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パニック発作とわたし

実は僕、映画館が苦手である。

ただし、映画は好きなのだ。そんな、「ラーメンは好きだけど、ラーメン屋は苦手」みたいなことがあるのか?と思われるかもしれないが、あるのである。

たまには映画館も行くにはいくのだけど、条件がある。
それは、「なるべく通路側の席をとること」。いいかえると、「いつでも逃げ出せる状況でいること」。

というのも、パニック発作の症状があるからだ。

パニック発作は、「不意に出現する自制心を失いそうな、あるいは死ぬのではないかといった激しい恐怖感と、動悸、発汗、ふるえ、息苦しさ、胸痛、悪心、めまい、寒気、火照り、感覚異常といった身体症状で構成」される。(引用:「パニック障害(その1) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科 精神科 - 杉浦こころのクリニック」

僕の場合、20代のなかばにパニック障害を発症した。大学院の発表の際などに、心臓がドキドキして、汗が噴き出して、その場にいられないような恐怖感を感じるようになって、だんだん電車も怖くなり、しまいには自宅のベッドでも発作が起きることもあった。

今でも、密室がこわい。パニック発作には、「そこから逃れられない、あるいは助けが得られないような場所や状況を恐れ、避ける」という「広場恐怖」の症状があって、それが今も尾をひいている。(実際にそのような状況に置かれると、発作が起きるときがある)

けれど、今ではだいぶ生きやすくなってきた。「克服した」っていうよりは、「付き合っていけるようになった」という感じだ。たとえば、映画館のような密室だとやばいので、いつでも抜け出せるように通路側の席をとる。それでもやばくなったら、寝てしまう。

実際に、僕が好きなスターウォーズの新作を映画館に観に行ったとき、あろうことが発作が起きてしまった。やばい!ということで、僕がとった行動は、「とにかくなんとかして寝る!」ということ。待ち侘びたスターウォーズの大事なシーンを、自ら見逃すなんて言語道断!なのだが、背に腹は変えられない。僕はなんとかかんとか寝て、ことなきを得た(もちろん、ストーリーはとんでしまった)。

そういう、ちょっとしたことの積みかさねで、パニック発作と付き合っている。

社会不安障害やパニック発作の症状の話をすると「そんなふうに見えない」と言われる。そうだよねぇ。「そんなふうに見えない」生きづらさを抱えている人はきっと僕だけじゃないんだろうな。ギブミー想像力である。

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