ただ猫になった。現代詩。

ただ

ねこになった。

ただ

ねこになった。

たぶん

それだけなんだろう。

あがいたところで

ねこだ。

呻いたところで

ねこだ。

それは

かわらない

事実だろう。

もとは

人間だった。

たぶん

そう思う。

そう

勘違いしてるだけかな。

ねこなのに。

人間の頃

どうだっけな

幸せだったかな。

自営業だった気がする。

結婚して

子供もいた気がする。

幸せだった気がする。

ずっと

ずっと

仕事してた気がする。

ずっと

ずっと

仕事してた気がする。

それでも

幸せだった気がする。

今は

猫だ。

仕事は

なんだ。

猫はどう生きるのが

正しいのか。

生産性はあるのか。

もうたぶん

よくわからない。

猫だしね。

たぶん

記憶が曖昧に

なっていく

もう

たぶん

本当の意味で

猫になっていく。

それが

正しい。

考える必要はない。

ただ

猫として

まっとうしよう。

ねことして

いきる。

ただ

それだけ。