あの頃立てなかった打席に立つ【9/9】

夕方に飲んだ珈琲が効いてしまったのか、夜なかなか寝つけず。7:30くらいに起きたものの、なんだかぼーっとする。大事なアポがある日なのだけどなー、と思いながらサンドイッチとアロエヨーグルトを食べる。

午前は原稿書き。「自分の文章、なんてつまらないんだろう…」と、不安になって筆がすすまない期間がしばらく続いてたのだが、今日原稿書いてて、これまでとはまったくちがうものが書けた。自分はこんな文章も書けるのかと。視界がぱーっとひらけた感じでうれしい。

1本オンラインの打ち合わせをしたあと、神保町へ。藤原印刷で自費出版の本のうちあわせ。先日、本に関するイベントで藤原兄弟のおふたりとたまたまお会いし、弟の章次さんに散歩本の構想を話したところ、相談にのってくれることに。ありがたい。

会議室で1時間半ほど話す。漠然とした本の構想にも真剣なまなざしで耳を傾けてくださり、「それだったら、中身はモノクロ、サイズはこれくらいがいいと思いますよ」などなど、アドバイスをくれた。自分の頭の中にしかなかったアイデアの岩が、こうして誰かに話すことで、ごろりところがりはじめた感じ。自分の力だけではない力学がはたらきはじめたことを、よろこばしく感じる。

新宿に移動し、小田急百貨店の1階にある喫茶店「ピース」へ。いまどきめずらしく完全喫煙の純喫茶で、煙が充満していた。店内にはタバコの煙をくゆらせながらパソコンをいじる人、雑談をする人、新聞を読む人。

しばらくすると打ち合わせの相手の方が到着。今度は商業出版のための打ち合わせ。というか、僕から企画を提案させてもらった。出版決定、なんて都合よく話はすすむわけもなく、けれどとてもヒントになるようなアドバイスをもらえた。店から出るとTシャツはすっかりヤニくさくなっていた。

さすがに疲れて帰りの電車ではうとうと。しかし、何度も打席に立っているな。かつてなら失敗を恐れて立ちもしなかった打席に、一日で何度も。小学生のころ、勇気がなくて立てなかったバッターボックスに、25年越しに立てるようになった。そんな気がしてる。

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