匠真幸希の事件簿 file:6『もう死にたい!悲痛なSOS!』(気の匠が聞いた32年前の心の声)

匠真幸希の事件簿 file:6『もう死にたい!悲痛なSOS!』

(気の匠が聞いた32年前の心の声)

※ 実話を元にプライバシーを考慮した物語です。

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僕の仕事のひとつに「臨床気鑑定士」がある。

僕の聴覚、嗅覚や触覚などの感覚は、
日本人の平均値よりかなり敏感だ。

先日も、某クリニックのドクターの左脳動脈瘤を検知した。

小さいので大した問題ではないと観たが、
念のために脳ドックで検査して頂いたら、結果はズバリだった。

血液の流れ、気の流れで起きる不調を察知したのだが、
左右の顔色や、目の左右差や口角の位置など、
補足情報を総合的に観て結論づけた。

ドクターは、かなり驚かれたようだった。

僕はこの生まれ持った能力で、
クリニックのセラピストさん方の、
”技能チェック”
もしている。

気の質や強さを数値化(点数化)したり、
マニピュレーション(手技)の実力を
何項目にも細分化して点数化するのだ。

もっと直截的に、
クライアントの気の流れや滞り、気の量などを観たり
気の問題を改善する仕事もしている。

ご存知ない方も多いと思うが、
微細な領域では、人に勝る測定器は存在しない。

ごく限られた要素の質量を分析できる「機械」と、
機器が遙か及ばぬ、複雑で微細な要素を感知できる
「人」との違いだ。

ソムリエ・調香師・臭気鑑定士・利き酒師・有能なシェフなどの
嗅覚・味覚・視覚が鋭敏な人は、機械より優秀だから存在し得る。

測定機器では感知不能領域だから、機械による証明は出来ない。

そこで又、
非論理的、情緒的な反論や否定を受けるのだが、
議論はしない。
時間とカロリーの無駄だ。

僕には、標準的な人には見えないものが観えるし、
感じたり、分かったりもするが、
それを証明する気などサラサラ無い。

「信じる」などといった、情緒的な反応も不要だ。
ただ厳然たる事実を見れば良いだけだ。

そんな微細な世界(気)の話をしよう。

例えば僕には、

・病気のサイン

・元気度

・人格

・過去や未来

などが観える。

僕が言う「観える」とは、
物理的に観えたり、
感覚的に感じたり、分かったり
分析的に分かることだ。

僕が観えなかったら、クライアントは来ていない。

クライアントのリピート率の高さが、
観えている傍証とも言えるだろう。

比喩的に言う「心が観える」「目が語る」「体の声を聞く」
というレベルの情報取得は容易い。

だが、比喩的レベルではなく、
実際に「心の声」を聞きとり、
体の声が聞ける人物に出会ったときは かなりの衝撃を受けた。
感心したと言った方が近い。

それが、気の匠:宮成さんだった。

宮成さんは卓越した気の使い手だ。

そして、
某クリニック内トリートメントサロンのマイスターでもある。

そのクリニック・セラピストの採点チェックをする為に
宮成さんの施術を受けた時、

「匠真さん。体が、分からない・・・分からない・・・と言ってますよ」

と言われた。

『常人の心って本当に分からない・・・』

そう思っていた正にそのタイミングだったから
感情が希薄な僕でも衝撃だった。

宮成さんの言葉は、
音源にスピーカーを繋いだら音が出る
という感じだ。

僕の、

「分析で分かる心の声」と、

宮成さんの、

対象にフォーカスしたり、触れただけで、

「勝手に言葉になって出てくる心の声」

の、違いなのだ。

毎回、『まさに!』という核心を突いた
自分の心の声を聞かされる。

ある日のこと。

宮成さんが、僕に緊急セッションを依頼してきた。

「匠真さん、今、私のクライアントのA男さんが来てるんです。
 数回いらしてる55才で独身の方なんですが、
 セッションでお体に触れたら、

(どうしてだ! なぜ俺を困らせる?

 どうしてそんな嫌がらせをするんだ?

 殺される!

 殺されるくらいなら、もう自殺したい!!)

と、心の声が聞こえてきたんです。」

「なにかお困りごとに遭われてるんですか?

と、お訊きしたら、
言いにくそうに話しはしてくれたんですけど、
どうやら私の手に負えない案件なので、
匠真さんのセッションをお勧めしちゃいました♪」

話を振られた僕は、
セッションルームに行き、A男さんと対面した。

いつものことだが、
話す前から、一目で彼のことはほぼ分かった。

だが、分かった事を全部書けば、物語にならない。

それに
クライアントさんにとって、
「聞いてもらった感も大切な要素」なので・・・

『お話は、宮成先生からざっくり聞いていますが、
 直接A男さんの口からお訊かせ下さい。』

とお願いした。

彼は、

自閉症傾向で、目を合わせること無く
か細い声で、下を向いたままポツリポツリと話し始めた。

列挙すると、

・父親が興した不動産仲介、賃貸斡旋の仕事が家業。
 引き継いでいた姉が死去し、それをA男さんが引き継いでいる。

・姉は家賃が払えない方には自分が立て替えて、
 支払い不能になったら自力救済の形で督促していた。

・そのやり方に反社会的組織が嫌がらせしてくる。
 要は、払えない人を助けていては、
 自分たちのような街金に借りにこなくなる。助けるな!ということ。

・車のワイパーを曲げられた。 ※被害届提出済み

・駐車場の門扉を曲げられた。 ※被害届提出済み

・一人暮らしのため、不在時や就寝時に被害に遭うことが多い。

・自宅の庭の枝が度々切り落とされている。

・車で幅寄せされる。

・飲食店の駐車場で対向車がラインオーバーして向かってきた。

・量販店で男が威嚇しつつ向かってきて、直前に別の方角に逸れていく。

・監視されている気がする。

たどたどしいが、どんどん出てくる。

そして、携帯電話で撮影した
ワイパーや門扉の被害、切られた庭木の枝の写真を見せてくれた。

『なぜ、これだけの被害を受けているのに、
 監視カメラを取り付けないのですか?』

「そんなの付けても、奴らにすぐ壊されると思って・・・
 それにカメラに逆上してエスカレートされるのが怖いし…」

『なるほど・・・』

既に被害届を出しているから、
事実確認と、証拠の保全が急務なので、
僕の読みは伝えずに(先入観を避ける)、
弁護士を現地に派遣した。

A男さんの自宅や会社の現場撮影を依頼し、
所轄警察署にも行って調査してもらった。

同時進行で、ネットの賢者に身辺調査を依頼し、
反社会組織の名称や構成員なども洗い出した。

A男さんの身辺は短時間で洗い出された。

地方に飛んだ弁護士も翌々日には戻り、
確認出来ることはおおよそ、
A男さんの話の通りであると報告が来た。

僕は、弁護士が撮影してきれくれた写真や動画をみて、

【ひとつの仮説】

に辿りついた。


事実確認も関係者の身辺調査も終わったので、
僕は、立てた仮説について、宮成さんに確認した。

『A男さんの身体から、女性の声は聞こえませんでしたか?』

「あ~聞こえましたよ♪」

気の匠はいつもの如く、サラっと答えてくれた。

「だいぶ強い想いですし、
 これは長い間、A男さんに想いを寄せていた
 想念エネルギー(気の一種)ですね。

 もう30年くらいになるのかな…。
 ちょっと待ってくださいね…

 うーん・・・
 この悲しみの感じだと…
  30… 32年前ですかね。」

気の匠は、凄いことを事も無げに教えてくれて、
僕の仮説は確信へと変わった。

後日、

気の匠に立ち会ってもらった上で 
A男さんに調査結果をお報せした。

『まず、嫌がらせをしているのは、
 お察しのとおり、反社会的組織です。

 ただ、ホワイトハッカーのネットの賢者にも調べてもらいましたが、

 単なる警告レベルに過ぎず、たまたま顔を合わせたら、
 「脅かしておけ。」
 程度のことです。

 幅寄せや店舗内での威嚇がそれですね。

 ですが、
 これだけ反社会的組織の取り締まりが厳しくなった今、
 ワイパーを曲げたり、門扉を曲げたり程度の器物損壊を、
 わざわざやるとは思えません。

 やるならもっと強烈なことをやる筈です。
 調べたところ、そういう組織でしたから。』

「それじゃあ、ワイパーを曲げたり門を壊したりした人は、
 別にいる・・・ということですか?」

A男さんは懐疑的だった。

僕は続けた。

『僕が、おかしいと思ったのは、見せて頂いたお写真や弁護士の撮影した映像からです。

 門扉を壊すのに道具が使われています。
 恐らく、テコの原理を使う「釘抜」でしょう。

 写真に写っている傷がそれを示しています。

 門扉の曲げられた部分は、
 男性なら手で、楽に曲げられる細さです。
 でも、これは釘抜で曲げている。』

「と、いうことは・・・?」

『はい。犯人は女性です。
 つまり反社会的組織ではありません。

 更にその可能性を高めているのは、
 犯人の身長が150cmに満たないということです。』

「どうしてそんなことが分かるんですか?」

『ワイパーが曲げられたと貴方が気付いた朝、
 ●月▲日は、夜半からまとまった雨でした。

 調査確認しましたから確かです。

 当日の風速は6メートル。

 ガレージは屋根だけのタイプですから、
当日の風向きからも、
 フロントガラスには横殴りの雨粒が付着していた。

 だから貴方は発車前にワイパーを動かし、
 曲げられていることに気づいた。

 でしょう?』

「そのとおりです。」

『車は大型のRV車。

 平均的な背丈の女性にはワイパーまで手が届かない。

 事件当日、ワイパーを曲げられたことに気づいて、
 A男さんが撮影した、この写真をみてください。

 注目すべきは曲げられたワイパー部分ではなくココ、
 タイヤとホイールに靴の後がありますね。

 雨ですから、靴裏についた泥がタイヤにも付着してしまった。

 犯人は、RV車の大きなタイヤに足をかけワイパーを曲げました。

 地面にもあった同一の靴跡から、靴のサイズは21cm~22cm。

 身長は150cm前後・・・と言いたいところですが、
 靴のサイズだけで、身長150cmというには根拠が弱い。
 体格の例外もありますからね。

 そこで、補強資料になるのが、
 切り落とされた枝の写真です。 

 150cm前後の方が、手が届く高さの枝ばかり切られています。

 そして、残っている枝は太い枝が多いから、
 力の弱い女性である可能性は、より高くなります。

 さらに着目すべきは、枝の落ちている位置です。

 石畳の庭の通路と、木の位置関係からいって、
 枝を切り落とせば、木の根元に落ちる筈です。

 この枝が切り落とされていた×月○日は、
 ワイパー被害の日と違い、無風でした。

 と、いうことは、切り落とされ、根元に落ちているべき枝が、
 全て通路に落ちているのは不自然です。』

「と、言うことは?どういうことですか?」

『つまり、犯人は一度根元まで飛んで落ちた枝を、
 わざわざ拾いに行き、通路まで戻り、目立つように置いています。

 お庭の土は固い土質ですが、
 事件当日の写真をよく見れば、
 しっかり往復した足跡が残っています。
ワイパー被害の日に残されたのと一致する足跡です。

 反社会的組織の極端に足の小さな男が、
 わざわざ腰を屈めて、低い位置の細い枝だけを切り落とし、
 根元まで飛んだ枝を、通路まで運んで置いて帰る、
 なんてことしないでしょう。

 勿論状況的な推測に過ぎませんが、
 こういった細かいひとつひとつの事実を
 積み重ねていくと、導きだされる答えは・・・

 被害を与えたいというより、

 注目して欲しい!

 気付いて欲しい!

 という、

 小柄な女性の、大きな心の叫びです。』

呆然とするA男さん。

だが心当たりがなさそうで、肚落ちしていない様子。

(これは未来予測でも分かっていた。)

『A男さん、思い出して頂きたいことがあります。
 
 今から32年前、つまり19●●年、
 ある女性とお別れしませんでしたか?』

「19●●年…

 えっと…23歳だから…

 ・・・あっ!!・・・確かに…

 えっ!?

 でもどうして彼女とのことがあった、
 正確な年のことまで??」

A男さんの口から
当時の恋人B子さんのことが語られる。

二人は愛し合い、結婚を誓いあった仲だった。

だが、地元の不動産を取り仕切る、
A男さんの家庭とB子さんでは
不釣り合いということで、A男さんの家族に、
交際や結婚を猛反対されたそうだ。

立ち合ってもらっていた
宮成さんが優しい口調で、

「A男さんの御身体から聞こえる声は、

(気づいて・・・だから気づいて)

 と、言っています。

 それを私たちは(想い)と呼んでいますが、
 その想い(思念)が、
 A男さんの身体の不調の一因となっています。」

「そんなことが…
 あのB子さんが…」


数日後・・・

A男さんは弁護士と共に、B子さんの自宅を訪ねた。

32年ぶりに対面したB子さんは、両親と死別し、今は実家で一人暮らし。

A男さんに想いを寄せていたB子さんは、未婚を通していた。

B子さんは、

「お久しぶりです。
 弁護士の先生が来られたということは・・・そういうことですよね。
 一緒に警察でもどこへでも行きます。」

と、言ったらしいが、
ひとまずB子さんの家で、話し合いをすることになったそうだ。

ICレコーダーに録音された会話によれば、

B子さんは、32年前、
A男さんと別れることを、
A男さんの家族に強要された。

戸惑い、答えを出せずにいると、
A男さんの今は亡き父親に、門扉を壊され侵入され、
B子さんのお父さんが大切にしていた車のワイパーを曲げられ、
お母さんが大切に育てていた庭の草木を切り落とされたそうだ。

B子さんは、その犯行の一部始終を、二階から見ていた。

でも、地元の名士であったA男さん一家には逆らえない。

B子さんは黙って身を引いた。

B子さんの父親はその後、事故で亡くなり、
後を追うように、お母さんが病で亡くなる際、
B子さんの手を握り、

「A男さんとのこと・・・

 A男さんのお家の方を恐れず、
 結婚を後押ししてあげればよかったね…

 許してね…ごめんね…」

と、言い残し、息を引き取ったそうだ。

それからのB子さんは、

A男さん一家への恨み、

A男さんへの未練、捨てきれぬ想い、

思い出して欲しい、忘れないで欲しい、

そんなほのかな願い。

それらが入交り、半ば混乱しつつ、
A男さんの父と同じ犯行に及んでしまったとのこと。

涙するA男さんの声が聞こえる。

「ごめんなさい。ごめんなさい。・・・」

謝り続けるB子さん。

数分後・・・

A男さんは携帯電話でタクシーを呼んだ。

同席していた弁護士に、それに乗って帰って頂くよう促し、
A男さんはB子さんの自宅に残った。

弁護士がタクシーのリアガラスから見たのは、
A男さんの、涙の跡が残る笑顔だった。


後日、

被害届が取り下げられた連絡を受けた弁護士は、
A男さんの携帯電話にかけたが、繋がらなかったそうだ。

仕方なく、A男さんの事務所に電話をかけると、

「はい!A不動産です!」

電話に出たのは、B子さんの明るい声だった。

The End

Special Thanks: T.A  A.S

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IQ181のギフテッド 生まれもった写真記憶で10万人超の生涯を記憶。統計学、心理学、占星術、観相学等も記憶しそれを元に確実性を極限に高めた鑑定料1分1万円の占いや各能力の数値化を提供。 コンサルタントとしての生涯利益29.2億円←更新中起業からのノウハウをTwitterで公開