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「履歴書の空白」には、クレヨンで花を描く。

私はこの机の上に立ち、思い出す。常に物事は別の視点で見なければならないことを! ほら、ここからは世界がまったく違って見える。

映画『いまを生きる』で、ロビン・ウィリアムズ演じるキーティング先生は、授業中に突然机の上に立ち、学校の規律に縛られている生徒たちにこう語りかける。

最近、「履歴書の空白」についてよく考えるのだけど、「履歴書の空白」についても、キーティング先生のように「別の視点」で見ると世界がまったく違って見えてくる。


たとえば、「履歴書の空白」なんていうものが客観的に存在するわけじゃない、と考えてみるとどうだろう。

社会学に、「社会構築主義」という考え方がある。

「社会構築主義」では、現実に存在していると考えられる対象や現象は、客観的に存在しているのではなく、人々の関係によって社会的につくられていると考える。いいかえれば、すべてのものごとは、僕らが語ることによってつくられる「物語」である、とも言える。

この考え方にそって、「履歴書の空白」は客観的に存在するのではなく、人々が関係しあうことによって社会的につくられている物語だと考えてみよう。

たとえば、「新卒で就職せずにプラプラしていると、履歴書に空白ができる」という語りがなされることで、「履歴書の空白」という事実が生まれる。

でも仮に、「新卒で就職せずにプラプラすることは人生を豊かにする、意味のある時期だ」という語りがなされるとしたら、それまで「履歴書の空白」とされていた時期は空白ではなく、むしろその人の人生をあらわす大事な時期になる。

こんなふうに、「履歴書の空白」は客観的に存在するわけじゃない。そうではなく、人々が語りあうことによって、社会的につくられている物語なのだ。

そうであれば、「履歴書の空白=ネガティブなこと」というイメージも、僕らは”語りなおし”によって塗りかえていくことができる。

キーティング先生なら、履歴書の空白にクレヨンで花や蝶々を描いて、「常に物事は別の視点で見なければならない!」と僕たちを諭すかもしれない。

現在は、”「履歴書の空白=ネガティブなこと」という物語が主流になっていて、その物語に押しつぶされそうになっている人がたくさんいる(僕もそうだった)。

だからこそ、「履歴書の空白=隠されるべき、ネガティブな時期」という物語から、「履歴書の空白=語られてもいい、人生が発酵する時期」というような物語への”語りなおし”をしていきたいのだ。

近ごろは、たくさんの方が「履歴書の空白」の語り直しをしはじめている気がする。


こんなふうな、「履歴書の空白」についての語り直しがどんどん増えていったらいいし、僕はそういう語り直しの場を増やしていきたい。最近ではいろんなイベントの機会をもらえて嬉しいです。興味がある方は是非、「履歴書の空白」について語りましょう。

まるで履歴書の空白にクレヨンで花を描くみたいに、たのしくできたらいいと思ってます。

お知らせ

「履歴書の空白」について、12月11日に「履歴書の空白について話そう! サポステ生会議」というイベントを開催します。イベントの様子は、ニコニコ生放送でも配信する予定。

履歴書の空白を乗り越えた若者たちや、現在でもなかなか次への一歩が踏み出せていない若者たちと、アイドルになる前にひきこもり経験のあったタレントの最上もがさん、サポステスタッフなどの支援者が、ニコ生上で対話をするイベントです。

働くことに悩みを抱えている若者のみなさんや、そんな若者を支えたいと思っているみなさんは、私たちと一緒に「履歴書の空白」のことについて考えてみませんか?


■イベント名
履歴書の空白について話そう! サポステ生会議

■日時
2019年12月11日(水)
19:00-20:30(18:30受付開始)

■場所
Impact HUB Tokyo
〒153-0063
東京都目黒区目黒2-11-3 印刷工場1階

■内容
・履歴書の空白トーク(最上もがさん×サポステスタッフ)
・「履歴書の空白」経験のご紹介
・サポステの紹介
・サポステ生相談
※内容が変更される可能性もあります。

■ゲスト
・最上もが さん(タレント)
・サポステ相談員 他

■モデレーター
・山田英治 (社会の広告社)

■イベントの対象
・働くことに悩みを抱えている、15歳~39歳までの若者
・そんな若者を支えたいと思っている、家族や友人など
・かつて「履歴書の空白」があった方、また「履歴書の空白」というテーマに興味がある方

■定員
先着50名

■参加費
無料

■申し込み方法
peatixのイベントページからお申し込みください。当日会場での受付はできませんので、ご注意ください。
https://saposute.peatix.com/

■主催者
主催:社会の広告社
協力:厚生労働省
企画・運営:NPO法人グリーンズ


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