ウルマリ事件
いきなりですが、初恋はいつですか?
幼稚園の時に、先生に心が動いた人もいるでしょう。
小学校の同級生に心を動いた人もいるでしょう。
中学校に入ってからは先輩に恋をするなんていうのもあるかもしれません。
人それぞれ初恋のカタチは違います。
かく言う僕の初恋は、中学1年の時の同じクラスの子でした。
思春期ならでは、少しでも周りに良く見られようと必死に振る舞っていたのを覚えています。
僕の中学は学ランだった。
学校がある間は皆同じ格好だから良いのだが、プライベートになるとボロが出る。
当時僕はパジャマみたいな私服を着ていた。オシャレには程遠い子供であった。
下はダボダボのスウェットに、テレビでは見た事ないどこぞのキャラクターが描かれたTシャツを身に付けるというストロングスタイルを貫いていた。
今思えば、その格好でよく外で歩けたなと。
そんな、ストロングスタイルな中学生だった僕がある日UNIQLOである最強アイテムを手に入れることになる。
「ジーンズ」だ。
足に対する抵抗ゼロのパンツしか履いて来なかった僕が、遂にジーンズという飛び道具を手にするのだ。
※ジーンズなんてものは古くから存在しております
今だったらデニムパンツなんて呼ぶのでしょうか。
「おい、なんだこのオシャレアイテムは。もう最強じゃないのかい」
オシャレ検定-10級の僕には、ジーンズを手に入れた事であたかもブラッドリークーパーになったつもりでいた。
ジーンズを手に入れた中学生のブラッドリーはすぐにある行動に移すのです。
Tシャツにジーンズをまとい、好きな同級生の家の前を何回も何回も自転車で通ると言う奇行に出たのです。
「来い!今出て来い!!!」
「あぁダメだった。もう一周!!!」
その繰り返し。
結局その時は出会う事は無かった。
でも、心は何故か満足していた。なぜなら僕はブラッドリーなのだから。
そんな折、
ウチの学校では、イケイケメンズ達の間である香水が流行った。
『ウルトラマリン』と言う結構キツめの香水。
でも僕は香水も付けなかったし、自分から発せられるフェロモンで勝負する派だったのでよくわかっていなかった。
そんな時、学校で同じクラスの気になる女の子と話をしていると、なぜか好きな香水の話になった。
女の子
「トクダくんはどの香水が好き?」
え、、、
好きな香水なんて無い。だが、ブラッドリーが今流行りの香水を知らないのは許されない。
そう思い、とっさに、
ブラッドリー
「あぁ、俺は、やっぱりブルマリは好きかも」
女の子
「え?、あ、あぁ。」
ブラッドリー
「ブルマリいい匂いだから今度付けてみようかなぁ」
女の子
「え?、あ、あぁ。ウルマリいい匂いだよね」
終わった。
絶対に「ブルマリ」だと思っていた。。。
「ウルマリ」なのか。
ハッキリと濁音でお届けしてしまった。
カッコつけて話していたものだから、後から引くに引けず顔だけ真っ赤に染め上がっていた。
こうして初恋は、香水の様に儚く周りに紛れて消えていったのである。
今でもたまにいい格好しようとしてしまう時は、このウルマリ事件を思い出すようにしているw
これからも着飾る事なくありのままで頑張ります。