
最近の仕事と制作 雑感
2022年も半分が終わった。演奏の機会が多かった。印象深いのは横笛奏者の望月さんとのアブストラクトなコラボレーション。
歴史のある和笛と現代音楽の化学反応を起こせたと思う。ものすごく楽しかった。
あとは、大分・日出のKamenosでUQiYOさんとの共演、耶馬渓での植物インスタレーションなど。どれも刺激的で実験的なプロジェクトだった。
生活においても、引越しと息子の脳腫瘍の手術(終わったばかり)が大きく脳のリソースを占めた。特に息子の手術は今年の上半期どころかここ数年でもっとも記憶に残るトピックスになるはず。
おそらく音楽に限らずなにかを生み出す人は、生活の様相がぐっと作品に出る。僕も例外ではなく、こればっかりは暗い影を落としていた。社会でコロナや戦争、円安が人々の価値観を揺るがす中、僕は息子の体のことが最も色濃く影響していた。(なんとか成功と言える手術結果だったので、これからの人生が一気に色づいてきた)
制作においては、昨年リリースしたPerspectiveの路線をさらに進んでいる感じ。あまり作れていないが、つくろうと溜めている素材はどれもテクスチャにこだわっている。仕事での作曲ばかりなのだが、来年中にはなにかリリースしたい。
仕事に関して、長年の目標だった映画の劇伴が舞い込んできた。僕が好きだった名俳優さんの映画。プレッシャーと不安だらけ。
今年の下半期はこれに尽きると思う。まだラッシュももらっておらず、しかし11月の末〜12月の頭に東宝のスタジオでミックスとダビングがもう決まっているので、スケジュールはなかなかタイト。間違いなくこの仕事は分岐点になる。
なんとなく、35くらいまでに映画音楽をやりたいと思っていた。早かった分、突然試合が来まったボクサーみたいな気持ちになっている。減量をすぐにでもはじめなきゃいけない、ような。
いやいや幸せなことなのだ。僕の音楽をずっと追ってくれて、依頼をいただいた。音楽家として、表現者に評価されるのはこの上なく幸せなことなのだから。
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