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サッカーとラグビーの類似性 〜サッカー好きの皆様に向けて〜

 皆様、お久しぶりです。久々にブログ投稿させていただきます。昨今、日本で開催されているラグビーW杯。日本代表の歴史的快挙もあり、かなりの盛り上がりを見せていますね。これまで、ラグビーを全く見てこなかった人もテレビの前や試合会場、パブリックビューイングなどで釘付けになっているのが、個人的にはとても嬉しいです。(高校時代ラグビー部だったため)

 さて、そんなラグビーですが、なんせルールが難しいです。正直経験者でも7、8割しかわかっていなかったりします。もちろんルールを覚えることは、よりラグビーを楽しむことに繋がります。しかしながら、正直ラグビーのルールは説明されただけでは、理解することが難しいものです。そこで、今回は、このブログにてルールではなく、競技性の部分を、サッカーを愛する皆様にお届けできたらなと思い、執筆させていただきます。

 単刀直入に言いますと、サッカーとラグビーはめちゃくちゃ似ています!

 では、具体的にどのように似ているのか、そして逆にどこが違うのか。以下の3つの観点からご説明させていただきます。

1. 4つの局面

 サッカーには大きく分けて4つの局面が存在しますよね。

「アタック」「ディフェンス」「ポジティブトランジション(守から攻に変わる瞬間)」「ネガティブトランジション(攻から守に変わる瞬間)」

 以上の4つに区分できると思います。サッカーにおいてこれらの局面でどのように振る舞うかが、重要になっていて、それが各チームの個性ですよね。「アタック」「ディフェンス」の瞬間がストラクチャーなら、トランジション時はアンストラクチャーな状況になります。

 またこれら4つの局面はそれぞれ連動しています。例えばマンチェスターシティなんかは攻撃時から常にカウンターをケアできるような配置を取っています。またランゲニックライプツィヒは、前線でのハイプレスから奪い取り、即座にカウンターに転じます。これらのチームは、「点を取られないような攻撃」「点を取れるような守備」を行っています。細く戦術分析すると長くなってしまうので、これ以上は説明しませんが、この4つの局面の重要性、相関性はわかっていただけたでしょうか?

 これはラグビーでも全く同じです。ラグビーにもこれら4つの局面が存在し、それらでどう振る舞うかがとても重要になってきます。これは野球やアメリカンフットボールのように攻と守がはっきりと分かれていないことが起因です。例えば、以下の動画を見てみてください。

  このシーンは、日本のポジティブトランジションの意識の高さが産んだトライです。まず、動画には映っていませんが、このシーンは相手のキックを4番トンプソンが相手と競りながらも確実にキャッチしたところから始まります。五分五分なボールを確実にキャッチしたことでマイボールになり、スムーズに攻撃に転じることが出来ました。その後空いている外のスペースに展開し、慌ててスペースを埋めにきた🏴10番の空けたスペースに13番ラファエレからキックで11番福岡のトライとなりました。素早く、空いている外に展開できたのは日本の選手にキックバックが早く、数多くの選手がオプションになることが出来たため、外に回せたのです。

 今大会の日本の強みは、豊富な運動量によって為される「ディフェンス」、そして「ネガティブ・ポジティブトランジション」なのです。

2. スペースの活用

 続いて、スペースの活用についてです。これはサッカーにおいてもラグビーにおいてもとても重要なことです。

如何にしてスペースを作り、スペースを使うか。

 スペースがなければどんなにいい選手だって、仕事は出来ません。サッカー的に言えば、質的優位を発揮するための位置的優位でしょうか。だからこそ、ペップは「ボールホルダーが必ず1人以上引きつけてからパスを出すこと」を原則としてます。スペースを作るために斜めに走ったり、5レーンの原則が出来たりするのです。

 そして、これもラグビーと共通してきます。ラグビーでは、DFは横1列に並んでいます。基本的には外側にスペースは少ないです。(あるにはあるが)そして、その少ないスペースはなかなか使えません。なぜかというとサッカーのように、速いボールでパス出来ないからです。キックは対空時間が長いためスライドが間に合ってしまいますし、パスは手で放るため無理があります。

 そのため、体の大きなFWと呼ばれる選手が近場でクラッシュしたり、パスを受けるフリをしてダミーになったりして、外側のランニングが得意な選手にスペースを広げてあげてるのです。

 つまり裏を返すと、DF側はタックルしても起き上がりDFラインに並べば崩されることはあまりありません。もちろん、これを80分やるとなるとしんどいですし、相当の運動量が求められます。この運動量の部分が日本の強さの真骨頂です。

3. サッカーとラグビーの違うところ

 さて、ここまでサッカーとラグビーの共通点を挙げてまいりました。サッカーとラグビーは競技の性質上すごく良く似ています。一方で、当然のことながら違う部分もあります。

 例えば、サッカーはボールより前に人がいても問題ありません。しかしラグビーはボールより前にいるプレイヤーはなにも出来ません。だから、ラグビーのDFは1列に並んでいるのです。となると大きく前進することは難しいです。なので、自陣にいる時の多くはキックで相手にボールを渡してでも陣地を取りに行きます。

 ラグビーはいわば陣取り合戦なのです。

 またこれは、先程も述べましたが、ラグビーは高速で展開することがとても難しいです。基本的にボールスピードと人のスピードに差があまりありません。一方でサッカーはボールスピードのが圧倒的に速いです。だからこそ、ぱっと見の展開は全然違うスポーツなのです。

 サッカーをよく見てる方からすると、

「なんで空いてるのにそこにボールを運ばないの?」

なんでシーンが多々あるかもしれませんが、それはボールスピードが、原因なのです。

4. まとめ

 ここまで、サッカーとラグビーについてダラダラと記してきました。全然違うスポーツに見えて、案外共通点の多いスポーツ同士ですので、サッカーが好きな皆様も、逆にラグビーが好きな方々もそういった視点で見てもらえたら嬉しいです。

 折角のW杯、キャッチコピーにもあるように

4年に一度じゃなくて、一生に一度です。

 このブログを読んで、少しでも楽しく見ていただき、興味を持っていただけたら幸いです。

 みんなで、楽しみましょう!(スパーズは勝て)