#18 かくれんぼ

土曜日の午後息子の家族が帰ってきた。真冬なのにはやたとりつは元気だった。「おじいちゃん、鬼ごっこしよう‼」いつも孫が隠れる役、私が鬼の役だ。

「も~~い~~かい」「ま~~だだよ~~」。しばらくすると物置部屋からガシャーンという大きな音が2回ほど聞こえてきた。おもちゃを入れてある段ボールを空っぽにして、それをかぶって隠れようとしていたのだ。段ボールはヤドカリのように小さく動いていた。私は「どこにいるんだろう」と言いながら探すふりをした。最後に「ここかもしれない」と言って段ボールを持ち上げた。中には、りつが隠れていた。大きな段ボールにははやたが隠れていた。

次は、押し入れの中に隠れた。私が引き戸を開けようとしたが開かなかった。押し入れの中から、はやたとりつが協力して戸が開かないように抑えていた。「戸が開かないなあ~~。こまったなあ~~」「そしたら反対の戸を開けようかな~~」と私が言うと、「開けたらあかん」とはやたの声がした。「そしたら違うところをさがすわ」といってしばらくすると、ぞろぞろと二人がでてきて鬼の役の私につかまった。

その後も、ふろ場やソファーの後ろにと、隠れる場所を変えながら私たちのかくれんぼは続いた。台所から「おやつやで~~」と、おばあちゃんの声がした。「は~い」元気な声で二人は走っていった。

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