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会計からコンビニ24H問題を考える

最近、コンビニ24H営業に関するニュースもあまり見なくなりましたね。

セブンイレブンはじめコンビニ業界はうまく鎮火したと思いますが、世のコンビニはあの一件以降も変わらず対立を続けています。

なぜ、コンビニの店長と本部の対立が解決しないのでしょうか?  

コンビニ店長がかわいそう!といった感情論や契約の法的問題はさておき、

会計」の観点からこの問題の本質を考えてみたいと思います。

ご存じの通り、フランチャイズのコンビニでは、店長はコンビニの経営を一任され、本部は経営を支援します。支援というのは、広告やシステムの提供を始めとして多岐にわたります。

店長はその対価に「チャージ」という費用を支払っています。

チャージ料=売上総利益×チャージ率43%

チャージ料は上の計算式で計算されますが、ここで着目すべきは「売上総利益」に一定率を乗じている点です。

売上総利益は人件費を使わずに計算されるので、人手不足によって人件費が高騰しても、本部が得るチャージ料は変動しません。また、売上総利益は深夜も営業したほうが当然大きくなりますから、深夜営業を継続すると判断するわけです。

一方で、店長はどうでしょうか?

人手不足により人件費が高騰しても、チャージ料が変わらないので営業利益が減ります。営業しても赤字になると判断した場合、深夜営業は継続しないと判断するわけです。

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この問題は本部が売上総利益、店長が経常利益という別の利益を見て、深夜営業の是非を判断している事に問題の本質があるといえます。

同じコンビニを運営する主体であっても、本部と店長は別の主体です。今回は店長が損をしました。しかし、人件費が下がれば逆に店舗は利益が出ますが、本部は儲かりません。負っているリスクが違うのですから今回のような問題が生じるのは当然です。

かわいそうという意見で一蹴するのではなく会計の知識を持って問題の本質を見つめることが大切だと思います。

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