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シェア里山とは

先週FBに書いたインプットシリーズがシェア里山の定義について結果的に考えたことになったので、まとめて整理しました。

萌芽更新とSDGs

石油が普及する以前の里山は燃料を薪や炭に頼っていました。ただ、ところ構わず伐採すると、すぐに山は丸裸。持続的に利用するための仕組みが必要でした。

そのひとつの解決方法が萌芽更新。薪で使うような広葉樹の多くが伐採をした切り株の脇から新しい枝が生えてきます。初めは細い枝も10、20年すると薪で使いやすい太さの木が何本も取れるようになります。昔は年を変えて採取する場所、休ませる場所、育てる場所などで分けて、持続的に利用できるようにしていました。

昔は暮らすために10、20年先を見据えて持続的に環境を利用することが必須でした。いま流行りのSDGsも目標として掲げることに加えて、生活に密接したところに落とし込む仕組みが必要と感じます。

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先駆性植物と対比

植物の種類の移り変わり(遷移)の話。日当たりが良くて貧栄養な土地には先駆性植物(≒陽樹)が生えて、だんだん地面が暗くなって先駆性植物の落ち葉が腐って腐葉土になり、栄養価が高くなって、最後には極相植物(≒陰樹)が成立します。

陽樹が光を求める力は強くて、昨年の台風で倒れた山の倒木跡にはたくさんのカラスザンショウやアカメガシワなどの先駆性植物が繁茂しました。ある程度育って日陰ができるようになると、スダジイを主体とした陰樹に置き換わってくると予想できます。

「陽」樹と「陰」樹は対比関係にありますが、さらに別角度ー里山読書会で扱った「縁」と「時間」ーに当てはめて考えると、陽樹は無縁・聖なる時間、陰樹は有縁・俗なる時間と捉えることができそうです。

重要なのは、いずれも表裏一体なのでどちらが正しいという話では無いことと、どちらかが継続し続けることは無くて交互に現れること。極相植物も何らかの事象で個体が不在になった際には(マテバシイ林のカシノナガキクイムシによる枯死など)、すぐに先駆性植物が林床に繁茂します。

個人的な生き方としては陽樹派ですが、地域で何かおこすなら、陰樹を目指すべきと考えてます。ただ、昔の里山は陰樹を陽樹のように(薪の利用のため短期スパンでの伐採)扱っていた背景があるため、生き方的には陰樹を目指しつつも、陽樹を受け入れる環境も同時に作りたいと思います。

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指数関数的な増加と生態系バランス

台風で陰樹が倒れると、今まで樹冠を覆っていたところに穴が開き(ギャップ)、陽の光が林床へ届くようになります。

陽が当たるとまず出てくるのは陽樹。大好きな陽の光というエネルギーがあるので、十分に活用しようと指数関数的に増えます。埋土種子が一斉に発芽して林床一面を覆った後、生育の早い個体が生き残り成長し、ある一定のところで落ち着いて行きます。

ヤマナハウス裏山で増えた陽樹のカラスザンショウも次の段階へ進んでいました。白くてフワフワした虫(ヨコバイ?)が茎にビッシリ付いて養分を吸ってます。指数関数的な増加をした種類(カラスザンショウ)自体をエネルギーとして利用できる種類(ヨコバイ?)が現れたとき、一転して今度は利用される側に回ります。

この仕組みが生態系バランスです。これから裏山で起こる変化はもっと複雑で多様な種類が絡み合うと思いますが、興味は尽きません(。-∀-)

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農園はじめと置き換え

里山暮らしには農園がセット。ヤマナハウスにも農園を作る計画がスタートしました。

大紺屋農園の足達さんに教えていただき、失敗を繰り返しながら徐々に人並みな農園に近付いて行っています。やればやるほど、農家さんのすごさに気付かされます。たった一つの種が大きな木になって数年後に収穫できるという事実がすごいです。

まだスタートラインなのですが、教えてもらった手順を書いたら、ビジネスに置き換えられることもあったので整理しました。

・土壌調査 → 市場調査。その土地に合った商売は?
・土作り → 商売ができる土壌を作る。
・種蒔き → ビジネスのネタに関わる。
・水やり → 上記に関わる時間を増やす。
・肥料やり → 上記に投資する。
・剪定 → 伸びる分野は残して、派生した分野を剪定する。

ここで重要なのは、剪定した後の枝もまだ根を張る可能性を持っているということ。自分から見て「土ができていない」土地でも、剪定した枝を植えてみる価値はあると思いました。逆に土壌ができてない状態で種を蒔いて生えてこないことも多々あります。ビジネスチャンスがあったとしても、文化が無ければ枯れる可能性も高いと言うことかなと感じました。

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協力プレイとシェア里山

ヤマナハウスのメンバーは、多様な知識・技術を持っていますが(たぶん数値化すると面白い)、活動の軸は基本的に「協力プレイ」です。「〇〇をやりたい」というミッションがあって、そこで力を発揮できる人がリーダー+メンバー数名で対応といった感じです。〇〇の部分も関わる人によって異なるので、そのときどきで形を変えます。

やり始めた農園は自分がメンバー内でのリーダーですが、もちろん農業はやったことないので、そこは専門家の指導を乞います。薄々感づいている方もいらっしゃるかと思いますが、自分は基本的に生活力が人並み以下なので、日々失敗しながら学んでいます。ポジティブに言うと、やることなすこと何でもインプット状態です。

シェア里山ヤマナハウスのコンセプトは、未完成の里山。むしろ、完成した里山という表現はあり得なくて、時代のニーズに合わせて常に変化すべきなのが本来なのかと思います。

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館山市地域おこし協力隊。合同会社アルコ代表。1983年2月仙台市生まれ。専門学校卒業後、国立公園で2年、自然環境調査会社で11年勤める。残りの人生は安房地域のために捧げたいと考えて独立。里山生態師。
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