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坂の上の雲【2013年12月2日】

気づけば冬です。もう師走。

今年の目標は「挑戦」だったわけですが、個人的には挑戦的にすごせたなぁと。

あと一ヶ月あるけど。笑


11月から日本酒の造りが始まってビールからは完全に遠ざかっている。

今年はとりあえず日本酒真剣に造ろうと思います。

ビールとは比較にならないほど複雑な工程で、より繊細な技術と感覚と管理が必要なんだなぁ。

これはこれで、ビール造りに何か活かせるような気もする。

醸造の世界でしっかり技術を持ってる人ってバイオ業界にいた人が多いような。


そしていきなり麹担当になって、

週2~3日は泊り込みで麹の温度管理をするこの冬。

拘束時間長いけど、空き時間もそこそこあるので、

ビール醸造技術の業界専門書とか読み漁ろう。

それをブログにしようと思います。

というわけで、今更ながら司馬遼太郎の坂の上の雲を読む。

いまさらっていうのは、まぁとある会社の必読書だったからなんですが、

必読する必要もなくなってから読みましたわけで。笑

ちょうど長編歴史小説読みたかったからでした。


ウィキより抜粋↓

『坂の上の雲』とは、封建の世から目覚めたばかりの日本が、

登って行けばやがてはそこに手が届くと思い登って行った近代国家や列強というものを

「坂の上の雲」に例えた、切なさのこもった題名である。


帯には

「明治」という時代を描く壮大な叙事詩

「日本人」とは何か

とある。

全6巻でなかなか重くて、

前半の正岡子規が没するまでのくだりはもやっとして

日露戦争が始まっていく後半はけっこう入り込んで読み進んだ。

読み物としての感想は、やっぱ名著だけにいいなぁという感じ。


で、ここで考えたいのは、なぜこれを一企業が社員の必読書としたのかってことにしようと思います。


①明治維新で、世界に類を見ないほど短期間で近代化した新興国が当時の日本。

これをベンチャー企業の成功と見て、一代でグローバル企業に成長した自社の成長との共通点を見つける。


②国力が乏しく、借金をしてまで戦争をした日本。

巨大なロシア帝国を相手に、少ない兵と限りある資金、物資でも、戦略と技術、努力しだいで勝利する。。

創業時の企業にとって、知恵と努力で資金力のなさをカバーする。工夫が大事。

既存のものに頼らず、常に新たな理論や技術を積極的に取り入れる、自社で開発する。


③統帥のリーダーシップ

ロシア軍のリーダーは皇帝。専制主義はリーダーが愚者だった場合悲劇を生む。

日本は天皇がいながら、政治や軍事は国民が決める。

一人のワンマン社長に頼ってトップダウンだけの組織を組むよりも、

従業員一同が自ら考えて行動できる集団にすれば、トップが不在となっても強い組織を組める。

リーダーは、優秀な部下が自由に行動できるように場を整え、任せる。責任は持つ。


④武士道

明治時代の軍人の最後の武士としての信念。

自己を犠牲にして人を助ける。


⑤戦いは準備と日頃の訓練によって勝つ

日本海海戦は周到な戦略準備と、完璧な艦隊運動、射距離を統一する砲火指揮の訓練によって世界の海戦史に類を見ないほどの大勝を得た。

考え抜かれた戦略戦術と、それを可能にする技術の向上が必須。


⑥情報を制する

戦いにおいて情報を十分に得ることで戦略戦術の精度が上がる。

騎兵の索敵行動は現地において。

バルチック艦隊が極東まで遠征する間の情報も同盟国から得ていた。

ロシア帝国を内部から圧するために、ロシアにおいて反政府グループの革命活動を援助した。

奉天会戦の後、ほとんど体力を失った日本陸軍は大勢が有利にあるうちに講和に持ち込むべく、アメリカへ仲介してもらうよう働きかけた。


⑦トップの私欲のためには部下は働かない

ロシアが大軍であったのに負けたのは、戦争の目的がロシアは皇帝の私的野望のためであったのに対し、日本は国家存亡の危機にあった祖国防衛戦争のために国民が立ち上がったためであった。

人々を巻き込んでモチベーションを保つには、大儀やヴィジョンが必要で、

強いリーダーシップにはそれが不可欠。

などなどといったところでしょうか。。


企業が必読書として読ませることを思うとどうしても組織論的な意味合いで見ちゃいますね。

作品としてはもっと、文学的にも歴史的にも軍記としてもおもしろいものなんだろうけど。

自分としては、新興国のベンチャースピリッツで、官僚化した大企業に挑む、

っていう見方にするのがしっくりきます。


そして、日露戦争後、日本の軍部もおかしくなって世界大戦をおこなっていくわけだけど、

これも企業が官僚化して腐敗していくのに結局は似ている。

坂の上の雲の主人公の秋山兄弟や明治軍人たちの最後の武士として気構え、武士道を知れば、私欲や慢心を自制して、継続的な自己実現を可能にしていく。ということなのかもしれない。

最近、自分でアウトプットしなかったから筆(キーボード)が進まない進まない。笑

過労でやや脳の活動が低下してるのもあるかもしれない。


というわけで歴史小説もひと段落したので、

醸造の専門の勉強していきます。

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