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クリエイターエコノミーへの招待

「子供は誰でも芸術家だ。問題は大人になっても、芸術家でいられるかどうかだ。」__パブロ・ピカソ

普段はTikTokクリエイターを活用したプロモーション事業を展開していて、今は新規でプロダクト開発をしているNateeという会社の代表をしています、りょーけんと言います。

最近「クリエイターエコノミー」というワードをよく耳にするようになりましたが、個人的には「Substackで1億円稼いでる!」とか「NFTで75億で売れた!」とか海外の極端な成功事例がまとめて語られているだけで、日本と状況違うんだよなぁと思うことも多いです。

ど真ん中にいる当事者として「クリエイターエコノミー」とはなんなのか、日本にどんな影響がもたらされるのかを、改めてまとめてみたいなと思って書くことにしました。

少々長くなりますが、当事者として熱を込めて書きましたし、少なくとも一つは学びを持って帰れると思いますのでどうぞお付き合いください。

そもそもクリエイターエコノミーってなに?

アメリカではa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)という業界のレジェンド二人が作ったVCがめちゃめちゃ話題になっていて、未来を言い当てられる予言者とも言われるような彼らが言い出した概念が「クリエイターエコノミー」です。

その中でもこちらの「パッションエコノミーと仕事の未来」という記事が火付け役となりました。

要約すると、自分の好きなジャンルやクリエイティビティがマネタイズの源泉になる時代が来るぜ!ということなのですが、そもそもインターネットの本質というのは個人のエンパワーメントであり、これはわざわざ確認するまでもないインターネット登場以来ずっと続いてきたトレンドなわけですね。じゃあ一体クリエイターエコノミーというのは今新たにどんな変化を指しているのでしょうか?

「注目を集めれば勝ち」というゲームの危うさ

これを知るにはクリエイターを取り巻く市場がどう成長してきたかを考える必要があります。

まず言うまでもなく一番最初の変化はSNSが地球上にあまねく広まったことですね。そしてそのSNS上で注目を集める人たちがたくさんフォロワーを有するようになり、広告主(以下名称はブランドで統一)がそのクリエイターのメディア価値に目をつけタイアップ広告というのが始まりました。

実際に若い人を中心に人気は爆発的でしたから、タイアップをしたゲームや商品が飛ぶように売れていくわけです。それでYouTuberがすごい!とか、これからはインフルエンサーマーケティングの時代だ!というのでアメリカでも中国でも日本でもブランドとクリエイターの間に入るような、代理店やMCN(Multi Channel Network、デジタル版芸能事務所のようなもの)がビジネスとして生まれていきました。

一方でYouTubeというプラットフォーマーが、動画配信者に対して再生回数に応じて直接的にアドセンス収益を分配するようになりました。これはGoogle上で良質なサイトを作ってくれるブロガーに対してアドセンス収益を分配した施策とまったく同じ構造です。『YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち』には毎年(たしか)3,000億円ほどがYouTuberに支払われているという記述があった気がします。すごい額だw

ここで問題になるのは、彼らの価値がアテンションによるものだけに留まってしまったことです。タイアップ広告ではフォロワー数が強い指標として取引の対象となり、「フォロワー単価」という価格が設定されるようになりました。これは日本だけではなくアメリカや中国でも同様の値付けがされています。

アドセンスの収益も基本的には再生回数に応じて分配がされますので、奇をてらったことをやればどんどんアテンション(注目)が集まり、メディア価値が増すのでマネタイズができる、という構造が出来上がりました。

プラットフォームに対する依存度がマシマシ

そうして生まれたアテンションエコノミーですが、現在クリエイターがハッピーと言えるかというとなんとも言えない。

まあ一言で言うと、サステナブルじゃないわけです。まず「超」労働集約的であり、視聴者にはより過激なコンテンツを求められ続け、何よりプラットフォームのさじ加減一つで自分の収益がガラッと変わってしまう恐れがある。

たとえばYouTubeの1再生あたりのアドセンス収益が0.25円だったところが、ある日突然0.1円になったりするわけです。収益で言うと60%減になるわけですよね。もし月給30万円の会社勤めの人が「明日からあんたは12万円ね」と社長に言われたら大暴動を起こしますよねw

そうならないためにも労働基準法という鉄の掟みたいな法律で労働者の権利を守っているわけです。でもプラットフォームにはその法律がありません。これはクリエイターのみならず、Uber Eatsなどのギグエコノミーでも同じ問題が指摘されています。

生活がプラットフォームに依存しまくってるわけです。彼らからすると動画配信者に払うアドセンス収益や配達員への報酬は丸々「コスト」になってしまうので、そこを減らしたいと思うのは営利企業としては至極真っ当でしょう。それに抗うすべがないという点が問題です。

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Patreonの創業者であるジャック・コンテが自分の実際のYouTube収益について話していた時、106万再生に対して166ドル(約18,000円)だったことが明かされています。1再生あたりの収益で言うと約0.018円となりますね。なかなかにしんどい事情が見てわかるかと思います。

なのでプラットフォームに依存しない形でのマネタイズモデルの提供が急務であり、どのクリエイターもみんな求めている「ニーズ」ということになります。

Amazon vs Shopifyに見る同じトレンド

ちょっと話がそれますが、この構造は他でも同時多発的に起こっていて、代表的な事例がAmazonとShopifyです。

Amazonは言うまでもなく世界中で一番大きなショッピングモールとなりましたが、その対抗馬として今注目されているのがShopifyになります。日本でも話題になってきたので、ご存知の方も多いかもしれません。

Amazon一強だった時には出店者は他に選択肢がなく、結果的にAmazonに合わせたデザインだったりオペレーションが最適化されていきます。Amazonだけじゃなくて、楽天やZOZOみたいなモール自体に集客価値が生まれるので、プラットフォーム手数料が高くてもそこは目をつぶるしかなかったわけです。

それをShopifyはモールという形ではなく、ショップ一つ一つに月額でシステムを提供する形に変えました。自分好みのデザインにできるし、いろいろカスタマイズが可能な代わりに、集客はShopifyはやってくれません。SNSやSEOを駆使して自分たちでお客さんを集めることになります。

SNSで自らカスタマーを集められる能力を持つ会社が、モールを使わないで簡単にショップが開けるようになった。これがD2C(Direct to Consumer)ブランドがたくさん生まれている背景ですね。

実際D2CブランドもAmazon/楽天使った方が伸びるよね、という話もあるので全てが一概に言えるわけではありませんが、傾向としてということです。てかモール使ったらその時点でD2Cとは言わないのでは(笑)。

いずれにせよ、プラットフォーム独占だったものがアンバンドルされ分散していく構造は、2020年代にどこの市場でも起きるメガトレンドだと思います。

改めてクリエイターエコノミーとはどんな進化のことか?

大きい問題として、①アテンションを集めることだけで収益が生まれてしまうこと、②プラットフォームに依存していること、という二つの課題が現状のマーケットにはあります。

それを解決していこうぜ!っていうのがクリエイターエコノミーのやりたいことなわけです。

まず代表的な例としては、広告からの依存を脱し、ファンからマネタイズできる方向に舵きりをしていること。今までのお金の流れは「ブランド→広告代理店→事務所(MCN)→クリエイター→ファン」のような構造になってしまっていて、必然的にクリエイターの取り分も減り、お金を出しているブランドの言うことを聞かざるを得ない力関係が存在してしまっています。

でも本来はファンがいることがクリエイターの価値なので、「ファン→クリエイター」とお金の流れを整理してあげた方が健全というわけです。

「千人の真のファン」というこちらのエントリーが書かれたのは遡ること2008年のことですが、そこにはこう書いてあります。

「成功するクリエイターになるためには何百万も要らない。何百万ドルも、何百万のカスタマーも、何百万のクライアントも、何百万のファンも必要ない。クラフトワーカー、写真家、ミュージシャン、デザイナー、ライター、アニメクリエイター、アプリ開発者、起業家、発明家として生きていくためには、1,000人の真のファンさえいればいい。」(拙訳)

それを体現しているのがPatreonで、内容としては日本で言うファンクラブとかオンラインサロンに近いかなと。

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たとえばこのTrue Crime Obsessedというcomedy系のpodcasterは45,000人のパトロン(ファン)がいて、5ドルから20ドルまで4つの価格設定によって受け取れるコンテンツが異なります。

もしファンの平均課金額が10ドルだとした時に、月額で45万ドル、約4,500万円を稼いでいることになります。そして広告主のことを気にすることなく、きちんとコンテンツとファンと向き合うことだけに集中できるわけです。

Cameoはセレブリティからショートビデオを受け取ったり、1on1トークができるようなサービスです。YouTuberのようないわゆる動画クリエイターという属性だけでなく、バスケットボールのスター選手やハリウッド女優などもどんどん入ってきていて、一大プラットフォームとなっていますね。

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日本でもOkulyという同様のサービスが展開されていて、前澤ファンドから出資を受けて話題になったりもしましたね。

ちなみにPatreonの時価総額が4,000億、Cameoが1,000億くらいあります。今後もこういったクリエイターエコノミー銘柄は大きく値付けされて、話題になっていくことでしょう。

具体的なサービス事例

クリエイターエコノミーカオスマップ

ANTLERというVCがまとめたクリエイターエコノミーのカオスマップがこちらです。ここにはなんと229社がリストアップされています(数えたのでたぶんw)。

カテゴリーとしては以下の5つで、それぞれ代表的なものをご紹介していきます。

①ファンを集めるもの(Audience Curation)
Clubhouseに代表されるような、新たなファンベースを作っていく基盤になるサービスですね。

Bunches:グループチャットコミュニティが作れる。

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substack:ライターにフォーカスしたメルマガサービス。稼いでる人は年間1億くらいいくらしい。特徴的なのは、プラットフォームを卒業するときにメルマガのリストを全部エクスポートできることなど、従来のプラットフォーム依存とは真逆の考え方(クリエイターファースト)でサービス運営をしている点ですね。

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②ファンからマネタイズするもの(Audience Monetisation)
OnlyFans:ロンドン発のファン向け有料SNS。アダルト系のコンテンツが主でむっちゃ利益出てるらしい。

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Maven:個人がコホートベース(同時期にグループで受講してカリキュラムが進んでいく方法)のオンラインレッスンを簡単に作れるサービス。最近a16zから20億円くらい調達して話題に。

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③ある領域に特化した垂直サービス(Vertical Platforms)
アート・フィットネス・ゲームなど、領域ごとに特化されたサービス群。

Audius:アーティストがレーベルなどと契約することなくファンに向けて直接音楽を届けられるブロックチェーンベースのサービス。

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Playbook:アスリートやスポーツコーチ、トレーナーのコンテンツが見れるトレーニングサービス。ユニークなのは利用者側は月額1,500円くらいでコンテンツにアクセスし放題という点。

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④コミュニティマネジメント(Community Management)
Linktree:リンクのまとめができるバンドルサービス。プロフィールリンク一つしか貼れないところで重宝し始め、セリーナゴメスとかも使っている。日本人も増えてきましたよね。

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⑤クリエイター支援ツール(Creator Tools)
クリエイターが動画編集やデザイン、そういったものを助けるためのツール。

Stir:クリエイター同士がコラボして収益を分配するサービス。今年2月にa16zから100億円くらい調達して話題になった。下記画像を見るとクリエイターのためのファイナンスサービスになっていくんだろうか。

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おわかりの通り、クリエイターエコノミーの良い企業はa16zが軒並み投資していますよね。a16zは実態としてはVCでマネタイズするメディアビジネスに近く、次のテックトレンドを定め、かっこよく発信し世論を醸成、自分たちがスタートアップをとことん担ぎあげることで市場を作っていくという新しいスタイルのVCだと思います。

(元記事はこちら)

メガプラットフォームのクリエイター支援競争が激化

この脱プラットフォームの流れを当人が黙って見ているわけはありません。Twitterをはじめ、Instagram, Snapchat, TikTokなどが続々とクリエイターのための機能を実装しています。

その代表的な事例としてはTwitter社が発表したSuper Followsという機能でしょう。

課金したフォロワーにしか見えない限定コンテンツを配信できるという、なんともPatreon泣かせな機能を実装しています。

Twitterに対抗してザッカーバーグも「クリエイターが自分のコンテンツによって収益を上げられるように支援すれば、それがより広範なクリエイターエコノミーの構築につながるというのが、われわれの見方だ」と表明。ブランドとクリエイターのマーケットプレイスなんかを実装しているよう。

YouTubeもTikTokもSnapchatもクリエイターの陣取り合戦に必死です。彼らはユーザーの滞留時間こそがビジネス上の正義であり、いかにクリエイターをプラットフォームに依存させ続けられるかが全てなので、こういった競争は激化の一手をたどるはず。

従来のSNSで集客をして、別のツール(サービス)でマネタイズをするというのが大きな流れだったのが、プラットフォームそのものでマネタイズが完結するようになる。このインパクトはとてつもなく大きいでしょう。

脱プラットフォームを狙うクリエイターマネタイズサービスと、それらを潰しにきているプラットフォーム。この市場の大変興味深いダイナミズムが伝わるでしょうか?

今は単なる「予兆」である

日本の経済史上最高の5兆円の純利益を記録したソフトバンクグループが先日世間を賑わせました。そのほとんどはテック銘柄への巨額投資の成功によるものですが、まさか孫さんの口からこのクリエイターエコノミー領域への投資が、しかも決算発表でされるとは驚きでした。

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テック銘柄以外に興味のない孫さんも外せないほどの規模になってきている。しかし、孫さんの言葉を借りるならば、現状のこれらの動きはただの「予兆」に過ぎないということです。

AIやブロックチェーンやVRなど、たくさんのいずれ来る確定未来というのがありますが、クリエイターエコノミーもまったくその一つだと言えると思います。2020年代に張るべき一つのマクロトレンドであるのは間違いありません。

アリババの最高戦略責任者のミン・ゾンさんはその著書『アリババ 世界最強のスマートビジネス』の末尾をこんな言葉で締めくくっています。

私たちは今、非常に刺激的な時代に生きている。直感に反するかもしれないが、人類史上、個人がこれほどの力を持ちえたことはなかった。

そして、これは今がピークアウトなのではなく、予兆に過ぎないということです。地殻変動は始まったばかりなんです。

・「大金を稼げなくてもいいから、自分の好きなことで生きていきたい」というZ世代を取り巻く価値観の変化
・一方通行のマスメディアから、一人一人が主役となるSNSに移ったメディアの変化
・信頼のできない企業の一方的なメッセージではなく、好きなクリエイターが発信する情報を信じる購買行動の変化
・リアル店舗から、オンラインショッピングへの変化
・みんなが持ってる伝統的ブランドではなく、自分だけのD2Cブランドの勃興
・プラットフォームのアンバンドルというメガトレンド
・5Gにより動画やライブ配信がノーストレスで見れるようになったテクノロジーの進化

全ての事象がクリエイターエコノミーの到来を告げる呼び鈴なわけです。

来たるべき「セカンド・ルネサンス」

これをPatreonの創業者ジャック・コンテは「セカンド・ルネサンス」と呼んでいます。彼は今まさにクリエイターエコノミーの世界最先端にいる立場で、この激動の時代を前に興奮を隠せないわけです。英語ですが7:25くらいの短いものなのでぜひこの動画を見てみてください。

簡単に要約すると、歴史上見たことのないレベルで世界は相互に繋がっていて、かつiPhoneに代表されるクリエイターツールが誰でも入手できるようになった、という二点が爆発的なクリエイターの増加を生んでいると。

そして今後のSNSの鍵はクリエイターであるのは間違いなく、Instagram, YouTube, Spotify, Twitter, TikTokなどのプラットフォームがどんどんクリエイターのための競争を始めている状況が今。

その結果クリエイターが稼ぎやすくなり、安定した収益を得られるようになったクリエイターが増えることでクリエイティブのレベルがどんどん上がっていき、子供たちが憧れるようになると更にクリエイターが増えていく。クリエイターが増えるとさらにプラットフォームのクリエイターのための支援競争は激化し、それがまた良質なクリエイティブに繋がっていく、というサイクルを辿るようになるんだと。

これはまさにルネサンス期に文化芸術が爆発した時の再来、いやそれ以上の確変が来るのが2021年現在なわけです。レオナルドダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなど現代にも名を残す巨匠が多数生まれたルネサンス。果たしてセカンドルネサンスではどんなクリエイターが後世に名を残すのでしょうか。

日本の希望の星「クリエイター」

一方視点を日本に向けてマクロな状況を考えると、正直とても絶望的だと言えます。世界三大投資家のジム・ロジャースは「私が今日本に生まれた10歳の子供であれば、親に頼み込んで必ずや国外に逃げるだろう」と言っているほどです。政治や経済の現状を整理するとなかなか厳しい。

まず人口が減っていて、なおかつ高齢化しています(これが一番の社会課題ですね)。2035年には65歳以上の割合は32.8%、およそ1/3が高齢者になるわけです。一方で29歳以下の若者の割合は24%に留まります。

我々はデフレ世代、贅沢をしようとか成功しようなんて思うよりも、お金がなくてもいいから自分らしく生きたいと思います。その方がよほど合理的ですから。

でも、そんな悲観的な日本において若者の間で圧倒的な存在感を放っているのって、もう動画クリエイターとスポーツ選手くらいしかいないんです。YouTuberやTikTokerが若者の中でスターになるのは至極当然だし、なんなら僕は日本社会の中でももっとスター扱いされていいと思っています。

余談になりますが、僕は渋谷が好きです。オフィスも家も渋谷で、なんでかと言うと日本で唯一(と言ったら怒られそうだけど)のrising commnityだと思うからです。ヒカリエから始まりスクランブルスクエア、フクラス、ミヤシタパークなどとにかくでかい商業ビルがどんどん建つ。この正のエネルギーは素晴らしいと思う。

一方で地方に旅行に行くと、正直どこに行っても「サビれているな、、」と感じざるを得ません。ワビサビという道を説いて名を残したお茶屋さんもいますのでその興がわからないではないのですが、それにしても日本にrising communityがない。だから渋谷が好きなんです。

そして、僕がスタートアップをやっているのも、クリエイターを支援しているのも同じ理由。日本で数少ないrising commnityだからです。あるグローバルのメガプラットフォームのNo.2の方と話した時も「日本にはもうクリエイターしかいないんだよ」とおっしゃていたのが印象的でした。

クリエイターがもっと発信力を持ち、自分の好きなことでお金が稼げるようになり、それに子供たちが憧れ、今まで社会や大人に敷かれたレールとはまったく違う生態系を作っていくならば、それはものすごいワクワクする未来だとは思いませんか?少なくとも僕はワクワクするし、その未来にこの10年をbetしたい。

断言しますが、日本の未来はクリエイターが創ります。

そもそも「クリエイター」って誰のこと?

「クリエイターエコノミー」について散々長々と書いてきたのですが、そもそも「クリエイター」って誰なんですか、という話をして終わろうと思います。

クリエイターを英語に直すと "Creator" ですね。頭にtheをつけて "the Creator" と表現をすると、英語では神のことを指すわけです。キリスト教的に言うと、この世界を作った創造主ということになります。

つまり、無から有を生み出す存在がクリエイターなんだと。決してカメラの前でおちゃらけてる人や、ゲームを作る人だけがクリエイターなのではありません。まだこの世にない会社を作る起業家もクリエイターだし、コードを書くことでまだ存在していないサービスを生み出すエンジニアもクリエイターだし、当然バンドマンも作家も皆クリエイターなわけです。

僕は人間の創造性が世界をアップデートし続けてきたと信じています。それが爆発する、まさに前夜がこの2020年からの大きなうねりなのではないかと。

この記事を読んでワクワクした皆さんに、クリエイターエコノミーへの招待をお送りします。

おわりに(宣伝)

いつも通り宣伝して終わります!

1. 出版したいです!
もしクリエイターエコノミーに関してご興味を持ってくださった出版社の方がいらっしゃれば、この5倍の濃さで執筆活動に励みますのでぜひコンタクトいただけると嬉しいです。

NFTや日本の歴史には全然触れられていないので、その辺も詳細に解説したいなと思っております。

2. 一緒に働いてください!
今めっちゃ楽しいんで、一緒に働きませんか?トレンドのど真ん中で、事業創造をする経験ほど人生を彩るものはないと起業家として断言できます。

Nateeはまだ創業から2年6ヶ月ですが、すでにフルコミの社員は15名ほど、電通やリクルートの若手のエース社員がどんどん入ってきています。今期もまた爆伸びする予定なのでぜひ仲間になってください!

①大手ナショクラさんに大上段から提案するコミュニケーションプランナー!
②ショートムービーでバズプロモーションを仕掛けたいクリエイティブプランナー!
③上場までCFO(or 管理部長)としてやりきりたいプロフェッショナル!
④新規事業ガンガン開発していくエンジニア!

等々、様々なポジションを募集していますので少しでもご興味ある方はDMでもNateeのWantedlyでもマジで気軽にお声がけくださいませ!

3. フォローしてください!
ちょいちょいツイートしてるので、ぜひフォローお願いします!スタートアップ、マーケティング、TikTokの話がメインでございます。

4. ♡押してください!
ここまで来たらもう観念して、♡押しましょう?ほら、押されたら僕は気分がルンルンしてお年寄りの荷物を積極的に持っちゃうかもしれないし、タップするだけで世界はちょっとよく回るようになると思えば、ね?

5. 感想ツイートしてください!
GoodでもBadでも感想いただけると嬉しいです!エゴサスキル高いので全部目を通しますし、より皆さんが気になっているポイントとかも今後発信していきたいと思っていますのでよろしくお願いします。

以下Appendixです。

参考にしている記事やアカウント

「クリエイターエコノミー」という概念を今日本で一番熱量と情報量を持って語っているのは間違いなくOff Topicさんですね。毎度すさまじい情報量のnoteには勉強になりっぱなしです。

オフトピックMiyatakeさんのTwitterもアメリカのテクノロジー、とくにZ世代のトレンドやクリエイターエコノミーについて最新情報がシャワーのように浴びれますので超おすすめです。

NewsPicksのこちらの連載も読み物としてとてもおもしろいですし、近年のNewsPicksでも珍しいほどにコメント欄での盛り上がりを見せているので、みんな関心がある領域なんだろうなと思っています。ぜひ読んでみてください!

アメリカや中国、日本との大きな違い

米中で成功しているモデルを日本でそのままやればいいじゃないか!と思ったりもするものですが、それがなかなかどうしてそのままストレートにはできないなと思っています。

いくつか大きい要素があるのですが、国民性としての「独立心」というのが僕は一番大きい理由じゃないかと思っています。

アメリカも中国も独立する人への憧れが強い文化として根付いています。逆に日本は「出る杭は打つ」のことわざに代表されるように、成り上がる人たちに対してのやっかみが強く、あまり挑戦者に寛容な気質ではありません。単純比較はできないとしても、明らかに国民の性向としての差異はあるわけで、ここは大きい概念かなと。

加えて、中国では平気でコピー商品が出回り、詐欺まがいな商売も多数横行しているわけです。そうなると信用が担保されないネットショッピングは大きいリスクになる。満を辞してKOLの登場というわけです。

彼らの特徴として、ブランドに忖度せず歯に衣着せぬ口ぶりでズバズバと良し悪しを語っていきます。そうなると消費者からするとKOLの言うことは安心して聞けるわけで、どんどん商品の購買をKOLに依存するようになるわけですね。だからぶっちゃけブランドよりもKOLの方が立場が上になっています。

中国ではMCNが数万社あると言われていて、KOL(Key Opinion Leader)はもはや一つのメディアではなく、ドンキホーテや百貨店などの小売店のように購買に欠かせない商品棚になっている状態です。小売ではどこに棚どりできるかが全てと言っても過言ではないですが、それがデジタルの場ではどのKOLの棚に商品を置いてもらえるかが全て、という状況になってきています。

一方で日本では相対的に消費者を騙すようなビジネスが少なく、また違法事業者の摘発もどんどん厳しくなってきているので、消費者はそこまで意識せずとも新しい商品に手を出したりもできますし、購買における個人のインフルエンサーに対する価値は、ペインがないという意味ではそこまで高くはないのが現状です。

あとは単純にオンラインで買う人の割合が違いすぎるっていう側面もあります。EC化率においては中国は2019年時点で36.6%という数値で、日本の6.7%と比べると5倍以上オンラインショッピングが進んでいるわけで、シンプルにデジタルの影響力が強いというのもありますね。

サポートいただいた方には一人一人に感謝の返信を差し上げたいと思います!いつもサポートありがとうございます。