係性もまたエモい.彼らが20周年を迎える際に出演した『VS嵐』ではアラフォーではあるが,可愛らしくも少年のような2人の関係性を垣間見ることができた.

 剛についての話題が挙がるなか,比較的おしゃべりで,剛とは真逆の甘いフェイスを持つ健がフォローを入れる.話されている話題が剛についてなのにもかかわらず,「何でもオレに聞いてくれ」と明るく宣言する健の姿を見ると,互いを互いに埋め合わせるという素敵なホモソーシャルな関係性を見れて,彼らの様子を俯瞰で見るだけでなんだか嬉しい気持ちになってくる.

 「こんな関係性を友達の間で作れればいいのにな...」と中学,高校生の間でどれだけ思ったことか,今でもその思い出が想起される.

ボクにとっての森田剛という存在

 剛を見つめていると,従来的なカッコよさとその逆を突くカッコよさに魅了される感覚を覚える.

 ボクは比較的声が高く,昔はそれをコンプレックスに思っていたが,剛の素敵な歌唱を聴いて「声高いのもめっちゃカッコいいじゃん」と思うようになった.

 また,ボクの両親は高身長でありながら,ボクは173-4cmとなんだか微妙な身長で止まってしまったのだが,剛はめちゃくちゃ男らしくカッコいいのに,164cmとそう高くない身長であり,逆にそれに魅力を見出した時は「あれ,もしかして身長って低いほうがカッコいいんじゃね...?」と思うこともあった.

 ボクにとって森田剛という存在は,容姿的なカッコよさの幅を広げてくれた偉大なるアイドルであり,ぜひとももっと今の若者に注目してもらいたいジャニーズアイドルなのである.

 

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