匠真幸希の事件簿 file:5『呪われたカップル』 (ネット犯罪 VS ネットの賢者)

匠真幸希の事件簿file:5『呪われたカップル』

(ネット犯罪 VS ネットの賢者)

※ 実話を元にプライバシーを考慮した物語です。

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ネットに関わる事件は、
仮想通貨の流出、誹謗中傷、リベンジポルノ、
ウイルス感染など、
多岐にわたるのは、皆様ご存知のとおり。

かたや、どんな事件解決にもネット情報は不可欠でもある。
ネットの功罪相半ばと言ったところだ。

僕も補足情報を得る際はネットを使っている。

幸いなことに、僕には

ネットの賢者

が、ついている。

そのネットの賢者に

『noteに書いたら、迷惑を掛けないか?』

と相談したら、

「大丈夫!ネット上のことなら大抵は解決出来る。
 ただ、言えないことが殆どだけど大丈夫?」

と了承してくれた。

ネットの賢者は、今後の事件簿でも登場するので、
まずは

”ネットの世界”

について説明したい。

ネットの世界の仕事は、

・SEO(検索サイトで上位表示されるための対策)

・ウイルスによるセキュリティー対策

・ホームページの運営

・誹謗中傷やリベンジポルノなどの対応策

・海外との法的問題の違いの理解や対策

など、多岐にわたり、
分野によって、得手不得手がある。

だから、僕のパートナーであるネットの賢者が、

”日本で何番目の実力”

という評価を出すのは難しい。

言えることは、

彼は

『日本で指折りのホワイトハッカー』

だということだ。

そして、
ネットの賢者は、決して法を犯さない。

その上、ネットの世界に長けた辣腕弁護士が3人付いていて、
脱法リスクを絶対に冒させない。

法を犯せば簡単にできることでも、
ネットの賢者は絶対にしない。
その分、彼の仕事には

工夫が要る。

知恵が要る。

そして
時間もお金も掛かるのだ。

僕が、彼を『ネットの賢者』と呼ぶのはその為だ。

以前、ネットの賢者に対して
中途半端なハッカーが、中傷を書き込んだ事がある。

直ぐさま合法的に身元を割り出し、弁護士達が告訴した。

謝罪は受けたが許すことなく、
法に則り、罪を償わせたことがある。

僕は、その、

”徹底した在り方”

に共感している。
それは、次の被害者を出さない為でもあるからだ。

ネットの賢者は、

技術力
創意工夫
ネットの世界構築をする知恵
徹底した対応力

そして何より、
誇りを持って仕事をしている。

だからこそ、安心して一緒に仕事ができるのだ。

実は、
日本のネットのトップグループと、
アメリカ、インド、中国のトップグループとでは、
草野球と大リーグくらいの差があるらしい。

ネット世界の特殊性は、トップが全てを牛耳るところだ。

例えば武道では、
1番強い達人に対して
2番手以下が束になって掛かれば、
1番強い達人を倒せる可能性がある。

しかし、
ネットの世界ではそういう可能性はゼロだ。
誰もトップには手が出ない世界だそうだ。

いろいろあって、詳しくは言えないのだが、
ネットの賢者は、
僕並みに身辺のセキュリティに気を配っている。

実社会でも、ネットの仮想空間でも、常に危険と隣り合わせだからだ。

ネットの賢者は何もかもが抜きん出ているから尚更だ。

今年、ネット上で
ある評価が最低のマイナス20まで
落ち込んでいた某企業を、
この10ヶ月でマイナス3まで持ち上げた。

対策費用は2,000万円。

この先のブルーオーシャンまで持ち込むのに、
あと1~2年はかかるらしいから料金は1億円は下るまい。

掛けた労力と、得られた結果を考えれば
コストパフォーマンスは安いものだろう。

賢者は、ネット上の管理に毎月数千万円を費やし、
その他の設備に数億円を掛けているのだから。

一匹狼としては、構えもかなりのものだ。

世間のSEOをはじめとするネット対策とはレベルが違うのだが、
手法そのものが、ブラックボックスなので、言えないのがもどかしい。

この言えない話をどう伝えればいいのか?
悩むところだ。

ある ”誹謗中傷&営業妨害” 事件を解決した時も、
合法的に奥の手を駆使して解決していた。

ネット業界の大手企業に不可能と言われてしまった案件にもかかわらず。
それも、わずか1年で。

3ヶ月目くらいから風評被害が極端に少なくなったので、
クライアントは、
「たった3ヶ月で枕を高くして寝られるなんて!」
と、喜んでいたらしい。

そんな賢者がネットを担当し、
僕は、関係者を読み、状況を読み、
未来予測を担当して、相乗効果を生んでいるのだ。


ある日、

ネットの賢者と僕は、
あるシティホテルのラウンジに座っていた。

(今回の依頼は、ネット絡みと察知していた。)

紹介されたクライアントのカップルは、
同じ会社の同僚で、恋人同士だとすぐに分かった。

(分かったことを全部書けば、物語にならない事をご理解頂きたい)

僕は、瞬時に様々な情報を得たが、
まずは話して貰うのが定石だ。

(これは、精神的解決の道筋でもあるから尚のこと)

プライバシーに配慮し、
女性は花子さん、男性は太郎さんとします。

花子さんが話し始めた。

「私達、呪われているか・・・誰かに邪魔されてると思うんです。」

僕の予測した言葉がカップルの口から矢継ぎ早に吐き出される。

・二人は秘密の社内恋愛

(本人達は秘密のつもりでも「色に出にけり我が恋は・・・」だ)

・お互い一人暮らしなので互いの家で会うことが多い。
 どちらの家で会っていても、
 頼んでもいない、ピザや寿司などが届く。

(会っている家や時間が特定されている)

・デートの為に予約した劇団公演のチケットが、キャンセルされていた。

(知りようのない情報が、誰かに漏れている)

・旅行の際、予約した旅館も直前にキャンセルされていて、
 日帰り旅行になってしまった。

 (予定がほぼ把握されている)

・会っていると、二人の携帯に交互に公衆電話から着信が入る。
 出ると、おどろおどろしい低い声で、
「いますぐ別れろ」とボイスチェンジャーで変声された録音がリピートされる。

(二人の携帯番号を把握されている)

・そして、会っていない日は何も起きない。

(完全に二人の予定を掌握されている)

何故会う日が特定されるのか?

あとを付けられているのかと思い、
探偵を雇ってみたが尾行はなかったそうだ。

(尾行で行動を把握しているのではない)

ネットの賢者は、ここまで訊くと、
すぐさま、いくつかの機器を取り出し、
二人の携帯をチェックしたが、怪しい痕跡は何もないそうだ。

(どんな機器かお伝えしたいが、ネット上にはNGとのこと)

PC、タブレットなどのデバイスチェックでもウイルス感染もない。

ネットの賢者が僕を見た。

僕の出番だと目が言ってる。

僕は二人の交際のキッカケを訊いた。
それが糸口だと直感したからだ。

二人は社内恋愛で、

最初、

”社内で使う会社の個人メールアドレス”で、
仕事のやりとりをしている間に、交際に発展したそうだ。

太郎さんがスマホ嫌いでガラケー使用なので、
LINEなどではなく、今でも社内メールでやりとりしてるとのこと。

ここまでで把握できた事は、

・探偵を雇っても、つけられていないことが確定しているから、
 ネット情報(社内メール)が外部に流出している

・ウイルスではない = 不正アクセス

の可能性が高い。

手口やボイスチェンジャーの録音記録の口調から
犯人は、

・仕事関係で彼女と関わりのある男性

・彼女への片思いで犯行に及んでいる

と確信。

ただ、僕にはちょっとした、

引っかかり

があった・・・。


引っかかり

は、ひとまず置いておき、
僕が確信した事をネットの賢者に伝えると、

「花子さん、お昼休みはどこで昼食をとられますか?」

と、賢者は質問を始めた。

「??・・・殆ど社員食堂ですけど・・・最上階にある。」

「自分のデスクでお弁当を食べられるようなことは?」

「ありません。」

「では、PCはどのような状態にして席を離れますか?
 点けたまま?シャットダウン?それとも・・・」

「スリープにしています。」

やはり という表情を浮かべ、賢者はつづけた。

「メールアカウントのパスワードは、誰が何処で保管していますか?」

「それは・・・
 課長のデスクの中だと思います。
 この前、PCを入れ替えた同僚が、課長に引き出しから出してもらってましたから。」

賢者は微かに笑みを浮かべ、

「では、花子さんのPCを今から見にいきましょう!」

言い終える前に、賢者はもう腰をあげていた。


今日は日曜日、
200席以上あるオフィスは静まり返っていた。

彼女のPCの前に、4人が集まり、
賢者は、

「素人がよくやってしまいがちな

 ”落とし穴”

 について、ご説明しますね。

 まず、スリープ状態のPCは、ワンクリックで起動します。
 花子さん、実際に、いつもお昼に行く時みたいにPCを操作してください。」

花子さんは頷くと、スリープキーをクリックした。

画面が暗くなり、PCの音が止まった。

直ぐさま賢者は、マウスをワンクリック。
PCは数秒で起動した。

「起動したら、メールソフトを開き、
詳細設定まで進み、

 【サーバーにメッセージのコピーを置く】

 の項目に、チェックを入れるだけ。

画像1


 ここまで、慣れた人間なら30秒もかかりません。

 たとえ、お昼休みに数人が残っていても、
 この規模の大きさのオフィスですし、
 誰も怪しまないでしょう。

 これで、花子さんがメールの受信を終えても、
 ネット上に同じメールが残ります。

 犯人は、
 花子さんのメールを他のPCなどで見ることができるわけです。」


カップル二人の顔は急速に青ざめていき、

「こんなことだけで…?」

「正確には、まだこの後、犯人のPCにアカウント設定する為に、
 パスワードなどの設定情報が必要です。

 ですが・・・

 課長さんのデスクはどこですか?」

賢者は、花子さんが伝えた課長のデスクまで歩み寄り、

「設定情報は上司のデスクの中で・・・」

引き出しを引きつつ、

「施錠もしてない!

 ですから、社内の人間なら、
 誰でもお二人の語らいを盗み見ることは可能ということです。」

賢者は、アカウント情報が印刷された紙束を、
愕然とする二人を諫めるように、
あえてヒラヒラと揺らしながら、

「道路に面したアパートの1階で、
 ドアの鍵も掛けず外出するようなものですね。
 このように、いとも簡単に本人に気づかれることなくメールは盗み見れます。
 
 闇を知っている僕からすれば、
 この手法だけでなく、他にもイロイロな方法で、
 メールは盗み見られているのが現実です。」

そして、犯人は彼女のPCだけでなく、
太郎さんのPCにも同じ事をしていたことが発覚した。

二人のメールをつぶさに読んでいるのだから、
全行動を把握するのは、造作もない・・・。

その後、
賢者と ”犯人の炙り出し作戦” を練った。

どう考えても社内の人間なので、
社内メールに、

「犯人に告ぐ。
 貴方がこのメールを盗み見ていることを掴んだ。証拠もある。
 〇月〇日、〇時に第〇会議室まで謝罪に来なければ、
   上司に全てを報告する。」

と、花子さんから太郎さんへ送ることにした。

それを犯人は読んでいる。

ある意味ブラフだが、犯人の今までの行動から、必ず出向いてくると予測した。

確信が持てることしか僕はしない。

膨大な情報からの未来予測だから、読みが外れたこともない。

その、犯人を呼び出す方法をカップルに話したとき、
太郎さんの目に浮かんだ、
恐怖や驚愕を僕は見逃さなかった。

秘密

弱み

の、ニオイがした。

花子さん以外の女性のニオイも・・・。

”引っかかり”

の正体はコレ。

二股を掛けている自分のメールを盗み読まれていると知った太郎さんが、
犯人を炙り出すこの作戦に、猛反対したのはその為だった。

当日、予測通り犯人は現れた。

しかし、太郎さんは来なかった。


片思いの犯人は、
恋する女性が弄ばれていることで、
過激な行動に出てしまったという。

彼女を守っているつもりでもあったのだろう。

だが、やったことを正当化は出来ない。

救いは、花子さんが二股を掛けられていたことを知って、
太郎さんとの仲も終わらせることができたこと
だろうか?

かように、ネットの事件は、傍からみると、派手さがない。

だが、実際に被害に遭っている人は、
起きている事もさることながら、
精神的な負担が甚大で、人生を破壊される人も後を絶たない。

理論的には、解決出来ることが多いけれど、
その為の膨大な手間暇と、それに伴うお金が必要になる。

だから

”多くが解決出来ない”

とも言える。

一度、ネットにあげてしまったら、一生消えない。
消せないのだ。

軽い気持ちや書込みが、
とんでもない結果を引き起こすことも多い。

鍵付きのコミュニティー内でも
合法的に中の情報を知ることが出来るのだ。


もとより、
鍵付きの中の仲間と思っている人が、

”その場だけだからと発した貴方の言葉”

を外部で、

・誰かに話さない保証

・誰かに画面コピーを見せない保証

など、何処にもない。

どんなにITやセキュリティーが進化しようとも、

人の口に戸は立てられぬ

のである。

ネットの賢者にとっては、幼稚園レベルのことすら、
一般の人は知らない事が多い。

「もう少し慎重にネットを扱って欲しい」
と話していた。

今回の件も、

高度なテクニックを使う必要がないほど、
単純な素人の犯行だったが、
クライアントにとっては大きなダメージだっただろう。

今後も引き続き、機会があれば、
ネットのリスクについての情報提供をしていきたい。

The End

Special Thanks: T.A  A.S

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